ヘッダー見ればバレバレ「JCBカードをご利用のお客さま」から始まるJCBカードに成りすまして詐欺を行う フィッシング詐欺メールが届きました。 以前にも届いたことのあるメールですが、本文内容に若干の相違があるのと先回の エントリーから日にちも空いていますのであらためて。  例によってこのメールは第三者不正利用の疑いでクレジットカードが使えなくなった旨の 連絡です。 件名は 「[spam] 【重要】JCBカード からの緊急の連絡」 このメールには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「”JCBカード株式会社” <info@jcb.co.jp>」 確かに”jcb.co.jp”はJCBさんの正規ドメインですが、差出人部分は、知識があれば簡単に偽装 できる部分です。 では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「<support@xqwmw.cn>」 ほら出た!”.cn” これは中国のトップレベルドメインです。 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「<20220118081746167521@xqwmw.cn>」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from xqwmw.cn (xqwmw.cn [142.11.238.216])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
ではまず、ドメイン”xqwmw.cn”が本当に存在するのか、そしてIPアドレス”142.11.238.216” はこのドメインを割当てているのかどうかについて調べてみます。 結果、このドメインにはちゃんとこのIPアドレスに割当てられていました。  この結果から、この差出人は自身のメールアドレスを使ってこのメールを配信したようです。 そしてこのドメインの持ち主は、どうやら氏名が”王”から始まる中国の方のようです。  では今度は、IPアドレス”142.11.238.216”は、どこで利用されているかについて調べてみます。  結果は「アメリカ,ワシントン州,シアトル」 このメールは、こんなところに置かれたメールサーバーから発信されたようです。
偽のMyJCBにつながるリンク引続き本文です。 気になるところは、図中に書き込んでおきましたのでそちらをご覧ください。  一見するとへりくだって丁寧に書かれた文章ですが、笑えるような怪しい箇所が多々。 この文章の中に外部へのリンクが3つ。 そのリンク先は、どれもこのURLに接続されるよう作られています。  使われているドメインは”etc.hbnfc.cn” またしても中国のトップレベルドメイン。 それにJCBの”J”の字も含まれていません(笑) もちろんこのドメインも調べてみますね。  あっ、このドメインの持ち主ってさっきのメールヘッダーにあったドメインと同じですね。 割当てているIPアドレスは”173.82.100.27”です。 これも、運用先を調べてみます。  今度は、ロサンゼルスと出ましたね。 この地で運営されているウェブサーバーで開いているサイトは、当然偽のJCBカードの 会員専用サイト「MyJCB」  間違っても絶対にログインしてはいけません! 騙されると、ユーザー情報の他に、個人情報やクレジットカードの情報まで盗み取られて しまいますのでご注意ください。
まとめ中国とロサンゼルスと言えば、セットでフィッシング詐欺メールのご常連(笑) このパターンは、本当に多いですね。 JBCに限らず、クレジットカード会社からのメールは最初っから疑ってかかっても 損はありません。 しっかりヘッダーソースまで確認するように心掛けましょう! いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |