『詐欺メール』Adobe Acrobat Signから『署名確認: 契約確認 2025年06月11日(金曜日)』と、来た件

★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★証券会社に成り済ます悪質なメール終息気味ですが、まだ確認されていますので資産運用されている方はご注意ください★
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
最近時々見られる怪しいメールに電子署名サービスを騙るものがあります。
その多くは、世界最大の電子署名サービス『DocuSign(ドキュサイン)』を騙るもので、うちのサイトでも何度かご紹介しています。
今回は、それとはまた別のAdobe社が提供する電子署名サービス『Adobe Acrobat Sign』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 署名確認: 契約確認 2025年06月11日(金曜日)
送信者:"Adobe© Sign on ◎◇△" <no-reply@*****.***>
Adobe Acrobat Sign
文書があなたに共有され、ご確認と署名をお願いいたします。
契約書/請求書の支払い
確認して署名
受取人
******@*****.***
コピーを見るには、セキュリティのため、メールボックスのパスワードで認証してください。
ご都合の良い時に、ご意見と署名を添えてご確認お願いいたします。
署名後、すべての関係者に最終のPDFコピーがメールで送信されます。
このメールを転送しないでください。署名したくない場合は、他の誰かに委任しても構いません。
Powered by Adobe Acrobat Sign
続行することで、この契約書は電子署名または手書き署名によって署名される可能性があることに同意します。
当社のメールを引き続き受信できるよう、アドレスブックまたは安全なリストに adobesign@adobesign.com を追加してください。
利用規約 | 虐待の報告
© 2023年 Adobe 社. 全著作権所有。
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“このEメールに記載されている情報は、上記の受取人(受取人たち)専用です。これには機密情報、所有権があるか法的特権を有する素材が含まれることがあります。もし意図されていない受取人であれば、直ちに削除し、システムからすべてのコピーを破棄し、送信者に通知してください。この情報に基づいて行われる再検討、再送信、広報、またはその他の使用、あるいはその情報に依存して行われる行動は禁止されています。このEメールに含まれる情報、添付ファイル(あれば)を含む、意見、コメント、記述された情報は、すべて著者のものであり、その正確性、完全性、正確さは保証されていません。KASIKORNBANK PUBLIC COMPANY LIMITEDは、このEメールで送信されたウイルスによる損害や損失を含む、その内容について責任を負いません"
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本文ここまで
このメールは、何者かが私宛の契約書や請求書を共有しているので、リンクから電子署名を行うように促しています。
でもなぜかその書類を見るためには『メールボックスのパスワード』で認証する必要があると書いてあります。
皆さん、おかしいと思いませんか?
どうして共有された書類を見るのにメールパスワードが必要なのでしょう。
ということは、このAdobe Acrobat Signは私のメールパスワードを知っているってことですよね。😓
DocuSignを騙ったメールもそうだったのですが、それらのメールに付けられたリンク先は、何故かウェブからメールの受送信ができるウェブメールアプリ。
これらのメール送信者の真の目的は、ウェブメールアプリにログインさせるふりをしてメールアカウントを乗っ取ることのようです。
でも、それとは全く関係の無い電子署名サービスに成り済ますので、理由付けが無理やりになってしまっていますね。
それにこのメールの末尾に記載されていた後書き部分、よく見ると『KASIKORNBANK PUBLIC COMPANY LIMITED』(通称 KBank)と書かれています。
これはタイを代表する商業銀行グループですが、Adobe Acrobat Signとはどのような関係があるのでしょう?
もしかしたらこのメールの送信者は、KBank の怪しいメールにも加担していて、そのメールを流用した際に消し忘れてしまったのでしょうか?
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスは『no-reply@*****.***』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
”no-reply”はご存じの通り返信不可を表すもので、@以降のドメイン部分は何故か受信した私のメールアドレスのドメインと全く同じものが記載されています。
普通ならAdobe社のドメイン『adobe.com』のはずですよね。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from unknown (HELO EC2AMAZ-3PF5UQ2) (onodera@create-osk.com@35.181.173.55)
本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですがそれとは全く異なる『create-osk.com』なんてドメインが記載されていますね。
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、フランスのパリ付近です。
リンク先のドメインを確認
さて、本文に何箇所か付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://ibaraki-oak.org/activemail/】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
まずはこのドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は大阪のようです。
『Organization』に『Ibarakikita Sports Club Oak』と書かれていますよね。
これは、大阪府茨木市の北部に拠点を持つ、地域密着型の総合スポーツクラブ『茨木北スポーツクラブ・オーク教室』(NPO法人)の持ち物のようです。
この怪しいメールとの関わりについては言及しませんが、何らかの関係があることは確かです。
次にこのドメインを割当てているIPアドレスを『aWebAnalysis』さんで取得してみます。
割当てているIPアドレスは『162.43.117.56』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイトではありがちなJR神田駅付近であることが分かりました。
リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。
やっぱり開いたのはウェブメールアプリの『Active!mail』のログインページ。
これは本物そっくりの偽ログインページです。
当然、ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となります。
不正ログインされてしまと、そのアカウントは悪用され、このような怪しいメール発信の温床とされるなどサイバー犯罪に利用されることとなるので要注意です。
まとめ
Adobe社が、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスでメールを送り、ウェブメーラーに誘導するって絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;