KAGOYA「Active!mail」を騙るのに中身はMicrosoft TeamsのタイトルでSlack風デザイン——3ブランド混在の雑なフィッシングキットを解析

今日はAmazon・Apple・dポイントと続きましたが、最後にご紹介するのはKAGOYAの「Active!mail」を騙るメールです。ただし、中身を見ていくとブランドが3つくらい混ざっているという、なかなか珍しい一通でした。
ご覧の通り、このメールはKAGOYAを装った真っ赤な偽物です。ブランドがごちゃ混ぜになっているという珍しさも含めて、ぜひ周りの方にも共有してあげてください。
■ 詐欺メールの実際の表示
HTMLメールとして表示すると、KAGOYAの「Active!mail」を思わせる紫系のデザインで、「こんにちは admin@(宛先)さん、新しいメッセージ待っている.」という、やや不自然な日本語の見出しが表示されます。

HTML表示された詐欺メールの実際の画面
ところが、テキスト表示に切り替えると、HTMLソースの`<title>`タグの中身がそのまま見えてしまい、なぜか「You have a new message in Microsoft Teams」という、KAGOYAともActive!mailとも無関係な文言が冒頭に出てきます。

テキスト表示に切り替えた際に見えるHTMLタイトルの中身
■ メールヘッダー解析(送信ルートと偽装判定)
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載
差出人:KAGOYAの「Active!mail」を装った、公式とは無関係な独自ドメインからの配信
SPF認証結果:None(SPFレコード自体が存在せず)
送信元IP:45.229.168.145(ホスト名:145.168.dynamic.fulltelecom.com.py)
発信元ロケーション:パラグアイ共和国。ホスト名に含まれる「dynamic」という表記から、企業のメールサーバーではなく、動的に割り当てられる一般家庭向け回線からの送信とみられます。
【偽装判定】:KAGOYAの正規サービスが、SPFレコードすら存在しない、パラグアイの家庭用回線から送信されることはありません。
■ 用語かんたん解説
- ダイナミックIP:プロバイダが利用者に一時的に割り当てるIPアドレスのことです。企業のメールサーバーは通常、固定のIPアドレスを使うため、「dynamic」と名の付く回線からのメール送信は不自然さの目安になります。
- クリック計測サービスの悪用:メールマーケティングで使われる正規のリンク計測サービスを間借りし、そこから実際のフィッシングサイトへ転送させる手口です。正規サービスのドメインが間に挟まることで、見た目の信頼度を上げる狙いがあります。
- サイトの乗っ取り(改ざん):本来は無関係な企業の公式サイトに、攻撃者が不正に入り込み、フィッシング用のページをこっそり設置する手口です。サイト運営者本人も気づいていないケースが少なくありません。
■ フィッシングサイト詳細解析
リンク構造:正規サービスを踏み台にした多段誘導
メール内のボタンは、まず正規のメール配信・クリック計測サービスを経由します。そのリンクを分析すると、最終的な誘導先としてhxxp://unitedconstructionservicellc[.]com/active-mail/kagoya.htmlというURLが埋め込まれていました。ドメイン名から判断すると、本来は米国の建設関連企業と思われる実在サイトが乗っ取られ、フィッシングページの置き場所として悪用されているとみられます。

アクセスを試みた際に表示されたChromeの警告画面

乗っ取られたとみられるサイト自体のセキュリティ機能によるブロック画面
警告を越えた先ではサイト自体のセキュリティ機能(Cloudflare)によるブロック画面が表示され、それ以上の調査はできませんでした。乗っ取られた側のサイトにも、皮肉なことにきちんとした防御機能が備わっていたようです。
■ 注意点と対処法
- メール内のリンクは開かない:ブラウザの警告が出た場合は、絶対に先へ進まないでください。
- テキスト表示に切り替えて確認する習慣を:今回のように、HTML表示では隠れている矛盾が、テキスト表示に切り替えることで見えてくる場合があります。
- Active!mailの通知は公式サイトから確認:メール内のリンクではなく、ブックマークや公式サイトから直接ログインして確認してください。
- 心当たりのない通知は無視して破棄:「新しいメッセージ」のような曖昧な通知に、焦って反応しないようにしましょう。
KAGOYAを騙るフィッシングメールは過去にも複数確認しており、こちらの記事でも別のパターンを解析しています。あわせてご覧ください。
本レポートの結論
KAGOYAの「Active!mail」を装いながら、HTMLタイトルはMicrosoft Teams、本文デザインはSlack風という、複数のブランドが雑に混ざり合ったフィッシングキットでした。送信元はパラグアイの家庭用回線、着地点は乗っ取られたとみられる米国のサイトと、あちこちに矛盾がある分かりやすいパターンです。この記事のURLをコピーして、家族や同僚にも「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
使用配色テーマ:Burgundy














