件名が意味不明
週明け1本目は、ETC利用照会サービスさんに成りすましたフィッシング詐欺メールです。
書かれているのは、クレジットカードの情報に相違があり無効になっているから、リンクから
認証してくれと言った内容です。
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 【ETCサービスは】【通知書】番号:E06283625089」
全く意味が分からない件名です。
このような件名に通し番号は必要なのでしょうか?(笑)
そして相変わらずのアルファベットが全角ですね。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「ETC利用照会サービス <etc-meisai@wimbike.com>」
「ETC利用照会サービス」さんには、れっきとした”etc-meisai.jp”ってドメインをお持ちです。
それなのにこのような”wimbike.com”全く異なるドメインを使って、大切なユーザーに
メールを送るなんて言語道断です!
皆さんは、ここに気づいてください!
ジョージア州アトランタからのメール
では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「<etc-meisai@wimbike.com>」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「<202204031105023047822@wimbike.com>」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from mail4.wimbike.com (mail4.wimbike.com [23.94.202.64])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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”Received”のIPアドレス”23.94.202.64”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられたのは、アメリカジョージア州アトランタ付近ですね。
ここは、差出人の所在地ではなくあくまでメールサーバーの行かれている場所です。
個人狙いならハズレ
では引き続き本文。
ETCサービスは無効になりました。
当社からクレジットカード会社に問い合わせたところ、
弊社にご登録されているご情報と、カード会社が保有しております情報が相違しており
ご注文者様ご本人名義のカードであることの確認が取れませんでした。
弊社では不正利用防止の観点から、相違が認められご本人様名義のカードであることの
確認が取れないままカード払いでご注文の継続を行うことができません。 |
珍しくもっともらしいことが書いてありますが、詐欺メールなので全部ウソです。
だいたいどれだけの人間がETC利用照会サービスにユーザー登録してると思っている
のでしょうか?
企業狙いなら別として、一般の方はユーザー登録する必要はないサービスのように
思いますが…
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「→ご認証はこちらから」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
このように既に危険サイトと認識されており、カテゴリは「詐欺サイト」と書かれています。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”etc-maisai.myselfern.club”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
殆どがプライバシー保護でマスクされていますが、持ち主は、アメリカノースカロライナ州
にある企業でした。
このドメインを割当てているIPアドレスは”104.129.12.238”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、例によってロサンゼルス近郊のリトルトーキョーにほど近い場所です。
危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
開いたのはETC利用照会サービスのログインページ。
もちろん偽のコピーページですけどね。
絶対にログインしたりしないでください。
まとめ
ETC利用照会サービスさんを騙ったものは最近下火だったんですが、ここにきて復活の兆し。
ただ、このようなメールを一般人に送られてもあまりユーザー登録してないので騙される方は
少ないのではないでしょうか?
企業狙いなら別ですけどね。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |