『詐欺メール』『PlayStation Storeにおける本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)導入のお知らせ』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


「生成AI」が普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
詐欺師もこれを逃すはずが無く、怪しいメールにも生成AIが浸透しつつあり
最近では片言の日本語ではなく、違和感のない流暢な言葉を使うメールが多くなりました。
このブログは、悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速にご紹介し
一人でも被害者が少なくすることを願い、怪しく危険なメールを見破る方法の拡散や
送信者に関する情報を深堀し注意喚起を促すことが最大の目的です。

ここにきてようやくホスティングサービスも重い腰を上げセキュリティ強化に取り組みだしたようで
2025年9月より悪質なサイトの取り締まりを強め、多くの詐欺サイトがその対象となり
生まれては直ぐに遮断されるを繰り返しイタチごっこの様相を呈してきました。
当方もサイトに息があるうちにできる限り迅速にご紹介しようと思ってはいますが
掲載する時点で既に閉鎖や接続遮断に追い込まれているサイトが多いのが現状。
この後、最終的にこのメールにつけられたリンクまで調査しますが、これらの理由により
既にリンク先は機能を停止している可能もありますのでご了承ください。

もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、これらの観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。

最初に1点だけ以下の件ご了承ください。
本来ならメールの本文を画像でお見せする方が分かりやすいかも知れませんが、全てを画像化してしまうとGoolgeなどのキーワード検索に反映されず、不審なメールを受取って不安で検索される方に繋がらない可能性が高くなります。
できる限り沢山の方に見ていただき情報が拡散できるようにあえて本文を丸々コピペしてテキストにてできるだけ受け取ったメールに近い表現にした上で記載しています。

では、進めてまいります。


前書き

最近ゲームメーカーに成りすます怪しく危険なメールが少々目につきます。
2日前に20日には「任天堂Swich」に関する内容のメールが届いていたのが記憶に新しいところです。

『詐欺メール』『【重要】自動継続購入の停止とお手続き方法のご案内(Nintendo Switch Online)』と、来た件

そして今度は、その商売敵の「ソニー PlayStation Store」を騙ったメールが届いています。
さて今回はどのような内容なのでしょう。
では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] PlayStation Storeにおける本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)導入のお知らせ
送信者: “PlayStation" <info.zbekske@jelj.cn>


PlayStation Store本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)導入のお知らせ
クレジットカードの取引において、より安心してお買い物を楽しんでいただくために、
以前よりも高いセキュリティを提供する本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)を導入いたします。

本人認証サービスでは、クレジットカード利用者が決済時にワンタイムパスワードを受信し、

入力することが求められる場合があります。本人認証サービスを受けるためには、

クレジットカード利用者ご自身でご契約されているカード会社のサイトやアプリで登録する必要があります。

登録を行っていない場合、決済が失敗する可能性がありますのでご注意ください。

詳しい情報は[FAQページ] をご覧ください。


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



これらの不審なメールは、皆さんが様々な登録の際に利用したメールアドレスが漏洩し、専門の業者がその漏洩したアドレスを収集たものを入手した詐欺グループが、こういったメールを送っているので、このメールを受取ったのは、私をはじめ「PlayStation Store」ユーザーばかりではありません。
大量のメールを送った中で、一部の対象者を狙った数打てば当たる方式の詐欺メールです。

このメールは、以前からショッピングサイトなどを騙るメールで盛んに使われていたネタの3Dセキュア2段階認証を使ったものです。
恐らくここで言っている3Dセキュアは「EMV2.0」で、うちのサイトでも時々取り上げているものです。
EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)とは、ECサイトやWebサービスにおけるクレジットカード決済を、より安全に行うための本人認証サービスで、既に2025年4月から義務化されていて今更?って感じのメールです。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いているものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合、注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「jelj.cn
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません

もうお分かりですよね?
そうです、末尾が”.cn”ですからこのメールアドレスは中国に与えられた国別ドメインが利用されていれて、ソニーのものとは当然異なります。

因みに「PlayStation Store」が利用するメールアドレスのドメインは「PlayStation Store」です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from jelj.cn (93.162.146.34.bc.googleusercontent.com [34.146.162.93])


Receivedのカッコ内は、送信者が利用したサーバーが自身で刻む唯一信頼できる部分で偽装はできません。

ここには『googleusercontent.com』と書かれています。
これはGoogleが提供する各種サービスがコンテンツを配信・ホスティングするために使用されるドメインです。
故にこのメールの送信者は、このサービスを利用してこのメールを送信しているようです。

では、試しにドメイン「jelj.cn」に関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者は、これらの調査では頻繁に見掛ける中国の方です。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、東京都杉並区付近です。
それにこのIPアドレスは既にブラックリストに登録されて、そのカテゴリは「サイバーアタックの攻撃元」とされています。

最近この辺りは、これら怪しいメール発信地のトレンドです。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の「詳細を見る」と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://prfamilyary.ykdvcbex.cn/sonyacct/signin/duid/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

これまた PlayStation Store のドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者は、先ほどとは異なるもののまたしても中国の氏名の方です。

割当てているIPアドレスは「172.67.169.30」
IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むと開いたのはタイムアウトで接続できなかったことを示す真っ白なページ。
恐らくこのサイトを設置したレンタルサーバーがその危険を察知して削除したものかと思いますが、ウイルスバスターにブロックされたことが、ここには以前危険なサイトが存在していたことを物語っていますね。

接続ができないのでこの先にどのようなページが設けられていたかは分かりませんが、私が経験上想像するにこの先のページは「本人認証」を行うページで、その本人確認の手段としてクレジットカード情報を求め、騙されたユーザーは誤ってそのクレジットカードを入力してしまい詐欺被害に遭うことになるでしょうね。


まとめ

今年の4月に義務付けされた3Dセキュアは「EMV2.0」をソニーのような大企業が今更要求するってどう思いますか?
大きな企業に関わらず、法で決められたことは施行される前に完了させることは当然のことですよね。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;