『詐欺メール』ドコモから『支払い期限を過ぎた場合の対応』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

 

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。

最初に1点だけ以下の件ご了承ください。
本来ならメールの本文をキャプチャー画像で貼り付ける方が見やすく正しいやり方かも知れませんが、全てを画像化してしまうとキーワード検索に引っかからなくなってしまい、これらのメールを受取って不安で検索される方が多く検索結果に繋がらないとこのブロブの意味が無くなってしまうので、あえて本文を丸々コピペしてテキストにてできるだけ受け取ったメールに近い表現になるとうにした上で記載しています。

では、進めてまいります。


前書き

ドコモとされる送信者から通信速度制限に関する知らせが届きました。
ご覧いただいた通り、隙間の多いメールで違和感を感じるメールです。

今回は、そんなドコモに成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 支払い期限を過ぎた場合の対応
送信者: “ド コ モ" <otsukamoe82@dytya.com>


いつもdocomoをご利用いただき、誠にありがとうございます。
◆ 当月データ通信速度制限の適用について ◆
お客様の回線において、2025年7月のデータ通信量が10GBに達したため、通信速度を1Mbpsに制限させていただきました。
これは、docomoの「Fair Usage Policy(公平利用ポリシー)」に基づく措置です。
■ 速度制限の詳細
制限速度:最大1Mbps(通常速度の約1/10)
制限期間:今月末(2025年7月31日)まで
次回リセット日:2025年8月1日 00:00
現在のデータ使用量:10GB/10GB(100%)
■ 速度制限中の利用可能サービス例
メールの送受信
SNS(テキストメイン)
地図アプリ(ナビゲーション機能)
Webサイト閲覧(テキスト中心)

データ使用量を確認する

※ 速度制限中でも、基本的な通信は可能ですが、動画視聴や大容量ファイルのダウンロードには不向きです。
※ 8月1日 00:00に自動的にデータ使用量がリセットされ、通常速度に戻ります。
※ 追加データパックの購入で速度制限を解除できます。

お問い合わせ
利用規約
プライバシーポリシー
配信停止
企業情報
Copyright © CyberAgent, Inc. All Rights Reserved.


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



上記の本文は、体裁が良いように余計な改行は削除してありますが、それにしても末尾の問合せ欄や署名欄も見出しかない怪しいメールです。
件名には「支払い期限を過ぎた場合の対応」と書かれているのに本文には、データ通信量超過による制限措置に関する内容で件名と本文乖離があります。
そして最下段の著作権表示部分にはなんと「Copyright © CyberAgent, Inc. All Rights Reserved.」とNTTドコモではなくサイバーエージェント社のものが記載されています。
なんか胡散臭いメールですよね。
まあ私の使っているキャリアはドコモじゃなくて楽天だからどう書かれようと関係ありませんけど!(笑)

もちろんこのメールはNTTドコモからでもサイバーエージェントからでもなく悪意を持った輩ら送られたもの。

この間延びした体裁の悪いメールですが、きな臭いので表示をHTMLからテキスト表示に切り替えてみたところ、このようにワードサラダが隠されていました。

ワードサラダは、サーバーに設置された迷惑メールを振り分けるスパムフィルターを混乱させるために付けられた意味の通らない記号や数字の羅列です。
でも、うちのサーバーのフィルターを混乱させることはできず、件名の見出しにしっかりと”[spam]”とスタンプされていますね。


件名の見出しを確認

上にも書いた通り、この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いているものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合、注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと否応なしに「迷惑メール「」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「dytya.com」
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません

もうお分かりですよね?
そうです、NTTドコモ
が利用するメールアドレスのドメインは「docomo.ne.jp」です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from movix.co.jp (unknown [197.0.172.100])


本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですがそれとは全く異なる「movix.co.jp」なんてドメインが記載されていますね。
これでアドレス偽装はほぼ確定!

ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません

では、試しにこれらのドメインを割当てているIPアドレスとこのReceivedのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが「aWebAnalysis」さんで取得したそれぞれのドメインに割当てているIPアドレスです。
まずはメールアドレスにあった「dytya.com

全然違いますね。
これで偽装は確定です!

次にReceivedにあった「movix.co.jp

今度はIPアドレスに割当てられていないドメインのようで、当然利用することはできないのでこれも偽装されています。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、地中海沿岸の地であるチュニジアのサリーヌ(Sahline)付近です。

 

宛名を確認

このような大切なメールの冒頭には通常「◎◇△ 様」と言ったように「宛名」が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にNTTドコモからだとすれば、ユーザーの氏名や企業名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の「データ使用量を確認する」と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://translate.google.co.jp/translate?lz=wx&tl=ja-us&hl=ja-us&u=https://xlpipe.cc&client=tubjry】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

ドメインは「translate.google.com」ですからGoogle翻訳のドメインです。
これは、Google翻訳を経由させることによってセキュリティによるブロックを回避させることが目的で、逆に言えばGoogle翻訳を経由しているリンクは危険なサイトが多いと言い換えることが言えます。
経由後実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。

h**ps://xlpipe.cc&client

ここにある”.cc”ドメインは、オーストラリア領ココス諸島に割り当てられている国別コードトップレベルドメインで、怪しいサイトでは良く使われるものです。
このドメインに関する詳しい情報を「Grupo」さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は中国です。

割当てているIPアドレスは「104.21.11.227」
IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。

リンクを辿ってみると、一旦はGoogle翻訳ページが表示されるも直ぐに一瞬別ページが開いた後リダイレクト(自動転送)された上で開いたのは「Yahoo!JAPAN」のオフィシャルサイト。
リダイレクトされたことから、以前はNTTドコモの偽サイトに繋がっていたものをある段階でYahoo!のページに切り替えたものと思われます。


まとめ

今はYahoo!にリンクしていますが、詐欺師のサジ加減でいつでもリンク先を元に戻せるので安心はできません。
NTTドコモユーザーでデータ通信量に心当たりのある方は特にご注意ください。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;