『詐欺メール』『配送保留のお知らせ | ヤマト運輸【PG-8244203622】』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★証券会社に成り済ます悪質なメール終息気味ですが、まだ確認されていますので資産運用されている方はご注意ください★

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

皆さんもご経験あると思うのですが、時々、自宅や勤務先のポストに宅配業者から『ご不在でしたので荷物を持ち帰りました』なんて不在票が入れられていることがありますよね。
それがメールで届いたらどう思いますか?
ショートメールならまだしも、伝票に荷主や荷受先のメールアドレスを記入する欄は無いし、該当する宅配業者のサイトにユーザー登録した覚えもないのでメールアドレスなんて知っているのは絶対おかしい…
今回は、そんな『ヤマト運輸』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。

では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 配送保留のお知らせ | ヤマト運輸【PG-8244203622】
送信者:"ヤマト" <yxrzqh@12378id.com>


配信停止・配信先の変更

お客様
いつもヤマト運輸をご利用いただき、誠にありがとうございます。
お客様が送信された荷物に関して、宛先不明のため配送ができなかったことをお知らせいたします。
住所や電話番号に誤りがあった可能性があるため、現在配送が保留されております。

【配送状況】
配送情報の更新をお待ちしております

配送情報を更新する

【ご注意】
48時間以内に更新が確認できない場合、上記の理由からお客様のアカウントに制限をかけさせていただく場合がございます。予めご了承ください。
※本メールは送信専用です。返信は受け付けておりません。


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



これは、荷主に宛てたメールのようで、宛先不明のため配送ができなかったことを通知するものです。
でもどこか違和感のあるメールです…
『お客様が送信された荷物』なんて、荷物の事を送付ではなく送信ってメールのような言い方は何となくおかしな気がします。
それに48時間以内に更新が無い場合って、クール便とか生鮮食品とかだったらもう駄目になってしまいそうです。

 


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『12378id.com』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。

笑っちゃいますよね、ヤマト運輸さんがこのような数字のドメイン使うはずがありません。
ヤマト運輸が利用するメールアドレスのドメインは
『kuronekoyamato.co.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from 12378id.com (unknown [110.173.49.202])


ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません

では、試しにドメイン『12378id.com』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる『12378id.com』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近です。

最近この香港辺りは、怪しいメール発信地のトレンドです。


宛名を確認

このメールの冒頭には、抽象的な『お客様』という『宛名』が書かれています
でも仮にもしこれが本当にヤマト運輸からだとすれば、伝票から荷主や荷受人の氏名を絶対知っているはずですのでこのような宛名はとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『配送情報を更新する』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://fz-checkac-asia.translate.goog/kuronekoyamatovire?_x_tr_sch=mt&_x_tr_sl=ljwa&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

さて、本文にある詐欺サイトへのリンクですが、ドメインは『translate.google』ですからGoogle翻訳のドメインです。
これは、Google翻訳を経由させることによってセキュリティによるブロックを回避させることが目的で、逆に言えばGoogle翻訳を経由しているリンクは危険なサイトが多いと言い換えることが言えます。
経由後実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むとこのようなページが開きました。

これは先ほど書いた通りGoogleの翻訳ページですが、『undefined → 日本語』と書かれています。
翻訳元が『undefined』なので翻訳前の言語が未定義で翻訳できなかったようです。


まとめ

ヤマト運輸が、知っているはずの無いメールアドレス宛に、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスで、香港からユーザーにメールを送るって絶対おかしいです!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;