差出人のメールアドレスに注目週末の朝もゆっくりさせていただけないのですね(^^; 今朝は、Appleになりすまし、アカウントがロックされているからリンクから解除のために 身元を確認しろと言うフィッシング詐欺メールが届いています。  では、解説していきますね。 件名は 「[spam] 通知 : 最近誰かがあなたのAppleアカウントにログインしました。(参照ID: APP-88115978)」 最近、件名の末尾にコード番号や通し番号を付けてくる詐欺メールが多くみられます。 ”参照ID:”もそのようなものだと思いますが、おおよそ信ぴょう性を持たせるための物だと 思いますが、件名をどんな書き方されても構いませんが、このメールには”[spam]”と スタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「”Apple Service” <AppleSupp0rt@mail.diq18t5npdda98c1h7x35p.apple.com>」 どこのアップルがこのような意味の分からないアカウントのメールアドレス使いますかって 話ですよ。 確かにドメインが”apple.com”となっていますが見るからにおかしいです。
アドレス偽装判定では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「<www-data@intl1.rkn-mail.com>」 ありゃ。。。もうすでにドメインが”apple.com”じゃなくて”intl1.rkn-mail.com” になっちゃっていますね。ウソ確定です!(笑) ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「<1642802252-7b0af71a966405d37f5f8a8ae39e97e1-8462d45f6daf8e85ad6e9d4ed429abb8-kcxz@>」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from intl1.rkn-mail.com (intl1.rkn-mail.com [137.184.219.138])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
まず、このドメイン”intl1.rkn-mail.com”とIPアドレス”137.184.219.138”の相関性を確認 してみます。 この2つの要素に相関性が見られれば、この差出人のメールアドレスののドメインは ”apple.com”ではなくて”intl1.rkn-mail.com”であることが証明できます。 とあるサイトで”intl1.rkn-mail.com”について調べてみます。  やはり、このドメインは”Received”に書かれていたIPアドレスに割当てられていることが 分かりました。 これにより差出人のメールアドレスドメインは”apple.com”ではなくて”intl1.rkn-mail.com” であることが証明できました。 偽装確定です!!
連れまわされた上で開いたサイトは?!続いて本文。 詳しくは下の画像に書き込んでおきました。  日本人がメールを送る際に「親愛な」とか「親愛なる」とか使いますか? 使いませんよね! そして宛名がメールアドレスってのにも違和感を覚えますが… さて、当然フィッシング詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが施されています。 そのリンク先のURLがこちらです。 
どこがAppleじゃ?! 全くかすりもしないURL… ではまず真っ先にこのリンク先が危険かどうかをノートンの「セーフウェブレポート」で 確認してみると。 やはり危険なサイトと表示されました!  今度はこのURLで使われているドメイン”3ds.aytlink.net”について、とあるサイトで情報を 拾ってみました。 詳しくは図中に記入しておきましたが、持ち主はアメリカマサチューセッツ州の方。 組織名はプライバシー保護されていて確認できませんでした。  このドメインを割当てているIPアドレスは”103.48.50.207”らしいのでこちらも 割り当て地を調査してみました。 いつもそのほとんどがアメリカ西海岸付近ですが、今回の結果は、インドの首都ニューデリー。 フィッシング詐欺メールも多様化してきたようですね。  このリンク先URLに接続してみると、リダイレクトされてこちら始まるクソ長いURLの 別サイトに接続されます。 そのリンク先のURLがこちらです。  面倒ですが、このURLのドメインも先ほどと同じ要領で調べてみました。 まずは、ノートンの「セーフウェブレポート」で危険度を。  やはり危険なサイトと周知されています。 続いてドメインの情報。 さっきのと同じでした(笑)  このドメインを割当てているIPアドレスは”188.166.217.73”らしいのでこちらも 先ほどと同じように割り当て地を調査してみました。 ドメイン調査の時には”オランダ”と書かれていましたが実際はシンガポールです。  連れまわされた上で開いたサイトは、見事に複写されたAppleの完全コピーサイト。  こんなの出されたら誰だって信用しちゃいますが、立派な詐欺サイトです! ああ、危険、危険…(・_・;)
まとめ今回のメールも見る人が見れば一目で見破ることができる詐欺メールでしたね。 やはり注目点は、差出人のメールアドレスとリンク先のURL。 メールアドレスの判断は、ヘッダーソースの解析を行えばさらに制度が高まります。 ご参考になれば幸いです(^^♪ いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |