『詐欺メール』『【日本郵便】特別抽選会のご案内』と、来た件
★フィッシング詐欺メール解体新書★
「生成AI」が普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
詐欺師もこれを逃すはずが無く、怪しいメールにも生成AIが浸透しつつあり
最近では片言の日本語ではなく、違和感のない流暢な言葉を使うメールが多くなりました。
このブログは、悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速にご紹介し
一人でも被害者が少なくすることを願い、怪しく危険なメールを見破る方法の拡散や
送信者に関する情報を深堀し注意喚起を促すことが最大の目的です。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
最初に1点だけ以下の件ご了承ください。
本来ならメールの本文を画像でお見せする方が分かりやすいかも知れませんが、全てを画像化してしまうとGoolgeなどのキーワード検索に反映されず、不審なメールを受取って不安で検索される方に繋がらない可能性が高くなります。
できる限り沢山の方に見ていただき情報が拡散できるようにあえて本文を丸々コピペしてテキストにてできるだけ受け取ったメールに近い表現にした上で記載しています。
では、進めてまいります。
前書き
9月に入り季節的には秋。
とは言うものの、今年はまだまだ夏真っ盛りという気温で、うんざりしている方も相当数いらっしゃるのではないかと思います。
でも四季で言えば9月から秋。
9月に入った途端に様々なキャンペーンがいろいろなところで開催されています。
となると増えてくるのはこういったキャンペーンに便乗した悪質な詐欺。
今回は、そんな偽キャンペーンを騙る「日本郵便」に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 【日本郵便】特別抽選会のご案内 <!– KjCD9NPo –>
送信者:日本郵便カスタマーサービス <trh5gap9@securez.tp4878.com>
****@*****.*** 様
平素より日本郵便をご利用いただき、誠にありがとうございます。
このメールを受信されたお客様限定で特別抽選会を開催いたします。
抽選参加日時: 2025年9月9日 02時33分
参加コード: 54060 トラッキング番号: 787saKO1hwFn
・本メールを受信された ****@*****.*** 様のみ参加可能です
・お一人様1回限りの参加とさせていただきます
・当選賞品の配送には別途配送料金が必要です
・有効期限(2025/09/10)を過ぎた場合は参加いただけません
日本郵便株式会社
〒100-8798 東京都千代田区霞が関一丁目3番2号
Copyright © 2025 Japan Post
このメールは送信専用です。ご返信いただけません。
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
「郵便局のネットショップ」のバナーが最上段に表示されているので、このメールはこちらのサービスを利用しているユーザーに対して送られたものなのでしょう。
これらの不審なメールは、皆さんが様々な登録の際に利用したメールアドレスが漏洩し、専門の業者がその漏洩したアドレスを収集たものを入手した詐欺グループが、こういったメールを送っているので、このメールを受取ったのは、私をはじめ「郵便局のネットショップ」ユーザーばかりではありません。
大量のメールを送った中で、ほんの一部の対象者を狙った数打てば当たる方式の詐欺メールです。
この郵便局のネットショップは、日本郵便株式会社が運営する公式のオンライン通販サイトです。
調べてみましたが、郵便局のネットショップでは現在このようなキャンペーンは実施されていません。
故にこのメールは、偽のキャンペーンを装った詐欺メールです。
見てください末尾の箇条書き部分を。
「当選賞品の配送には別途配送料金が必要」なんて書いてありますよね!
これを理由にクレジットカード情報を盗み出すのがこのメールの最大の目的です!
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いているものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合、注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「securez.tp4878.com」
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みに郵便局のネットショップが利用するメールアドレスのドメインは「japanpost.jp」です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from securez.tp4878.com (102.127.97.34.bc.googleusercontent.com [34.97.127.102])
Receivedのカッコ内は、送信者が利用したサーバーが自身で刻む唯一信頼できる部分で偽装はできません。
ここには『googleusercontent.com』と書かれています。
これはGoogleが提供する各種サービスがコンテンツを配信・ホスティングするために使用されるドメインです。
故にこのメールの送信者は、このサービスを利用してこのメールを送信しているようです。
では、試しにドメイン「securez.tp4878.com」を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが「Grupo」さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。
全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる「securez.tp4878.com」を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、大阪市付近です。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の「抽選会に参加する 」と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://tp3925.com/LjhxOfEa/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた郵便局のネットショップのドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。
「Registrant Organization」には「Super Privacy Service LTD c/o Dynadot」と記載されています。
これは、米国のドメインレジストラ「Dynadot」が提供するドメインプライバシー保護サービスで、このサービスを利用すると、ドメインの登録者の各種情報(名前、住所、電話番号、メールアドレスなど)が公開されるのを防ぐため、その代わりにこのように、Super Privacy Service LTD c/o Dynadotの情報が表示され、スパムや不正アクセスからの保護が強化することができます。
半面最近は、このサービスが藪蛇(やぶへび)になりこういったサイバー犯罪の温床とされることが多く見られます。
割当てているIPアドレスは「89.213.174.93」
「IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、ルーマニアのブカレスト付近であることが分かりました。
沼にはまってみる
危険を承知した上で、万全のセキュリティの元、詐欺サイトに潜入してみます。
リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。
凝ったページが開きましたね。
公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
送信者のメールアドレスを使って先に進んでみます。
すると次に開いたのは、抽選ページです。
「抽選を開始する」と書かれたボタンを押して、抽選してみます。
当然必ず当選するんでしょうけど、さて、何に当選するのでしょうね(笑)
おお!
164,800円相当の「MacBoo Air」が当選したようです!
面白そうなので「別の賞品を選ぶ」と書いてあるボタンを押して再抽選してみましょうか。
あはは、今度は149,800円相当の「iPad Pro」が当選しました。
1回目の方が高額でしたね(笑)
この賞品で決定して先に進んでみます。
個人情報を入力させられた後で表示されたのは、こちらのクレジットカード情報を入力するページです。
よくできていますよね、配送料金をクレカ払いで請求し、その情報を盗み取ろうとしています。
当然、ここに入力して「お支払いを完了する」と書かれたボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握され詐欺の被害に遭うことになります。
まとめ
今現在もこのようなサイトが無防備に放置されているのはとても危険なことです!
非力ながら私の方からも、トレンドマイクロ社とノートン社に報告しておきます。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;