トヨタ系のカード会社が”monster”って(;^_^A
最近、トヨタファイナンス系の「TS CUBIC CARD」に成りすましたフィッシング詐欺メールも
急増中です!
今朝は、このようなメールが届いていましたので早速ご紹介していこうと思います。
有りもしない支払い金額を提示しユーザーを混乱させてリンクの詐欺サイトへ誘導する手口です。
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] TS CUBIC CARD お支払い予定金額のご案内 2022/04/20 7:05:08」
末尾のタイムスタンプは、このメールの信憑性を持たせるためのものです。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「"info" <tgehifsxil@eszett-lab.monster>」
「TS CUBIC CARD」さんには、れっきとした”tscubic.com”ってドメインをお持ちです。
それなのにこのような”eszett-lab.monster”なんてモンスターなどと言った
メールアドレスで大切なユーザーにメールを送るなんて絶対にあり得ません!
利用できないドメインでメール送信??
では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「<tgehifsxil@eszett-lab.monster>」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「<FC917CDD0911E67D70791DF68BC2737A@eszett-lab.monster>」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from eszett-lab.monster (unknown [59.106.221.187])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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まずは、”eszett-lab.monster”について情報を取得してみます。
このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら
差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり
処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金
さて、どう出るのでしょうか?
GMO系のサービスが管理するこのドメインは「対応するIPアドレスがありません」って書かれているので
現在どのIPアドレスにも割り当てられていないようなので利用できないドメイン。
利用できないドメインではメール送信できないのでこの方はやはりアドレス偽装を行っています。
しっかり罪を償っていただきましょう!
”Received”のIPアドレス”59.106.221.187”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられたのは、「長野県上田市」付近。
プロバイダー名を見ると「SAKURA Internet Inc.」と書かれているので、この差出人は
「さくらインターネット」のユーザーです。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
詐欺メールは全角アルファベットが相当お好き
では引き続き本文。
いつもご利用いただき、ありがとうございます。
【2022年4月】
トヨタ TS CUBIC CARD レギュラー/V
[お支払い日]
2022年4月21日
[お支払い予定金額]
187,495円
お支払い予定金額のご確認とともに、必ずご利用明細の確認をお願いいたします。 |
ほんとフィッシング詐欺メールは全角アルファベットが相当お好きなようですね(笑)
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「お支払いに関するご質問はこちら」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
「TS CUBIC CARD」の正規サイトのURLは”https://tscubic.com/”ですから全く異なるものです。
開いてみると、即座にウイルスバスターが反応しました。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”ts3.media-structure.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
しっかりGMO本社の住所と電話番号が記載されています。
このドメインはGMO系のレジストラに管理されているようです。
このドメインを割当てているIPアドレスは”115.144.69.102”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは「韓国ソウル」付近。
そう、さくらインターネットユーザーからの詐欺メールのリンク先は、いつも決まってここですよね。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
表示されたのは「TS CUBIC CARD」サイトのログインページ。
きれいにコピーされていますね、なんて感心している場合じゃありません!
もちろん詐欺サイトですから絶対にログインしたりしないでください。
まとめ
最初にも書きましたが「TS CUBIC CARD」に成りすましたフィッシング詐欺メールは
目に見えて数を増やしてきていますので要注意です。
私は「TS CUBIC CARD」のユーザーじゃないからって言ってると、痛い目に遭いますよ!(;^_^A
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |