「おお荷物のお受取り手続き」はAmazon詐欺——GCP踏み台送信、シンガポール経由2段階リダイレクトの先に精巧な偽ログイン画面

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お盆休みでネット通販の利用が増える時期、「荷物が受け取れなかった」という通知は誰でもドキッとしてしまいますよね。今回はそんな不安につけ込む、Amazonを騙る配送通知メールをご紹介します。

📋 調査レポート:概要

対象ブランド Amazonを騙るなりすましメール
件名 [spam] おお荷物のお受取り手続き
受信日時 2026年8月15日 15時02分
緊急性レベル ★★★☆☆(3/5)「不在で持ち帰った」という、よくある配送不在通知を装う定番の手口
偽装工作精度 ★★★☆☆(3/5)見た目はAmazon風だが、件名に誤字(「おお荷物」)があるなど詰めの甘さも見られる

⚠️ このメールはAmazonとは一切関係のないなりすましメールです

本文中のリンクは絶対にクリックしないでください。

📧 実際に届いた詐欺メール

以下、届いたメールの本文です。個人情報保護のため、宛先アドレスは伏字にしています。

お配送品のお引取りをお待ちしております

このたびはご利用いただき、誠にありがとうございます。
お商品を配送にあがりましたが、ご不在地のため持ち帰らせていただきました。

恐れ入りますが、下記の確保場所までお引き渡しをお願いいたします。

管理場所 最寄りの事業所
ご管理番号 X9P-6412-2073

おお預かり方法の詳細は下記ボタンよりごご覧いただけます。

[おお受取り方法を照会する]
hxxps://equuyl[.]com/bsdf/wibdx

カスタマーサービス
お問い合わせはこちらまでご報告ください。
営業時間内にて順次ご対応いたします。

引き続きご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

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▲ 実際に届いたメール画面。ロゴはAmazon.co.jpのものだが、本文中に「おお荷物」「おお預かり」「おお受取り」など不自然な重複表記の誤字が複数見られる

※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載です。

タイトルにもなっている「おお荷物」をはじめ、本文中には「おお預かり」「おお受取り」といった不自然な誤字が複数含まれています。これは機械的な文章生成や翻訳ツールの誤変換によるものと考えられ、詐欺メールを見分ける分かりやすい手がかりの一つです。

さらにメールのHTMLソースを確認すると、Amazonのロゴ画像を自前のサーバーに用意せず、deepzone.jpという無関係な第三者サイトから直接読み込んでいる(いわゆる「ホットリンク」)ことも分かりました。攻撃者が手間を惜しんだ、詰めの甘さがうかがえる部分です。

🔍 送信ルートおよび偽装判定

メールヘッダーを解析したところ、実際にこのメールを送信した基盤の情報(Received-SPFのclient-ip)が判明しました。逆引き(DNS)で調べると、このIPアドレスはGoogle Cloud(GCP)が保有するサーバー領域に割り当てられていることが確認できました。

送信元基盤:Google Cloud Platform(GCP)

確認方法:送信元IPアドレスの逆引きDNSが「googleusercontent.com」を返すことを確認

実所在地:GeoLite2の国別データベース上は特定の国が表示されますが、これはGCPの管理上の登録地に基づくものであり、実際に攻撃者がどこにいるかを示すものではありません。そのため本記事では「不明」として扱います。

また、このメールには一斉配信によく使われる配信解除の仕組み(List-Unsubscribeヘッダー)が備わっており、不特定多数へ機械的にばらまくスパム配信基盤が使われていることがうかがえます。

🌐 2段階リダイレクトの先に待つ偽ログイン画面

本文中の「おお受取り方法を照会する」ボタンのリンク先へアクセスすると、まずウイルスバスターが次のような警告を表示しました。

▲ 1段階目のリンク先「equuyl.com」に対するウイルスバスターの警告。脅威の種類「フィッシング」と明記されている

警告を確認して先に進むと、別のドメインへ転送され、そこでも再びウイルスバスターが「安全ではない可能性があります」というフィッシング警告を表示しました。

▲ 転送先ドメイン「zswsysm.com」に対するウイルスバスターの警告。こちらも脅威の種類「フィッシング」と判定されている

2度の警告を乗り越えた先には、本物のAmazonログイン画面を模した偽サイトが待ち構えていました。

▲ 本物のAmazon.co.jpログイン画面とほぼ見分けがつかない偽ページ。メールアドレスまたは携帯電話番号の入力を求めてくる

💡 ここで! なぜ2段階もリダイレクトするの?

攻撃者は、1つのリンク先がセキュリティ会社にブロックされても、すぐに別のリンクへ切り替えられるよう、複数のドメインを用意して段階的に転送する構成をよく使います。今回のように途中で警告が出ても、慌てて「安全性を確認して続行」してしまうと、その先に本物の偽サイトが待っています。警告が出た時点でアクセスを中止することが最も重要です。

誘導先2つのドメインは、いずれもシンガポールに設置されたレンタルサーバーが使われていました。ただし、これはサーバーの契約先(データセンター)の所在地であり、必ずしも攻撃者本人の所在地を示すものではない点にご留意ください。

⚠️ 注意点と対処法

  • 配送に関する通知は、メール内のリンクからではなく、Amazon公式サイトまたは公式アプリの「注文履歴」からご自身で確認してください。
  • ブラウザやセキュリティソフトが「フィッシング」「安全ではない可能性」といった警告を出した場合は、そこで操作を中止してください。警告を回避してまで先に進む必要のある正規サイトはありません。
  • 「おお荷物」「おお預かり」のような不自然な日本語の重複表記は、詐欺メールを見抜く分かりやすいサインです。文面をよく読む習慣をつけましょう。
  • 万が一、偽のログイン画面にAmazonのメールアドレスやパスワードを入力してしまった場合は、速やかに公式サイトからパスワードを変更してください。

📝 まとめ

今回のAmazonを騙る詐欺メールは、件名や本文の不自然な誤字という分かりやすい手がかりがある一方で、その先の誘導ルートには2段階のリダイレクトという、発見や追跡を難しくする工夫が施されていました。「文面が少し変」と感じたら、それだけで詐欺を見抜く十分なサインになります。

⚠️ 配送関連の通知は公式サイト・公式アプリで直接確認を!

セキュリティソフトやブラウザの警告が出たら、そこで引き返してください。

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Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit / IPアドレスの詳細な位置情報はip-sc.netを参照しています。
※本記事は2026年8月16日時点の情報をもとに作成しています。詐欺の手口は日々変化しており、記載内容と実際の被害状況が異なる場合があります。
※使用配色テーマ:Forest

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