【KAGOYA詐欺メール】「保留中の重要なメールが12通あります」は偽物!Cloudflare経由でActive! mailへ誘導するフィッシングを解析

HEARTLAND-LAB SECURITY REPORT
「保留中の重要なメールが12通あります」は偽物です
国内ホスティング事業者のサポートを装い、保留メールの承認を急がせるフィッシングメールを確認しました。リンクを押すと、追跡用URLとセキュリティ検証画面を経由し、最終的にActive! mailを模倣した偽ログイン画面へ誘導されます。
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載
これは正規の保留メール通知ではありません。
リンクを開かず、ID・パスワードを入力しないでください。
夏休みや長期休暇の前後は、メール確認が遅れがちになる時期です。そこへ「重要なメールが12通保留されている」と届けば、慌てて確認したくなるかもしれません。しかし、今回の通知はその心理を利用した偽物でした。
届いたメールの内容
件名:要対応:保留中の重要なメールが12通あります 現在、12通の重要なメールの配送が保留されています。 これらのメールを配送するには、お客様による承認が必要です。 重要なメールを失わないよう、早急に手続きを行ってください。 こちらをクリックして、保留中のメールを承認してください 国内ホスティング事業者のセキュリティチーム

実際のメール画面。「12通」という具体的な数字で不安をあおっています。
送信経路から分かったこと
メールは、Amazon Web Servicesの東京リージョンにあるIPアドレスから、外部のメール送信サーバーへ認証付きで投入された形跡がありました。その後、受信側のメールサーバーへ配送されています。
- 認証付きSMTPの接続元:
54.248.130.157 - SPF判定対象IP:
133.18.188.244 - SPF:Pass
- DKIM:署名なし
SPF Passでも安全とは限りません。 SPFは「その送信元が、表示された差出人ドメインのルール上許可されているか」を確認する仕組みです。メール本文やリンク先が安全かどうかまでは保証しません。今回は、正規の送信環境や認証情報が悪用された可能性も考えられますが、メールヘッダーだけで原因を断定することはできません。
クリック後は複数のサイトを経由
メール内のボタンは、いきなり偽ログイン画面へ移動するのではなく、韓国のメール配信サービスで使われる形式のクリック追跡URLを経由していました。その後、別サイトを挟み、最終的に偽ドメインへ移動します。
確認できた誘導の流れ
偽メール
↓
trk.bizmailer.co[.]kr(クリック追跡)
↓
中継ページ
↓
au-activemail-kagoya-jp[.]com
↓
セキュリティ検証
↓
Active! mail風の偽ログイン画面
不審URLは安全のため非クリック化すると、次のようになります。
hxxps://au-activemail-kagoya-jp[.]com/kmail/login.html?__cf_chl_rt_tk=...
「セキュリティ検証」は安全の証明ではない
偽サイトへアクセスすると、最初にCloudflare風の「セキュリティ検証」画面が表示されました。こうした画面は正規サイトでも使われますが、表示されたから安全という意味ではありません。
URL末尾の__cf_chl_rt_tkは、アクセス時の検証で使われるトークンです。攻撃者はこの仕組みを利用し、自動解析ツールやセキュリティ調査を通りにくくしている可能性があります。

偽サイトの手前で表示されたセキュリティ検証画面。見慣れた表示でも油断は禁物です。
最終的にActive! mailの偽ログイン画面へ
検証を通過すると、企業や組織で利用されるWebメール「Active! mail」を模倣したログイン画面が表示されました。ここで入力したメールアドレスやパスワードは、攻撃者へ送信されるおそれがあります。
偽ドメインには「activemail」「kagoya」「jp」と、正規サービスを連想させる単語が並べられています。しかし、本当のドメインは最後の部分まで確認する必要があります。単語が入っているだけで公式サイトにはなりません。少々欲張って名前を詰め込みすぎたようにも見えますが、見慣れた語句が多いほど信じやすくなるため注意が必要です。

Active! mailを模倣したログイン画面。ここへ認証情報を入力してはいけません。
セキュリティ製品もフィッシングと判定
確認時には、ブラウザ側の警告に加え、Trend Microのウイルスバスタークラウドも誘導先をフィッシングサイトとして遮断しました。これは、当該ページが認証情報の窃取に利用されている可能性を強く示す材料です。

Trend Microによるフィッシングサイト警告。警告が表示された場合は先へ進まないでください。
リンク先ドメインの調査結果
| 対象ドメイン | au-activemail-kagoya-jp[.]com |
| A/AAAA | Cloudflare経由のため、確認できるIPは実サーバー所在地を示しません |
| ASN・ホスティング | Cloudflareのリバースプロキシ利用を確認。背後のホスティング事業者は不明 |
| 国・地域 | Cloudflareのエッジ所在地は運営者所在地を示さないため断定不可 |
| WHOIS・作成時期 | 今回の提供資料だけでは確定できないため未記載 |
| SSL証明書 | HTTPS化されていても安全性の証明にはなりません |
| リダイレクト | クリック追跡URLと中継ページを経由して最終ページへ遷移 |
届いたときの対処法
- メール内のリンクを押さない。 保留メールの確認は、普段使っているブックマークや社内案内からWebメールへアクセスしてください。
- ID・パスワードを入力しない。 セキュリティ検証画面を通過した後でも、URLが公式ドメインか確認してください。
- 入力してしまった場合は直ちにパスワード変更。 同じパスワードを使い回しているサービスも変更し、多要素認証を設定してください。
- 管理者へ連絡。 会社や組織のメールの場合は、情報システム担当者へ早めに報告してください。
「12通の重要メールが保留」は、クリックを急がせるための作り話です
SPFがPassでも、Cloudflareの検証画面が出ても、それだけで安全とは判断できません。メール内リンクではなく、いつもの方法で公式サービスへアクセスしてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
IP情報の確認には ip-sc.net を参考にしています。
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