サーバーがチョンボを!
それにしても「えきねっと」を騙ったフィッシング詐欺メールがもの凄い勢いですね。
今朝も「【重要】えきねっとアカウントの自動退会処理について」という件名で
メールボックスに3通届いていました。
これが一晩だけの数字ですから、1日にすると相当数受け取っていることになります。
さて、そんな「えきねっと」の話題もありますが、今朝はVISAカード加盟銀行の組織
VJAグループを装ったフィッシング詐欺メールのお話。
このメールも深夜の2時50分に届いていたものです。
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「【VpassClub通信】<VJA カード>ご利用確認のお願い」
おや、いつもスパムメールについてくる”[spam]”ってスタンプが付けられていませんね。
でも、このメールはどこからどう見てもフィッシング詐欺メール。
サーバーのチョンボです!
差出人は
「"Vpass" <nepy-mail@vpaess.ne.jp>」
使われているドメインは”vpaess.ne.jp”
Vpassの正規ドメインは”vpass.ne.jp”なので”e”が多いですよね(笑)
それ以前にこのドメインも使われているものかどうか…
差出人は「エイブルネットVPSユーザーネットワーク」ユーザー?
では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「<bquvow@jkpr.info>」
あらら、もうウソがばれちゃいましたね。
本来ならここのドメインはメールアドレスと同じになるはずですよ。(笑)
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「<00d8f576c27b$14083847$d87f7050$@jkpr.info>」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from jkpr.info (h150-66-32-138.ablenetvps.ne.jp [150.66.32.138])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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まず、ドメイン”vpaess.ne.jp”は本当に使われているものなのかどうかを確認しました。
ね、「対応するIPアドレスがありません。」と書かれているのでこのドメインは現在使われて
いないもののようです。
では、この”Received”にあったIPアドレス”150.66.32.138”を使ってその情報を拾ってみます。
どうやらこの差出人は「エイブルネットVPSユーザーネットワーク」ってところのユーザーの
ようですね。
そしてこのIPアドレスは”ablenetvps.ne.jp”というドメインを割当てているようです。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
表示されたのは「東京都千代田区内神田」付近の地図。
この付近に設置されているメールサーバーがこのメールの発信元のようです。
「お客様にご確認ください」って…
では「これは緊急のお知らせですので、お客様にご確認ください」と書かれている本文。
この「お客様にご確認ください」ってくだり、おかしいですよね?
ここは”に”ではなくて”で”ではないでしょうか?
このメールの最大の目的は、本文に直書きされたリンクを押させること。
そのリンク先のURLはこちらです。
このサイトの危険性をノートンの「セーフウェブレポート」で確認してみました。
どうやらまだあまり危険性が知られていないようで、単に「注意」とだけの評価でした。
このURLで使われているドメインは”wv3vajpaeass.com”
このドメインについても情報を拾ってみました。
持ち主は、アメリカアリゾナ州の方で、割当てているIPアドレスは”104.168.64.95”と
されています。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
出てきた地図は、カナダのオンタリオ州ハミルトン付近。
ここで運営されている詐欺サイトはこちら。
驚いたことに、これ全部偽サイトへのリンクが付けられています。(;^_^A
まとめ
今回のメールのポイントは、差出人のメールアドレス。
本来ならドメインは”vpass.ne.jp”でなければならないところが”vpaess.ne.jp”と
なっていました。
なかなか気付きにくい部分ですが、よく見ればわかりますよね!
このようなメールが非常に多いのでご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |