フォントが鳥肌もの!
日本語が怪しい何とも不気味なフォントを操るフィッシング詐欺メールが到着。
そのメールは、最近トレンドの「えきねっと」に成りすましたもの。
それがこちらのメールです。
ね、気色悪いでしょ?…(-_-;)
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 【えきねっと】重要なお知らせ」
「重要なお知らせ」と書けば見てくれるとでも思っているのでしょうか?
ほんとこの言葉を使った件名のフィッシング詐欺メールが多く見られます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類であることは明白。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「eki-net <qqqfnhr@yy.org>」
「えきねっと」さんには、れっきとした”eki-net.com”ってドメインをお持ちです。
それなのにこのような”yy.org”なんてドメインを使ったメールアドレスで
大切なユーザーにメールを送るなんて絶対にあり得ません!
それに、妙に短いドメインなのでこのメールアドレスも偽装の可能性は大!
では、その辺りも含め次項で見ていくことにしましょう。
ほらね、偽装でしょ♪
では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「<qqqfnhr@yy.org>」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「<20220426014640683746@yy.org>」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from yy.org (unknown [113.229.63.54])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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まずは、”yy.org”について情報を取得してみます。
このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら
差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり
処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金
さて、どう出るのでしょうか?
”1.33.171.19”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”に書かれているのが”113.229.63.54”ですから全く異なるので、この方はやはり
アドレス偽装。
しっかり罪を償っていただきましょう!
”Received”のIPアドレス”113.229.63.54”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられたのは、「中国遼寧省瀋陽市(りょうねいしょうしんようし)」付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
「えきねっと」の欠片も無いURL
では引き続き本文。
ご利用いただき、誠にありがとうございました。
お支払い方法は、当社のセキュリティチェックを通過していないため、クレジットカード情報を
再確認する必要があります。
この問題が24時間以内に解決されない場合、不正行為のために利用される可能性があるので、
そちらのクレジットカードが永遠にロックされることになります。
下にそちらのアカウントを登録し、情報を更新するようお願いします。 |
普通は現在進行形になると思うのですが、この方の挨拶は過去形なんですね。
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「情報を確認」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
このように既に危険サイトと認識されており、カテゴリは「フィッシング」と書かれています。
このURLで使われているドメインは、”www.allgidi.com”
「えきねっと」に欠片もありません…(笑)
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
持ち主は、マレーシアクアラルンプールにあるレジストラ「Whoisprotection.cc」
このドメインを割当てているIPアドレスは”182.16.3.146”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは「香港深水埗」付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
ウイルスバスターに一旦は遮断されたものの開いたのは見事な「えきねっと」のコピーサイト。
もちろん詐欺サイトなので絶対にログインしたりしないでください。
まとめ
今回のメールの場合、見た目ですぐにそれと分かるメールでしたね。
それにメールアドレスも「えきねっと」さんのものではないし、日本語もあまり得意ではなさそうだし。
これで騙されたら騙される方が悪いと言っても過言ではありませんね!
でも、中には巧妙なメールもありますので、くれぐれもご注意なさってください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |