『詐欺メール』Appleから『ID』と、来た件


★詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

ただ単に「ID」と書かれた件名の Apple からのメールが、昨日夕方に連続してバタバタと16通も届けられました。
さてこのメール、何が目的で私の所にこのように大量に送られてきたのでしょうか?
では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
またリンクのURLは直リンク防止のため文字を一部変更してあります。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] ID
送信者: “icloud" <service@mail15.al5haili.com>
送信日時:2025年12月21日(日) 19:59:30


Apple ID セキュリティ通知

アカウントの安全を維持するためにご確認をお願いいたします。

【重要】Apple ID 情報のご確認が必要です。

2025-12-21 までに確認を完了してください。
確認が行われない場合、一部のサービスが制限される可能性があります。

以下の手順に従って、アカウントをご確認ください。

  1. Apple公式サイトにアクセス
  2. Apple IDでサインイン
  3. 情報を更新
アカウントを確認する

このメールに心当たりがない場合は、破棄していただいて問題ございません。

Apple


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



もちろんこれはフィッシング詐欺の可能性が非常に高いメールです。
理由を分かりやすく説明していきましょう。

  1. Apple IDはもう死語
    「Apple ID」という名称は、既に2024年秋に「Apple Account」というサービス名に変更されています。
    なので Apple 社が旧サービス名を使ってユーザーにメールを送るなんことはあり得ません。
  2. 送信元のメールアドレスが異常
    送信者が icloud と表示されていても、実際のアドレスが service@mail15.al5haili.com となっていて、apple.comicloud.com などのAppleの公式ドメインとは無関係なドメインです。
  3. 焦らせてリンクをクリックさせる文面「【重要】」「◯日までに確認しないと制限」などは、利用者を焦らせてリンクをクリックさせ冷静な判断を失わせようとするのは詐欺の典型的な手法です。
    因みにこのメールが送信したとされるタイムスタンプは「送信日時 2025年12月21日(日) 19:59:30」で確認期限として書かれているのは「2025-12-21」で当日です。
  4. 宛名がない
    Apple からの本物のセキュリティ通知であれば、通常はユーザー登録している私の氏名が記載されるはずですが、このメールにはどこにもその氏名がありません。

件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from mail15.al5haili.com (194.24.146.34.bc.googleusercontent.com [34.146.24.194])


Received のカッコ内は、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。

よく見ると、カッコ内に「bc.googleusercontent.com」と記載がありますよね。
これは Google が管理しているドメインで、
Googleが提供するクラウドコンピューティングサービスを利用しているユーザーのアクセス元としてログに記録されることがあるドメインの一部です。
故にこのメールの送信者は、このサービスを利用することができる人物であることが分かります。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、東京都杉並区付近です。

最近この辺りは、怪しいメール発信地のトレンドの1つです。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の「アカウントを確認する」と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://mysheddesigns.com/jp/iphoemoe/8893】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

ご覧の通りこれも Apple のドメインとは異なるものが利用されていますから、このサイトは公式サイトではありません!
このドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。

割当てているIPアドレスは「104.21.88.7」
IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。

公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。

このページの名称は、相変わらず「Apple ID」
でもページ内はちゃっかり「Apple Account」に書き換えられています。
当然、ここにIDとパスワードを入力してログインしてしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となり、アカウントが乗っ取られて様々な詐欺に遭うことになります。


まとめ

メールの文面や送信者のメールアドレスとリンク先のドメインが「Apple」のものと異なるのでこのメールを詐欺メールと判定いたしました。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;