Amazon「納品品のご回収方法についてのご一報」は詐欺!ホテル予約ドメイン悪用と画像盗用、多段階ブロック突破の先には精巧な偽ログイン画面

お盆休みで通販の利用が増える時期ですね。荷物の受け取りに関する連絡は、つい反射的に開いてしまいがちです。そんな心理を突いてくるAmazonなりすましメールをご紹介します。
■ メールヘッダー解析(送信者情報)
件名:[spam] 納品品のご回収方法についてのご一報
送信者表示名:アマゾン
送信元アドレス:ciogom@ciogom.imperialinnandsuites.com
受信日時:2026年8月9日 18:00
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載
送信元ドメイン「imperialinnandsuites.com」は、名前からしてホテル予約関連のサイトであることが読み取れます。Amazonとは一切関係のない、乗っ取られた(あるいは管理が行き届かなくなった)ドメインが踏み台として悪用されているとみられます。
ご覧の通り、このメールはAmazon公式を装った真っ赤な偽物です。被害を未然に防ぐため、この解析結果を家族のLINEグループに転送して注意喚起してください。
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。
小包のお受領場所に関するご通知 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 ご注文いただきましたお荷物は、お近くのお受取先にお届けのご整備が整いました。ご都合のよい時に、以下のボタンより搬送先の明細をご査収のうえ、ご持参くださいませ。 保管場所のご不明な点につきましては、配送業者のサポート窓口までお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。 [引取場所を確認する] 本メールは貨物のお受取先についてのご案内状として送信しております。心当たりのない場合は本メールを破棄くださいますようお願いいたします。

Amazonらしいデザインだが、「小包」という言葉遣いと宛名の欠如に違和感がある
メール内で使われているAmazonロゴ画像は、Amazon公式サーバーからではなく、全く無関係な第三者サイトから直接読み込む形で表示されていました。攻撃者は自分でロゴ画像を用意する手間すら惜しみ、他人のサーバーの帯域を無断で借用しているわけです。
■ 送信ルート及び偽装判定
Received-SPF解析:
Received-SPF: Pass; client-ip=34.156.110.205; helo=ciogom.imperialinnandsuites.com
SPF・DKIM(送信元認証の仕組み)はいずれも通過(Pass)していますが、これは「imperialinnandsuites.com」という、Amazonとは無関係なドメイン自体の認証が通っているだけです。認証をパスしていることと、送信元が信頼できることは全く別問題です。
発信元ロケーション解析:
IPアドレス 34.156.110.205 は、Google LLC(Google Cloud Platform)が保有する回線で、所在地はベルギー・ブリュッセルでした。
■ フィッシングサイト詳細解析(2段階の誘導チェーン)
本文中の「引取場所を確認する」ボタンをクリックすると、以下の流れで最終的に偽のAmazonログイン画面へたどり着く仕組みになっていました。
| 段階 | 内容 |
| ① | 誘導先1:hxxps://bjlivecircle.com/slkg/wigd(ウイルスバスターがフィッシングサイトとしてブロック) |
| ② | ブロックを解除して進むと、誘導先2:hxxps://z145.com/Am2az-0ncO-jp-jp/(再びウイルスバスターがブロック) |
| ③ | 2回目の警告も突破すると、Amazonのログイン画面を精巧に模倣した偽サイトが表示される |
2段階でウイルスバスターの検知をすり抜けようとする仕組みは、単発のブロックだけで安心してしまう利用者の心理を逆手に取ったものと考えられます。警告画面が出た時点で、それ以上先へは絶対に進まないでください。
中継リンクのIPアドレス:139.59.249.189(bjlivecircle.com)
回線情報:DigitalOcean, LLC(シンガポール)
最終誘導先ドメイン:z145.com(Cloudflareを経由しているため実サーバーの所在地は特定不可)

誘導先1へのアクセス時、ウイルスバスターが即座にブロックした画面

誘導先2でも再びウイルスバスターがブロック

2段階の警告を突破した先に表示される、本物そっくりの偽Amazonログイン画面
■ 注意点と対処法
- セキュリティソフトの警告は絶対に無視しない:「ブロックしたWebサイトにアクセス」ボタンは決して押さないでください。
- 「小包」など不自然な言葉遣いに注目:Amazon公式は通常「お荷物」と表記します。細かな言葉の違いが見分けるヒントになります。
- 宛名のないメールは疑う:正規の配送連絡には通常、注文番号や氏名などの具体的な情報が記載されています。
- 公式アプリ・ブックマークから確認:気になる場合は、メール内のリンクではなく公式アプリの「注文履歴」から直接確認してください。
本レポートの結論
乗っ取られたホテル予約ドメインからの送信、無関係サイトからの画像盗用、そして2段階の検知回避——手口自体は目新しくありませんが、複数の警告をくぐり抜けてでも情報を盗もうとする執念は侮れません。身近な人が油断してからでは手遅れです。この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net














