【続報】三井住友カード「不正アクセス検知」詐欺、直前のセゾンカードVポイント詐欺とわずか4分差・同一IPブロックの姉妹メール

先ほどご紹介したセゾンカード「Vポイント未反映」詐欺の直後、わずか4分差で三井住友カードを騙る「不正アクセス検知」の脅し文句メールが届きました。調べてみると、これは単なる偶然ではなく、同一グループによる組織的な多ブランド展開だったことが分かりました。
| 緊急性レベル | ★★★★☆ (4/5) |
| 偽装工作精度 | ★★★☆☆ (3/5) |
| 受信日時 | 2026年8月3日 |
三井住友カードを騙り「不正アクセスを検知した、24時間以内に本人確認しなければアカウントが凍結される」と脅すフィッシングメールです。直前にご紹介したセゾンカード「Vポイント未反映」詐欺と、送信インフラ・誘導先の状態・本文の仕掛けまで細部が一致しており、同一グループによる同時多発攻撃と判断しました。※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載です。
⚠️ このメールは三井住友カード公式ではありません。詐欺メールです。
それでは、実際に届いたメールの内容から見ていきましょう。
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。
Vpass Security Alert 不正アクセス検知・本人確認未了のお知らせ お客様のアカウントに不審なログイン試行を検知しました ご本人確認が完了するまで、カード機能の一部が制限されます (受信者名) 様 平素より三井住友カードをご利用いただきありがとうございます。 Vpassセキュリティ監視センターより、緊急のご連絡です。 検知日時:2026年8月3日 対象アカウント:(伏せ字) 検知内容:都外未登録端末からのアクセス試行(複数回) 現在のステータス:要本人確認(未了) 当社の不正検知システムが不審なアクセスを検知し、ただちにブロックを実施いたしました。しかしながら、お客様ご本人によるアクセスであるか否かの判断がつかないため、安全確保を目的として、現在お客様のアカウントに一時的な利用制限をかけさせていただいております。 お手数ですが、以下のボタンより本人確認手続きをお願いいたします。ご本人であることの確認が取れ次第、制限は即時解除されます。なお、本通知から24時間以内に手続きが完了しない場合、安全上の理由により制限が恒久的なものとなる可能性がございます。 [今すぐ本人確認を完了する] このままご対応いただけない場合、48時間後にアカウントが自動的に凍結されます 本通知は、当社の不正検知システムが実際に異常を検知したアカウントにのみ送信される、非常に限定的なセキュリティアラートです。通常のご利用状況のお客様には送信されておりません。 不正なメールにご注意ください Vpassならびに三井住友カードからの正規のご連絡では、メール本文中にカード番号・暗証番号・セキュリティコードを直接ご入力いただくことは一切ございません。本メール内のリンクはすべてVpass公式サイト(vpass.ne.jp)に接続されます。ご不安な点がございましたら、カード裏面の電話番号までお問い合わせください。 発行元:三井住友カード株式会社 Vpassカスタマーセンター:0570-004-980(24時間受付)
実際に受信した詐欺メールの画面。赤色を多用し、凍結の恐怖を煽る構成になっている
■ 送信ルートおよび偽装判定
送信元IP(Received-SPFヘッダーより特定):
35.215.27.0(helo=support-center.tttzzy.com)
GeoLite2で確認したところ、この送信元はGoogle Cloud Platformのカナダ地域のサーバーで、直前のセゾンカード記事でご紹介した送信元IP(35.215.46.22)と全く同じIPアドレスブロック内でした。送信時刻もセゾンカードのメールが15:24、こちらが15:28と、わずか4分しか離れていません。正規の三井住友カードからのメールが、クラウド上の契約サーバーから送られてくることはなく、まして無関係な2つのブランドのメールが同じサーバー群から連続で送られてくることもあり得ません。
差出人名は「三井住友カード」ですが、コード上はゼロ幅文字(見た目に影響しない不可視の文字)が1文字ごとに挿入されていました。前回のセゾンカードメールで確認したランダム文字列入りのHTMLコメントとは異なる手法ですが、狙いは同じくフィルターの完全一致検出の回避とみられます。同じグループが複数の偽装テクニックを使い分けている、あるいは複数のツールを併用している可能性がうかがえます。
■ 誘導先の解析——ここでも二重ブロック
誘導先URL(伏せ字):
hxxps://www.juhrjcegdhucj[.]top/
このリンクにアクセスしようとしたところ、直前のセゾンカード記事と全く同じ流れで、まずGoogle Chromeのセーフブラウジング機能により「危険なサイト」の警告が表示されました。
Google Chromeのセーフブラウジング機能が表示した警告画面。直前のセゾンカード記事と同一の警告文面
さらに警告を確認したうえで先に進もうとしたところ、こちらもDNSの問題ですでにアクセスできない状態でした。ドメイン自体が消滅していることを示す表示で、ブラウザのセキュリティ機能とドメイン消滅の二重ブロックという構成まで、セゾンカードのメールと寸分違わず一致しています。
誘導先URLへアクセスした際の画面。こちらもドメイン自体がすでに存在しない
■ 同一グループによる多ブランド展開という実態
今回確認できた一致点を整理すると、①送信元IPが同一ブロック、②送信時刻が4分差、③誘導先が両方ともNXDOMAIN、④両方ともChromeにフィッシング判定されている、⑤本文に画面表示されない偽装文字(HTMLコメントとゼロ幅文字)が仕込まれているという5点が共通しています。ブランド名だけを「セゾンカード」から「三井住友カード」に差し替え、テンプレートと送信基盤を使い回して、短時間のうちに複数の標的候補へ次々とメールを送りつけている実態がうかがえます。1通だけを見て「自分には関係ない」と判断せず、似たような「緊急」「凍結」を訴えるメールが同時期に複数届いていないか、あわせて確認することをおすすめします。
■ 注意点と対処法
- 「不正アクセスを検知した」「24時間以内に確認しないと凍結する」といった緊急性を強調する文面は、詐欺の常套手段です。メール内のリンクは使わず、公式アプリまたはブックマークからログインして状況を確認してください。
- 同じ時期に複数のカード会社・サービスを名乗る似た内容のメールが届いていないか確認してください。同一グループによる多ブランド展開の可能性があります。
- ブラウザが「危険なサイト」と警告した場合は、絶対にそれを無視して先に進まないでください。
- カード番号・暗証番号・セキュリティコードの入力をメール本文やリンク先で求められることは、正規のサービスでは基本的にありません。
同じ手口が複数ブランドを渡り歩いています。この記事のURLをコピーして、ご家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
配色テーマ:Teal














