アカウントの異常な活動?
高校、中学、小学校の入学式が終わった途端桜が散り初夏の陽気が到来している
名古屋周辺です。
さて、今朝も「Amazon個人情報の安全性」と銘打ったフィッシング詐欺メールが到着。
書いてあるのは例によって第三者不正利用の疑いでアカウントを一時利用停止し
注文やサブスクをキャンセルしたのでリンクからアカウントの再開操作を行えと言ったもの。
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 【Amazon個人情報の安全性】支払い方法を更新してください」
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「"Amazon.co.jp" <amazonh-account-update@hahv.cn>」
“Amazon.co.jp“を名乗っておきながらのドメイン”hahv.cn”(笑)
「アマゾン」さんには、れっきとした”amazon.co.jp”ってドメインをお持ちです。
それなのにこのような”hahv.cn”なんて中国のトップレベルドメインを使った
メールアドレスで大切なユーザーにメールを送るなんて言語道断です!
皆さんは、ここに気づいてください!
アドレスも偽装
では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「<amazonh-account-update@hahv.cn>」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「<BDA853539B803210DC7D9E9A0A2C3397@gwvun>」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from mail.hahv.cn (unknown [175.6.103.246])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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まずは、”hahv.cn”について情報を取得してみます。
このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら
差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり
処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金
さて、どう出るのでしょうか?
残念!
対応するIPアドレスが無いってことは、現在利用されていないドメイン。
この差出人は嘘のメールアドレスを利用していることになりますね。
”Received”のIPアドレス”175.6.103.246”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられたのは、中国上海から西へ約1,000km、湖南省婁底市(ろうていし)付近。
こんな奥地に設置されたメールサーバーが利用されたようです。
サイトは危険状態で野放し
では引き続き本文。
平素は Amazon.co.jp をご利用いただき、誠にありがとうございます。
ご利用の Amazon アカウントで異常な活動が検出されたため、アカウントを一時保留にし
保留中のご注文やサブスクリプションをキャンセルいたしました。
アカウントへのアクセスを再開するには、サインインして画面の指示に従ってください。
必要な情報をご提供いただいたら、当サイトで調査の上、24 時間以内に返信いたします。 |
何と書かれようが、このメールはフィッシング詐欺メール。
絶対にリンクなど押してはいけません。
そのリンクは「確認用アカウント」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
ヤバッ! 危険なサイトなのに「未評価」とは…
現在このサイトは無防備に放置された状態にあるようです。
一刻も早く危険なサイトとして評価してもらうよう評価変更依頼を私の方からお願いして
おきました。
このURLで使われているドメインは、”wzlfjga61.vip”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
何故か検索結果が表示されません。(;^_^A
IPアドレスは何とか取得。
このドメインを割当てているIPアドレスは”23.94.143.146”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、マンハッタンに架かるブルックリン大橋のたもと付近。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
何度見たことか、このページ。(;^_^A
アマゾンのログインページのコピーです。
絶対にログインしたりしないでください。
まとめ
このような危険なサイトが野放しになっているのでとても危険な状態です。
一刻も早く対処をお願いしたいと切に願い今回のエントリーは終わりとさせていただきます。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |