「【Apple】サブスクリプションの更新内容をご確認ください No.94381758」も詐欺——同日解析のApple ID請求失敗メールと送信元・誘導先が完全一致、既に着地サイトは閲覧不能

本日すでに一件、Appleを騙る詐欺メールをご紹介しましたが、実はその直後にもう一通、同じ日に届いていたメールがあります。件名も文面も違いますが、調べてみると意外な共通点が見つかりました。
| 📋 調査レポート:概要
|
⚠️ このメールはAppleとは一切関係のないなりすましメールです
本文中のリンクは絶対にクリックしないでください。
| 🔗 関連記事:本日は同じくAppleを騙る「Apple ID|お客様のアカウントに関する重要なお知らせ:請求失敗」を騙る詐欺メールも確認しています。件名や本文の内容は異なりますが、送信元・誘導先の仕組みは今回のメールとほぼ同一でした。詳しくは後述します。 |
📧 実際に届いた詐欺メール
以下、届いたメールの本文です。個人情報保護のため、宛名と受信アドレスは伏字にしています。
〇〇 様 平素よりAppleのサービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。 お客様のサブスクリプションの更新日が近づいております。今回の決済処理を円滑に完了させるため、事前のご案内を申し上げます。 ■ 今回の決済予定内容 対象:Apple News+ プラン:個人プラン ご請求金額:1,472円(税込) ■ 重要:自動更新のご確認 現在、自動更新が設定されています。登録済みのお支払い方法が最新でない場合、更新エラーによりサービスが一時停止される可能性がございます。 登録情報を確認・変更する: hxxps://www.ajmd100[.]com/?zXFCbg2vx1qCdgCHSSxYFIKs ※ 更新を希望される場合、特に操作は必要ありません。内容の変更やキャンセルは更新日の24時間前までにお手続きください。 ご不明な点がございましたら、サポートページをご覧ください。今後ともよろしくお願い申し上げます。 ────────────────────────────── ※ 本メールは 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇(受信アドレス) 宛に自動送信されています。ご返信いただいてもお答えできません。 お心当たりのない場合は、このメールを破棄していただきますようお願いいたします。 Copyright (C) 2026 Apple Inc. All rights reserved. 〒106-6140 東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー(日本)

▲ 実際に届いたメール画面。Apple News+の更新案内という体裁で、請求失敗型より穏やかな煽り方をしている
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載です。
🔍 送信ルートおよび偽装判定——同日の別メールと完全一致
メールヘッダーを解析したところ、実際にこのメールを送信した基盤の情報(Received-SPFのclient-ip)が判明しました。逆引き(DNS)で調べると、このIPアドレスはGoogle Cloud(GCP)が保有するサーバー領域に割り当てられていることが確認できました。
この送信元IPは、本日先にご紹介した「Apple ID|請求失敗」メールの送信元IPと同じ35.215.x.x帯に属しており、同一の攻撃基盤から送られたものと見て間違いありません。
| 送信元基盤:Google Cloud Platform(GCP)(先の記事と同一アドレス帯) 確認方法:送信元IPアドレスの逆引きDNSが「googleusercontent.com」を返すことを確認 実所在地:GeoLite2の国別データベース上は特定の国が表示されますが、これはGCPの管理上の登録地に基づくものであり、実際に攻撃者がどこにいるかを示すものではありません。そのため本記事では「不明」として扱います。 |
さらに、本文中のリンク先を確認したところ、誘導先のドメインも先の記事と完全に同一(ajmd100.com → bihazjl.cn)でした。件名や本文を変えたバリエーション違いで、同じ攻撃キャンペーンが複数の切り口で一斉配信されていることが分かります。
🌐 誘導先はすでに閲覧不能に
今回、実際にリンク先へアクセスを試みたところ、パソコンからは以下のような「アクセス拒否」画面が表示されました。

▲ パソコンからアクセスした場合に表示される「アクセス拒否」画面。先の記事と同じ表示だった
スマートフォンからは、まずGoogle Chromeのセーフブラウジング機能が「危険なサイト」という警告を表示しました。

▲ スマートフォンからアクセスした際に表示されたChromeの警告
警告を確認して先に進んだところ、先の記事でご紹介した偽Apple IDサインイン画面(bihazjl.cn/login)は、すでに「404 見つかりません」というエラー画面に変わっていました。

▲ 偽サイトの着地ページはすでに閲覧不能。攻撃者側がインフラを短時間で使い捨てにしている様子がうかがえる
| 💡 ここで! なぜサイトがすぐ消えるの? フィッシングサイトは、セキュリティ会社に検知・報告されると閉鎖されたり、攻撃者自身が短時間で意図的に閉じたりします。今回のように同じ日に複数の件名・本文で一斉配信し、着地サイトを数時間単位で使い捨てにするのは、発見・遮断されるリスクを分散させるための典型的な戦術です。「今はもうアクセスできないから安全」ではなく、同じ攻撃者が次から次へと新しい偽サイトを立ち上げているという前提で警戒を続けることが大切です。 |
⚠️ 注意点と対処法
- サブスクリプションの更新内容や支払い情報は、メール内のリンクからではなく、iPhoneやiPadの「設定」アプリ、またはApple公式サイトにご自身でアクセスして確認してください。
- ブラウザやセキュリティソフトが「危険なサイト」「アクセス拒否」といった警告を出した場合は、そこで操作を中止してください。
- 同じ日に似たような件名のAppleメールが複数届いた場合は、同一の詐欺キャンペーンの可能性が高いと考え、いずれのメールのリンクも開かないようにしましょう。
- 万が一、偽のサインイン画面にApple IDとパスワードを入力してしまった場合は、速やかにApple公式サイトからパスワードを変更し、二段階認証の設定状況もあわせてご確認ください。
📝 まとめ
今回のメールは、件名や本文こそ先にご紹介した「Apple ID|請求失敗」メールと異なるものの、送信元・誘導先ともに完全に同一の攻撃基盤から発信された同一キャンペーンの別便であることが分かりました。攻撃者は複数の切り口で受信者の不安を煽りつつ、インフラを短時間で使い捨てにする手口で発見を逃れようとしています。似たような「Apple」を名乗るメールが立て続けに届いたら、その時点で警戒を強めてください。
⚠️ サブスクリプション関連の通知は公式アプリ・公式サイトで直接確認を!
似た件名のメールが複数届いた場合は、いずれのリンクも開かないでください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit / IPアドレスの詳細な位置情報はip-sc.netを参照しています。
※本記事は2026年8月16日時点の情報をもとに作成しています。詐欺の手口は日々変化しており、記載内容と実際の被害状況が異なる場合があります。
※使用配色テーマ:Amethyst
















