メールアドレスは偽装されています「モバイルSuica」を騙る2つ目のフィッシング詐欺メールが到着。 その内容は、登録してあるユーザー情報を再確認する旨が記載されています。  では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] 【重要】「モバイルSuica」(JR東日本)ご利用の会員IDとサービスについて」 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「株式会社ビューカード <suica_info@mobilesuica.com>」 JR東日本グループが運営するビューカードはSuicaを便利に使えるクレジットカードです。 ”mobilesuica.com”はまぎれもなくモバイルSuicaの正規ドメインですが、件名の”[spam]” が示すようにこのメールはフィッシング詐欺メールなのでこのメールアドレスは偽装。 では、その辺りも含め次の項で確認していきます。
また「さくらインターネット」ユーザーが犯人では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「<suica_info@mobilesuica.com>」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「<7951986BD052F20A4C6194478B6C7308@VPt.mail.viewsnet.jp>」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from mail0.mobilesuica.com (ik1-426-45261.vs.sakura.ne.jp [153.127.57.15])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 ここに”sakura.ne.jp”が見えているのでこの差出人は例の「さくらインターネット」の ユーザーです。 |
まず、差出人のメールアドレスの真偽を判定するため、”mobilesuica.com”を割当てている IPアドレスを取得し”Received”に書かれているIPアドレスと比較して検証してみます。  ”mobilesuica.com”を割当てているIPアドレスは”157.72.65.130”でした。 ”Received”に記載されているIPアドレス”153.127.57.15”と全く異なるので別のサーバー だと判断できるのでこのメールアドレスは偽装されていると断定できます。 では、この”Received”にあったIPアドレス”153.127.57.15”を使ってその位置情報を拾って みると、さくらインターネット本社のある大阪市北区付近が表示されました。 
リンクも偽装されていました続いて本文。 平素は「モバイルsuica」をご利用頂きありがとうございます 会員番号 :121503931現在弊社では、お客さまが弊社にご登録いただいた各種情報につきまして、 最新の情報であるかどうかご確認をさせていただいております。 下記のURLへアクセスし、必要な情報を入力のうえ。 https://www.mobilesuica.com/index.aspx ※このURLの有効期間は手続き受付時より24時間です。 (有効期限 2022/03/24 17:39:10) |
ツラツラと読み進むと「必要な情報を入力のうえ。」ってところで突然終わってしまいます。 こういう中途半端なところがいかにも詐欺メールらしいですね。 登録情報を更新するために用意されたURLは”mobilesuica.com”とモバイルsuicaの正規 ドメインが使われていますが、メールアドレス同様にこれも偽装されています。 本当のリンク先のURLはこちらです。  このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で評価されて いるかどうか確認してみたところ、まだ新しいサイトなのか「未評価」とされていました。  「今後、弊社で評価を行います」って事ですが、一日でも早く危険だと評価を下して ほしいものですね。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”mobilesuica.msocusbnea.com” このドメインを割当てているIPアドレスを取得してみました。  これによるとこのドメインはIPアドレス”198.55.102.229”に割当てられています。 このIPアドレスは、詐欺サイトのものです。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  結果はロサンゼルス近郊のリトルトーキョーにほど近い場所です。 この地で運営されているサイトは、もちろんモバイルSuicaの偽サイトです。  絶対にログインしないでください!
まとめJR東日本グループを装ったフィッシング詐欺メールは「えきねっと」に続いて 「モバイルSuica」は2つ目。 「えきねっと」の偽メールも急激に増えてきたいますので、「モバイルSuica」も 同じように増えることが予想されますので、ユーザーの方は十分ご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |