【なりすまし警報】「Netアンサーよりポイントに関するご連絡」はクレディセゾン偽装フィッシング

お盆休みも明け、夏の疲れが出やすい時期になりました。そんな中、「セゾンポイントがまもなく失効します」という、思わずドキッとしてしまうメールが届いた方はいらっしゃいませんか。今回はHeartland-Labに届いたその実物を、実際にリンクをたどった結果とあわせて詳しく解析していきます。
ご覧の通り、このメールはクレディセゾン公式を装った真っ赤な偽物です。誘導先サイトは既に無効化されていますが、同様の手口は今後も形を変えて届く可能性があります。この解析結果をご家族のLINEグループで共有し、注意喚起にお役立てください。
※以下は届いた詐欺メールの文面を、技術検証のために忠実に再現したものです。実際に記載のURLへはアクセスしないでください。
【重要】セゾンポイント 有効期限到来のご案内 [ご案内]一部セゾンポイントが期限を迎えます 本メールはご利用履歴をもとに送信しております。 Netアンサーアカウントに蓄積されているセゾンポイントのうち、一部のポイントが、2026年8月20日をもって失効いたします。 期限経過後はいかなる場合もポイントの復旧・再付与・金銭補填には対応できません。ポイントをご活用いただくため、期日までに交換または利用手続きをお済ませください。 ■ 今回失効予定 ポイント詳細 失効対象ポイント総数:8,650 pt(最大 約43,250円相当の価値) 通常獲得ポイント:5,200 pt キャンペーン・ボーナス分:3,450 pt 最終失効日時:2026年8月20日(木)23:59 今すぐポイントを確認・交換する ▶ Netアンサーログイン 公式サイトURL:https://www.saisoncard.co.jp/(アクセス時はドメインをご確認ください) 株式会社クレディセゾン 〒170-6037 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60
実際に届いたメールの画面。件名・送信者名・本文まで、公式メールと見分けがつきにくい仕上がりになっています。
■ 送信ルートおよび偽装判定
送信インフラ:
メールのSPF認証情報を確認すると、送信元IPは149.72.120.130。これはSendGridという、企業のメール一斉配信によく使われる正規のクラウドサービスの基盤IPです(所在地:米国)。
【偽装判定】:
クレディセゾンが公式に案内している送信ドメインは「@mail.saisoncard.co.jp」「@mail2.saisoncard.co.jp」「@cs.saisoncard.co.jp」「@saisonid.com」の4種類のみです。今回のメールの実際の送信アドレスはyhsrsi.comというまったく無関係なドメインであり、公式のものとは一致しません。SendGridというサービス自体は多くの企業が正規利用していますが、今回はそのアカウントが詐欺メールの一斉配信に悪用された形です。
メール内リンクの飛び先:
本文中の「今すぐポイントを確認・交換する」ボタンのリンク先はurla7ac.yhsrsi.comというクリック計測用の中継ドメインで、こちらも米国のクラウド基盤上に置かれていることを確認しています。
💡 ここで!「SendGrid」って何?
SendGridは、企業がメルマガや通知メールをまとめて大量に送るために使う、世界的に広く使われている正規のクラウドサービスです。宅配便で例えるなら「大手の配送業者」のようなもので、業者自体は悪くありません。しかし今回のように、詐欺グループがこの配送業者を契約して悪用するケースが後を絶たず、送信元IPだけを見ても「本物か偽物か」を判断できない点に注意が必要です。
■ フィッシングサイト詳細解析(多段リダイレクト)
Heartland-Labにて実際にメール内リンクを検証環境でたどったところ、以下のように複数の警告に阻まれ、最終的な誘導先へは到達できませんでした。段階を追って見ていきます。
①クリック直後:Google Chromeの「セーフブラウジング」機能が即座に反応し、「危険なサイト」の警告画面が表示されました。
①リンクをクリックした直後に表示されたChromeの警告画面。
②中継ドメインの証明書エラー:クリック計測用の中継ドメインhxxps://urla7ac.yhsrsi[.]com/にアクセスすると、正しいセキュリティ証明書が設定されておらず、「この接続ではプライバシーが保護されません」というエラー(NET::ERR_CERT_COMMON_NAME_INVALID)が表示されました。正規のサービスであれば通常起こらない状態です。
②中継ドメインurla7ac.yhsrsi.comで表示された証明書エラー画面。
③最終フィッシング先の検知:その先の最終的な誘導先はhxxps://ifexecus[.]me/MHHxbというドメインでした。ウイルスバスター クラウドが「脅威の種類:フィッシング」として明確にブロックしていることを確認しています。
③ウイルスバスター クラウドがifexecus.me/MHHxbをフィッシングサイトとして検知した画面。
④再アクセス時も同様にブロック:念のため別経路でもアクセスを試みましたが、同じくChromeのセーフブラウジングにより「危険なサイト」として再度ブロックされました。
④再検証時にも表示されたChromeの警告画面。
⑤現在の状態:本記事執筆時点で改めてドメインを確認したところ、ifexecus[.]meはDNSの名前解決自体ができない状態(DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN)になっており、攻撃者側が既にこのドメインを使い捨てて撤収した可能性が高いことがわかりました。攻撃者が短期間でドメインを使い捨てていく典型的なパターンです。
⑤現在、ifexecus.meは名前解決すらできない状態になっています。
■ 注意点と対処法
- メール内のリンクは絶対にクリックしない:「ポイント失効」「有効期限」といった言葉で不安を煽るのは、今回のような手口の典型的な特徴です。
- Netアンサーへは必ずブックマークか公式アプリからアクセスする:メール内のリンクではなく、ご自身で登録したブックマークや「セゾンPortal」アプリから確認しましょう。
- 送信元アドレスのドメインを必ず確認する:クレディセゾンの公式送信ドメインは「mail.saisoncard.co.jp」「mail2.saisoncard.co.jp」「cs.saisoncard.co.jp」「saisonid.com」の4種類のみです。それ以外のドメインからの案内は偽物と考えてください。
- クレディセゾンの公式注意喚起ページでも、今回とほぼ同じ「ポイントの有効期限のお知らせ」を騙る偽メールについて注意喚起がされています。セゾンカードを騙る偽メールに関する公式のご注意(クレディセゾン)
- 公式の送信ドメイン一覧はこちらで確認できます。クレディセゾンからEメールが届きました。本当にクレディセゾンからですか?(公式FAQ)
本レポートの結論
「ポイントが失効します」という不安を煽る一文と、正規の大量配信サービスを悪用した巧妙な送信手口が組み合わさった典型的なフィッシングメールでした。誘導先は既にセキュリティソフトとブラウザ双方に検知され、ドメイン自体も消滅していますが、同じ手口は姿を変えて今後も届く可能性があります。この記事のURLをコピーして、ご家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
配色テーマ:Amethyst
















