PayPay銀行「お引き落としのご連絡」は詐欺!本物そっくりのログイン画面へ誘導、送信元はさくらインターネットのVPS悪用

PayPay銀行を騙る詐欺メールは以前からたびたびご紹介していますが、今回届いたものは送信元の性質が少し変わっていました。海外の怪しいサーバーではなく、日本国内の正規ホスティング事業者のインフラが悪用されていたのです。それでは詳しく見ていきましょう。
ご覧の通り、このメールはPayPay銀行を装った真っ赤な偽物です。被害を未然に防ぐため、この解析結果を家族のLINEグループに転送して注意喚起してください。
それでは、実際に届いたメールの内容から見ていきましょう。
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。
いつもPayPay銀行をご利用いただきありがとうございます。 下記日時にお客さまの普通預金口座からお引き落としを行いましたので、お知らせします。 委託者名:PAYPAYカード お引落日時:2026/08/04 01:49:59 お引落金額:1508円 詳細は、ログイン後、「明細・振込・振替」>「普通預金取引明細照会」よりご確認ください。 ※金額や引き落としの詳細について当社ではお調べできません。収納企業へご確認をお願いします。 [リンク先URL] ■メール配信停止について セキュリティのため本メールを受信されることをおすすめいたします。 配信停止をご希望の場合は、ログイン後、「登録・変更」>「my m@ilの設定」より、「お引落としのご連絡」のチェックを外していただけますようお願い申し上げます。 -------------------- 本メールがご自身宛でない場合、他の方が誤って同じメールアドレスを登録したものと考えられます。 配信停止のお手続きをさせていただきますので、メール本文を削除せず、件名を「宛先の間違い」と修正のうえ、ご返信をお願いいたします。 -------------------- ▽メールに関するお問い合わせ https://www.paypay-bank.co.jp/support/customer.html ※本メールへの返信によるご質問にはご回答できません。 ====================
実際に受信した詐欺メールの画面。文末に本物のPayPay銀行公式ドメイン「paypay-bank.co.jp」を記載し、信憑性を装っている
💡 芸が細かい「返信させる」誘導文
このメールには「ご自身宛でない場合は、件名を『宛先の間違い』と修正の上ご返信ください」という一文があります。一見親切な配信停止の案内に見えますが、実際に返信してしまうと、そのメールアドレスが「実在する人が使っている」ことを攻撃者に教えてしまうことになりかねません。安易に返信しないよう注意が必要です。
■ 送信ルートおよび偽装判定
送信元IP(Received-SPFヘッダーより特定):
163.43.70.28(helo=mail.pay1.paypayforacc.com)
回線情報(ip-sc.net確認):
プロバイダ:SAKURA Internet Inc./AS9370(SAKURA-B)/利用形式:corporate
所在地:大阪府大阪市
今回は海外サーバーではなく、国内の正規ホスティング事業者が悪用されていました。
さくらインターネットは国内最大手クラスのレンタルサーバー・VPS事業者の一つです。攻撃者がここでサーバーを契約し、なりすましメールの送信に悪用しているとみられます。海外IPだと「怪しい」と身構える方でも、国内のIPアドレスだと油断してしまう可能性があるため、注意が必要です。
送信ドメインの正体:
送信ドメイン「pay1.paypayforacc.com」は、本物のPayPay銀行公式ドメイン「paypay-bank.co.jp」とは異なる非公式ドメインです。SPF・DKIMともにこの偽ドメイン自身に対しては整合していますが、これはあくまで「攻撃者が自分で用意したドメインの認証に通っている」というだけであり、PayPay銀行とは一切関係ありません。
■ フィッシングサイト詳細解析——本物そっくりの偽ログイン画面
誘導先URL(伏せ字):
hxxps://ia-beaut[.]com/ayfgyi/
ドメイン名「ia-beaut」は美容関連のサービスを連想させますが、PayPay銀行とは無関係です。乗っ取られた(または不正取得された)ドメインが使い回されているとみられます。
回線情報:
解決先IP:172.67.215.239(Cloudflareのアドレス帯)
※Cloudflareのanycast方式のため、この位置情報は実際のホスティング地点を示すものではありません。
アクセスすると、ウイルスバスター クラウドが即座に「このWebサイトは、安全ではない可能性があります/脅威の種類:フィッシング」という警告を表示しました。
アクセス時に表示されたウイルスバスター クラウドの警告。誘導先が既にフィッシングサイトとして認定されている
警告を無視して先へ進むと、PayPayアプリの「携帯電話番号でログイン」画面をロゴ・配色・レイアウトまで精巧に再現した偽サイトが表示されました。
誘導先で表示された偽のPayPayログイン画面。デザインの再現度が非常に高い
ここで携帯電話番号を入力してしまうと、続くSMS認証の画面でワンタイムパスワードまで詐取される可能性があります。
■ 注意点と対処法
- メール内のリンクは絶対にクリックしない:本物のPayPay銀行からのメールでは、口座情報の確認をメールのリンク経由で求めることはありません。
- 「宛先の間違い」への返信はしない:返信すると、メールアドレスが実在することを攻撃者に知らせてしまいます。
- 口座明細の確認は公式アプリ・ブックマークから:本物そっくりの画面が表示されても、URLが公式ドメイン(paypay-bank.co.jp)でなければ確実に偽物です。
- 国内IPだからと油断しない:国内の正規サービスが悪用されているケースもあります。
本レポートの結論
PayPay銀行を騙り、口座引き落としを口実に精巧な偽ログイン画面へ誘導する詐欺メールでした。送信元には国内正規のホスティング事業者のサーバーが悪用されており、海外IPよりも油断を誘いやすい点に注意が必要です。身近な人が慌ててリンクを開いてしまう前に、この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
配色テーマ:Teal














