『詐欺メール』Amazonから『デバイス登録に異常が確認されました』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


「生成AI」が普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
詐欺師もこれを逃すはずが無く、怪しいメールにも生成AIが浸透しつつあり
最近では片言の日本語ではなく、違和感のない流暢な言葉を使うメールが多くなりました。
このブログは、悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速にご紹介し
一人でも被害者が少なくすることを願い、怪しく危険なメールを見破る方法の拡散や
送信者に関する情報を深堀し注意喚起を促すことが最大の目的です。

もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。

最初に1点だけ以下の件ご了承ください。
本来ならメールの本文を画像でお見せする方が分かりやすいかも知れませんが、全てを画像化してしまうとGoolgeなどのキーワード検索に反映されず、不審なメールを受取って不安で検索される方に繋がらない可能性が高くなります。
できる限り沢山の方に見ていただき情報が拡散できるようにあえて本文を丸々コピペしてテキストにてできるだけ受け取ったメールに近い表現にした上で記載しています。

では、進めてまいります。


前書き

Amazonで年に一度開催されるプライム会員限定の特別セールイベント「プライムデー」が盛況の中7月14日に終了しました。
これは日本だけではなく世界的な規模で行われるもので、このタイミングを狙っての犯罪も多くなるとか。
一説によるとこの年に9回ほど行われるAmazonのイベントに合わせるかのようにAmazonに似たドメインの注文が多くなるそうです。
これは当然イベントに便乗した詐欺メールや詐欺サイト用に利用されるもので、セール商品情報を装っての詐欺サイトへの誘導や、返金エラーの通知、いつものようにアカウントの問題装うものが挙げられます。

今回は、そんなAmazonに成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] デバイス登録に異常が確認されました
送信者: “Amazon.co.jp" <service@amazontech.asia>


Amazonアカウントセキュリティ通知
Amazonをご利用いただき、ありがとうございます
セキュリティアラート
端            末:  MacOS Ventura
IPアドレス: 130.217.195.253
検出日時: 2025/7/25 6:45:53
有効期限: メールを拝受してから24時間以内
このたび、お客様のAmazonアカウントに異常なアクティビティを検出しました。アカウントのセキュリティ保護のため、再ログインが必要です。

現在、お客様のアカウントは一時的に制限されており、下記ボタンから再ログイン手続きを行っていただく必要がございます。

この手続きを完了していただくことで、アカウントの制限が解除され、通常通りご利用いただけるようになります。
アカウントにログイン
※ 上記URLは安全保護のため、このメール送信後24時間以内のみ有効となっております。
※ このメールに心当たりがない場合や、不審に思われる点がございましたら、お手数ですがAmazonカスタマーサービスまでご連絡ください。
今後とも Amazonをご愛顧くださいますよう、よろしくお願いいたします。
Amazon Japan G.K.
© 1996-2025, Amazon.com, Inc. or its affiliates


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



このメールは、不正ログインの疑いがあるように見せ掛け、リンクに誘い込んでAmazonのアカウント情報やクレジットカード情報を盗み出そうとする詐欺メールです。

ん~、違和感のない日本語使いですね。
ただ「有効期限: メールを拝受してから24時間以内」ってところに違和感を感じるのは私だけじゃないはず!
この「拝受」と言う言葉の意味は「受け取る」の敬語表現です。
Amazon側が客先から送られてきたメールを「拝受」と表現するのは間違いではありませんが、私たちお客がAmazonからのメールに対して「拝受」と使うのは間違っています。
まあ、AI翻訳を利用してそのまま文章を垂れ流しているので仕方が無いのでしょうね。

因みに記載されているIPアドレス「130.217.195.253」はでたらめでしょうけど、その地域を探ると、ニュージーランドの ハミルトンとでました。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いているものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合、注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「amazontech.asia」
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません

もうお分かりですよね?
そうです、よく似ていますがAmazonの公式なドメインとは異なりますよね。
Amazonの公式なドメインは「amazon.co.jp」です。

故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received:  amazontech.asia (unknown [185.196.9.230])


ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません

では、試しにドメイン「amazontech.asia」を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが「aWebAnalysis」さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。

次にこのドメインに関する詳しい情報を「Whois」さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者は中国安徽省(あんきしょう)の方です。
これによるとこのドメインは3日前の7月22日に取得したもののようです。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、スイスのベルン付近です。


宛名を確認

このような不正アクセスに関わる大切なメールの冒頭には通常「◎◇△ 様」と言ったように「宛名」が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にAmazonからだとすれば、ユーザーの氏名や企業名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の「アカウントにログイン」と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://www.amazonglobal.icu/2og84qg6/#/】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた「」のドメインとは異なるものが利用されていますね。

このドメインに関する詳しい情報を「Whois」さんで取得してみます。

メールアドレスのドメインと全く同じ内容です。

先程と同様にこのドメインを割当てているIPアドレスを「aWebAnalysis」さんで取得してみます。

割当てているIPアドレスは47.251.43.21
IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、カリフォルニアの Minkler 付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。

公式サイトとはURLが全く異なるので、本物とよく似ていますがこれは偽ログインページです。
当然、ここにサインインしてしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となります。
この先のページで個人情報を入力させた後「本人確認」と称し、このように更にクレジットカードの情報を盗み取られた上で詐欺の被害に遭うことになります。


まとめ

このようなメールが届いたら、まず真っ先に送信者のメールアドレスのドメインを確認してみてください。
それでも判断が付かないときは、リンク先のURLにあるドメインを確認してみてください。
これでほぼ100%見抜けるはずです。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;