不正アクセスで個人情報漏えいが相次ぐ【2026年10月特集】何が起きている?今やるべきこと

【特集】不正アクセスによる個人情報漏えいが相次ぐ2026年10月|いま何が起きているのか

Heartland-Lab (ハートランド・ラボ) 専門調査レポート|2026年10月16日時点

2026年10月に入り、大手企業や暮らしに身近なサービスで、不正アクセスによる会員情報の漏えいが毎日のように公表されています。この特集では、「原因と現状」「これから予想される事態」「心構えと対策」を3つのページに分けて、順番に解説していきます。このページは、その入口となる全体まとめです。

緊急性レベル ★★★★★ (5/5)
影響の広がり ★★★★★ (5/5)
二次被害(詐欺メール等)のおそれ ★★★★☆ (4/5) ※今後の予想を含みます

※事案は日々増えているため、このページは随時更新します(最終更新:2026年10月16日)。

こんにちは、Heartland-Labです。「ポイントがたまるから」「予約がラクだから」と、お店やネットサービスの会員登録をした覚えはありませんか? 便利な会員サービスは、裏を返せば、私たちの名前や住所、電話番号を預けているということでもあります。

その「預けた情報」が漏れたという発表が、今月はほぼ毎日のように続いています。まずは、何が起きているのかを整理しましょう。

いま何が起きているのか(10月の主な公表事案)

10月1日から15日までの間に、報道や各社の発表で明らかになった主な事案を表にまとめました。ここに載せたのは一部で、ほかにも多数の事案が公表されています。

公表日 事案 公表ベースの規模
10月1〜2日 佐川急便「お荷物問い合わせサービス」 情報流出の可能性(利用を一部停止)
10月5日 「焼肉きんぐ」会員管理システム 1000万件超
10月5日 大和証券(問い合わせ管理サービス経由) 約11万人の可能性
10月6日 GMOリサーチ&AI「infoQ」 最大約95万件(不正なポイント交換も)
10月7〜8日 「IDCFクラウド」(ランサムウェア攻撃) 495の企業・自治体に影響
10月8日 ローソン 215万件超
10月8日 第一興商(「ビッグエコー」など) 約872万件のおそれ
10月9日 skyticket 1400万件超
10月9日 ブックオフ 会員管理システム 最大643万件
10月9日 JR東日本「えきねっと」「大人の休日倶楽部」 約206万件の可能性
10月15日 ソースネクスト 22,519,960件(同社の通知メールより)

※件数は各社が「可能性を含む」として公表した数字で、単位(件・人)も事案ごとに異なります。そのため、足し算はしていません。

「自分は使っていない会社」では済まない理由

今回の事案には、1社だけの問題ではなく、1つの基盤や委託先が狙われて、複数の企業に被害が広がった例が目立ちます。

  • クラウド基盤「IDCFクラウド」がランサムウェア攻撃を受け、495の企業や自治体に影響が出ました。JR東日本の「えきねっと」などでも、情報が漏れた可能性が公表されています。
  • 問い合わせ管理サービス「i-ask」への不正アクセスでは、大和証券やシチズンにも影響が及びました。
  • 第一興商のように、委託先の従業員の端末がマルウェアに感染した例もあります。

つまり、普段使っているサービスの「裏側」を支える会社が狙われると、自分が直接使っていない会社の事故でも、自分の情報が含まれてしまうことがあります。会社名に心当たりがなくても、通知が届く可能性があるわけです。

💡ここで! 「ランサムウェア」とは?

パソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化して使えなくし、「元に戻してほしければお金を払え」と要求する攻撃のことです。最近は、データを盗んだうえで「公開されたくなければ払え」と脅す手口も増えています。

国と専門機関も動き出しました

政府は10月8日、相次ぐ漏えいを受けて関係省庁による会議を開くと発表しました。9日には、大量の個人情報を扱う事業者に対して、システムの弱点(脆弱性)への速やかな対策などを要請しています。個人情報保護委員会も事業者向けに注意喚起を出し、JPCERT/CC(日本のサイバー攻撃対応の専門機関)は、攻撃の手法と対策をまとめたページを公開しました。

また、セキュリティ会社の中には、7月以降に被害が増えていることなどから、攻撃にAIが使われている可能性が高いとみているところもあります。ただし、AIによる攻撃だと断定されたわけではなく、現時点では可能性の指摘にとどまります。

実際に届いた通知メールから見えること

Heartland-Lab運営者のもとにも、ソースネクストとskyticketから、情報流出の通知メールが届きました。内容を要点だけ紹介します。

■ ソースネクスト(10月15日付)

対象は22,519,960件(約2,252万件)。メールアドレスとパスワード、氏名、住所、電話番号、生年月日のほか、会社名・役職名・部署名まで含まれる可能性があるとされています。全会員のパスワードがリセットされ、再設定が必要になりました。クレジットカード情報は、対象のシステムに保管しておらず、流出の対象ではないとしています。

■ skyticket

対象は、パスポート表記の氏名、生年月日、メールアドレス、電話番号、住所(番地まで)、振込時の依頼人名義です。クレジットカード情報は流出していないと説明されています。

2通とも、「名前・住所・連絡先を悪用した、なりすましの連絡に注意してほしい」と呼びかけています。この通知メールの文面そのものが、これから詐欺メールのお手本にされるおそれもあります。2通の詳しい読み解きは、特集の中で扱います。

これから予想されること(あくまで予想です)

先にお伝えしておくと、現時点では、今回の漏えいを使った詐欺メールの被害が確認されたわけではありません。ただ、これまで私たちが扱ってきた詐欺メールの多くは、誰に届いても同じ内容の「バラマキ型」でした。名前や住所が出回った今後は、二次被害は、これから本格化するおそれがあります。想定されるのは、たとえば次のようなものです。

  • 本名と、実際に使っているサービス名が入った、本物そっくりのメールやSMS
  • 流出したメールアドレスとパスワードを、他のサービスで試す不正ログイン
  • 「パスワード再設定のお願い」や「お詫び」を装った、偽の通知メール

この特集の読み方

1本が長くなりすぎないよう、3つのページに分けました。順番に読むと全体がつかめますが、気になるところだけ読んでも大丈夫です。

① 原因と現状編 →

なぜ今月に集中したのか。どんな経路で漏れたのか。事案の一覧と、国の動きを詳しく整理します。

② 予想される事態編 →

流出した情報の種類ごとに、どんな被害が考えられるのか。個人特定型の詐欺がどう変わるのかを解説します。

③ 心構えと対策編 →

こんなメールが届いたらどう動くか。具体的な場面で示します。被害に遭ったときの連絡先も載せます。

今日からできる、最低限の3つのこと

  1. パスワードの使い回しをやめる:通知が届いたサービスのパスワードを変えるだけでなく、同じパスワードを他のサービスでも使っていたら、そちらも変えてください。できれば多要素認証(パスワードに加えて、スマホなどでもう一度確認する仕組み)も有効にしましょう。
  2. メールやSMSのリンクは使わない:本物の通知に見えても、メール内のリンクは使わず、公式アプリや、自分で登録したブックマークから確認してください。
  3. 身に覚えのない「再設定メール」は開かない:自分でパスワード再設定の手続きをしていないのに、再設定のメールが届いたら、リンクは開かないでください。

※くわしい対処法は、③心構えと対策編でまとめています。

本レポートの結論

10月の一連の漏えいは、1社の事故ではなく、基盤や委託先を通じて広がる形で起きています。自分が影響を受けたかどうかにかかわらず、これからしばらくは、会員情報を悪用した詐欺に警戒が必要です。身近な人が騙されてからでは手遅れです。このページのURLをコピーして、家族のLINEグループで『これ気をつけて!』と共有してあげてください。

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Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
参考:各社の発表、およびNHK・共同通信の報道(10月1日〜15日)
NHK(AI悪用の可能性について) NHK(政府の事業者への要請) 共同通信(関係省庁会議)

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