『詐欺メール』ETCカード株式会社から『【重要】自動引き落としが複数回失敗しました』と、来た件
★フィッシング詐欺メール解体新書★
「生成AI」が普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
詐欺師もこれを逃すはずが無く、怪しいメールにも生成AIが浸透しつつあり
最近では片言の日本語ではなく、違和感のない流暢な言葉を使うメールが多くなりました。
このブログは、悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速にご紹介し
一人でも被害者が少なくすることを願い、怪しく危険なメールを見破る方法の拡散や
送信者に関する情報を深堀し注意喚起を促すことが最大の目的です。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます！
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分～10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
最初に1点だけ以下の件ご了承ください。
本来ならメールの本文を画像でお見せする方が分かりやすいかも知れませんが、全てを画像化してしまうとGoolgeなどのキーワード検索に反映されず、不審なメールを受取って不安で検索される方に繋がらない可能性が高くなります。
できる限り沢山の方に見ていただき情報が拡散できるようにあえて本文を丸々コピペしてテキストにてできるだけ受け取ったメールに近い表現にした上で記載しています。
では、進めてまいります。
前書き
先週末から Amazon を騙った怪しく危険なメールが大量発生！
今朝のメールボックスにはこのように Amazon に成りすますメールが合計147通👀
恐らく同じグループの仕業だと思いますが、一人にこんなにメール多くって何が楽しいのでしょうか？
常人とは思えません。
こんな馬鹿げたメールは放っておいて、今回は、実在しない「ETCカード株式会社」に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、お話を進めてまいります。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名：[spam] 【重要】自動引き落としが複数回失敗しました No.29224
送信者： “ETC" <mehamce@mail01.mtm-motor.com>
ETC利用料金のお支払いについての重要なお知らせ
自動引き落としが複数回失敗いたしました
要対応
! 重要：自動引き落としが複数回失敗しました
横浜IC出口でのETC料金について、自動引き落とし処理を3回試みましたが、いずれも失敗しました。
＜自動引き落とし試行履歴＞
1 2025年11月6日 17:50 – 処理失敗
2 2025年11月7日 09:30 – 処理失敗
3 2025年11月8日 15:15 – 処理失敗
自動処理では解決が難しい状況です。
48時間以内に手動でのお支払い手続きをお願いいたします。
未払い料金の詳細
利用日時 2025年11月6日
利用区間 横浜IC
未払い料金 1,250円 (税込)
お支払い期限 2025年11月10日 23:59まで
現在の状況 自動引き落とし複数回失敗
オンラインでお支払い
未払いによる影響
※ 期限内にお支払いが確認できない場合：
- ETCカードの即時利用停止
- 遅延損害金の発生（年14.6%）
- 信用情報機関への登録
- 今後の高速道路利用に重大な支障
※ すでにお支払いが完了している場合、または本ご請求に関して不明な点がございましたら、お手数ですがお客様センターまでご連絡ください。
※ 本メールは送信専用アドレスから配信されています。
ETCカード株式会社
© 2025 ETCカード株式会社 All rights reserved.
利用規約 | プライバシーポリシー | セキュリティ情報
〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目1番1号
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
ええ！ETCの自動引き落としが失敗したって？
失敗したのが11月6日～8日の3日間で利用区間が横浜ICだって？
私、生涯横浜に行ったことないんですけどね…(;^_^A
このメールは末尾の署名欄に書かれている通りだとすれば「ETCカード株式会社」と言う企業から送られてきたことになります。
不審に思いそんな企業が存在するのかを調べてみると、「ETCカード株式会社」という法人は登記上も存在しませんでした。
書かれている住所ももっともらしいものを記載して信憑性を高めているのでしょう。
実際に「ETCカード」を管理・発行しているのは各クレジットカード会社であり、支払いはこれらクレジットカード会社に行われますのでお間違いなく。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いているものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合、注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「mail01.mtm-motor.com」
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
それにしてもいったいこのドメインはどこの誰のドメインでしょうね？
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from mail01.mtm-motor.com (201.21.200.35.bc.googleusercontent.com [35.200.21.201])
Receivedのカッコ内は、送信者が利用したサーバーが自身で刻む唯一信頼できる部分で偽装はできません。
ここには『googleusercontent.com』と書かれています。
これはGoogleが提供する各種サービスがコンテンツを配信・ホスティングするために使用されるドメインです。
故にこのメールの送信者は、このサービスを利用してこのメールを送信しているようです。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、ありがちな東京都杉並区付近です。
最近この辺りは、これら怪しいメール発信地のトレンドの1つです。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の「オンラインでお支払い」と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://zulino.cfd/meisai.jp】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
URL内に、詐欺メールが多い「ETC利用照会サービス」のドメイン「meisai.jp」が書かれいてますが、このURL内のドメインはそこではなく「zulino.cfd」ですのでお間違いなく。
このドメインに関する情報を「Grupo」さんで取得してみます。
割当てているIPアドレスは「104.21.65.241」
「IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。
リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むと開いたのは「Not Found」とだけ書かれた真っ白なページ。
恐らくこのサイトを設置したレンタルサーバーがその危険を察知して削除したものかと思いますが、ウイルスバスターにブロックされたことが、ここには以前危険なサイトが存在していたことを物語っていますね。
まとめ
今回は、しっかり作り込まれたメールでしたが、残念ながら存在しない企業名を騙ったもので、発信地もリンク先の詐欺サイト設置位置も詐欺メールの典型的なものでしたね。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;