『詐欺メール』Appleから『ログインの安全確保にご協力』と、来た件

★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★証券会社に成り済ます悪質なメール終息気味ですが、まだ確認されていますので資産運用されている方はご注意ください★
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
本日のトレンド
昨夜一晩で一番多く届けられた怪しいメールをピックアップする『本日のトレンド』
今日はこのメールが選ばれました!
PayPayを騙る怪しいメールで件名の末尾にメールアドレスのアカウント名が書かれているもの。
その件名は『【PAYPAY】セキュリティ確認のお願いと特典のご案内』で、送信者名は『PayPay』
送信者のメールアドレスは、バラバラで当然PayPayのメールアドレスとはかけ離れたものが使われています。
合計17通ながら通常はダラダラ送られてくるものが多いのですが、このメールの場合、昨夜19時過ぎから21時30分までに集中的に送信されてきています。
本文の内容は6月28日にご紹介したこちらのメールと全く同じなので、必要でしたらこのブログ記事をご覧いただければと思います。
『詐欺メール』『【認証記録に関する照会依頼】確認が完了していない項目があります』と、来た件
前書き
さて、話は変わって今回は、Appleに成り済ます不審なメールのご紹介となります。
『Apple 支払い方法の更新が必要です』と言う件名のものは相変わらず今日も大量に送られてきていますが、今回はそれとは異なるものです。
では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] ログインの安全確保にご協力
送信者: “iCloud" <support-nkesl@service.dv40.top>
ログインの安全確保にご協力
2025/7/1、通勤中や旅行先でのログインが検出されました。現在、一部サービスが制限されています。
iCloudの安全を守るため、2日以内にログインを保護してください。情報は暗号化され保護されます。
ログインを保護
Apple Japan GK 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-24-12
Appleサポート | プライバシーポリシー
Copyright © 2025 Apple Inc.
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
『通勤中や旅行先でのログインが検出されました』と書かれていますが、これは不正ログインの通知でしょうか?
いやいや、接続IPアドレスからおおよその接続地は分かるので外出先からかどうかは判断できると思いますが、ここに書かれているように通勤中や旅行先でログインしたからと言って不正ログインと決めつけ、勝手にサービスの一部を制限するなんて理屈が通りません。
そんなこと少し考えればわかることなのにどうしてこいつ等はそう言うことを理解しないのでしょうね…
そして倒置法のように文章の末尾に唐突に『情報は暗号化され保護されます』と、何の情報が暗号化されるのかこれではさっぱり分かりません。
AIが発達して翻訳技術が向上し見分けが付きにくい詐欺メールが多くなった昨今、まだまだこのようなレベルの低いメールも見られます。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『service.dv40.top』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
いつも書きますが、怪しいメールでサブドメインに”service”が使われているメールアドレスが非常に多く、逆に言えばサブドメインに”service”が付いているものには注意が必要です。
もうお分かりですよね?
そうです、Apple が利用するメールアドレスのドメインは『apple.com』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from service.dv40.top (unknown [107.175.194.209])
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
では、試しにドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者は、中国江西省の方で、四川省成都市にあるレジストラに依頼してこのドメインを取得しているようです。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、米国のサンタクララ付近です。
宛名を確認
このような不正アクセスに関する大切なメールの冒頭には通常『◎◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当に Apple からだとすれば、ユーザーの氏名やハンドル名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の『ログインを保護』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://icloud-hourain.tpglzv.cn/gvIY2S/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた Apple のドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
ああ、またこの方ですか。
この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地はやっぱり中国で、これらの調査では頻繁に出てくる氏名の方が関与しているようです。
割当てているIPアドレスは『104.21.4.119』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。
リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。
公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
当然、ここにログインボタンしてしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となります。
まとめ
Appleが、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスでユーザーにメールを送り、こじつけの理由でセキュリティブロックされるようなサイトに誘導するって絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;