しれっと第三者不正利用を報告
アマゾンから、ありもしない注文確認のメールが届きました。
もちろんフィッシング詐欺メールですけどね!
ロゴ画像へのリンクが切れています。
アマゾンがそんな失態するはずがありません(笑)
それに宛名がメールアドレスですが、アマゾンなら氏名を書くはずなのでこの時点でOUT!
注文の控えかなと思ってよく見ると、小さい字で第三者不正利用でアカウントがロックされて
いると言う、いつもの手口でした。
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] Amazon.co.jpでのご注文630-0590412-9053432」
注文番号はもちろんでたらめ。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「"Amazon.co.jp" <info@amazon.co.jp>」
「」さんには、れっきとした””ってドメインをお持ちです。
それなのにこのような””なんて中国のトップレベルドメインを使った
メールアドレスで大切なユーザーにメールを送るなんて言語道断です!
皆さんは、ここに気づいてください!
正々堂々と「Amazon.co.jp」を名乗っていますが、件名の”[spam]”を見せられた後では
全く信じられませんね。
その辺りを含め、次の項で見ていくことにしましょう。
中国大縦湖のほとりからのメールだった
では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「<info@amazon.co.jp>」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「<20220407232305842540@amazon.co.jp>」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from amazon.co.jp (unknown [114.230.228.106])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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あくまでシラを切るつもりのようですね。
まずは、””について情報を取得してみます。
このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら
差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり
処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金
結果は見るまでもありませんが、さて、どう出るのでしょうか?
”52.119.164.121”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”に書かれているのが”114.230.228.106”ですから全く異なるので、この方はやはり
アドレス偽装。
しっかり罪を償っていただきましょう!
”Received”のIPアドレス”114.230.228.106”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられたのは、中国江蘇省塩城市にある一大観光地の大縦湖のほとり。
このような風光明媚な場所に設置されたメールサーバーから送られてきたようです。
”amazon.co.jp”じゃなくて”amezom-co–jp”だって
では引き続き本文。
誰かがあなたのAmazonアカウントで他のデバイスから購入しようとしました。
Amazonの保護におけるセキュリティと整合性の問題により、セキュリティ上の理由から
アカウントがロックされます。
◆お客様のアカウントは盗離のリスクがあります。
この注文を購入したことがない場合。できるだけ早く請求情報を確認してください。
システムはこの注文を自動的にキャンセルします。 |
どことなく日本語の使い方や句読点が間違っているこの本文。
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「注文の詳細を表示する」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
”amazon.co.jp”じゃなくて”amezom-co–jp”だって。(笑)
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
ヤバいです、未評価って認識で危険なサイトとしてはまだ登録されていないようです。
このような危険なサイトがノーマークで野放しにされているのはリスクが高すぎます!
早速私からリクエストを送信しておきます。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”amezom-co-jp.c4w4ap38.cn”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
持ち主は、私には読めない文字を含む漢字3文字の氏名の方。
ドメインの管理は中国のアリババに委託されているようなので、この方がどこの国の方かは
だいたい想像つきますよね?
このドメインを割当てているIPアドレスは”155.94.140.62”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、ロサンゼルス近郊のリトルトーキョーにほど近い場所。
そう、フィッシング詐欺サイトの密集地帯です。
危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
少し前までは間違いなくつながっていたのに、再び接続してみたらつながりません。
それで「サイトセーフティーセンター」でノーマークになっていたんですね!
きっと、手入れを恐れて一旦閉鎖したんでしょう。
でも、ご覧いただいた通りIPアドレスとドメインはしっかりと紐づいたままなので
またほとぼりが冷めた頃を見計らって再開させるはずです。
まとめ
注文控えを装ったもののロゴ画像のリンク切れじゃシャレになりません(笑)
もう一度顔を洗って出直してきてください。
さて、アマゾンからのメールは、アマゾンのアカウントサービス内のメッセージセンターに
全部保存されています。
ここに無いものは全て詐欺メールですから、不審なメールが届いた際にはこちらを確認する
ことをお勧めします。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |