『詐欺メール』Webullから『至急対応のお願い：税務申告用書類の不足』と、来た件
★フィッシング詐欺メール解体新書★
「生成AI」が普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
詐欺師もこれを逃すはずが無く、怪しいメールにも生成AIが浸透しつつあり
最近では片言の日本語ではなく、違和感のない流暢な言葉を使うメールが多くなりました。
このブログは、悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速にご紹介し
一人でも被害者が少なくすることを願い、怪しく危険なメールを見破る方法の拡散や
送信者に関する情報を深堀し注意喚起を促すことが最大の目的です。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます！
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分～10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
最初に1点だけ以下の件ご了承ください。
本来ならメールの本文を画像でお見せする方が分かりやすいかも知れませんが、全てを画像化してしまうとGoolgeなどのキーワード検索に反映されず、不審なメールを受取って不安で検索される方に繋がらない可能性が高くなります。
できる限り沢山の方に見ていただき情報が拡散できるようにあえて本文を丸々コピペしてテキストにてできるだけ受け取ったメールに近い表現にした上で記載しています。
では、進めてまいります。
本日のトレンド
昨夜一晩で一番多く届けられた怪しいメールをピックアップする『本日のトレンド』
今日はこのメールが選ばれました！
「Webull」と言う送信者からのメールです。
同じ送信者から3種類の件名で7通届いています。
「Webull」と聞いて分からない方も多いと思いますが、日本では「ウィブル証券」と言う称号で2023〜2024年にかけて提供開始された米国発のネット証券プラットフォームです。
一連の詐欺メールは「SBI証券」や「野村證券」に飽き足らず、外資系の証券会社にまで手を伸ばし始めましたね。
もしかしたら「SBI証券」や「野村證券」にの詐欺メールに取って代わるものになるかも知れませんよ！
前書き
折角なのでこのメールで一番新しいものをチョイスしてご紹介しようと思いますが、一応件名の一覧だけつけておきます。
「税務記録提出期限のご案内」
「重要通知：税務情報の補完が必要です」
「至急対応のお願い：税務申告用書類の不足」
ウィブル証券は外資系の企業ですが、メールが日本語で書かれているので本家の「Webull」ではなく日本の「ウィブル証券」としてお話を進めてまいります。
では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名：[spam] 至急対応のお願い：税務申告用書類の不足
送信者： “Webull" <system@ovptq.com>
お客様各位
年度末の税務申告準備にあたり、お客様の必要書類が不足していることが確認されました。
提出期限までに完了しない場合、規制機関からの追加確認や罰則が課される可能性があります。
以下の安全なアップロードリンクから、書類を送付してください：
h**ps://webull-entering.com?token=HbxLl1lulrYVCSuGx22I
ご不明点がございましたら、サポートチームまでご連絡ください。
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
後半の英語表記部分は割愛させていただきました。
冒頭の画像を見ていただければ分かると思いますが、なんだか少し奇妙で読み難い中華フォントが使われています。
書かれているのは、税務申告に必要書類が不足しているリンクから書類をアップロードするように求めています。
奴らが欲しいのは、ウィブル証券のアカウント(会員)情報で、その目的は、取得した情報を用いて不正アクセスを行い資金操作によって詐欺を実行することです。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いているものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合、注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「ovptq.com」
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みにウィブル証券が利用するメールアドレスのドメインは「webull.co.jp」です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from mail.ovptq.com (unknown [193.233.75.125])
本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですがそれとは全く異なる「」なんてドメインが記載されていますね。
これでアドレス偽装はほぼ確定！
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
では、試しにドメイン「mail.ovptq.com」に関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者は中国北京市の方です。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、ドイツのフランクフルト・アム・マイン付近です。
それにこのIPアドレスは既にブラックリストに登録されて、そのカテゴリは「サイバーアタックの攻撃元」とされています。
リンク先のドメインを確認
さて、本文に直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、当然偽装されていて、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://webull-entering.com/login】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまたウィブル証券のドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者はまたしても中国の方です。
米国ならまだしも中国と言うのは頷けません。
割当てているIPアドレスは「172.67.219.239」
「IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。
リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。
結局英語ですか…
公式サイトとはURLが全く異なるので、偽ログインページです。
当然、ここに電話番号とパスワードを入力してログインボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となり詐欺の被害に遭うことになります。
まとめ
米国資本の証券会社が、中華フォントを使ったメールで、中国人が所持するドメインのメールアドレスで、更に中国人が所持するドメインを使ったウェブサイトに誘導するってあり得ないです。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;