『詐欺メール』『【Apple】ご利用料金の返金について』と、来た件

★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★証券会社に成り済ます悪質なメール終息気味ですが、まだ確認されていますので資産運用されている方はご注意ください★
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
AppleやiCloudを騙った怪しいメールが昨日から急増中で、同じ内容で複数の件名のメールが大量に届いております。
今回取り上げるのは『【Apple】ご利用料金の返金について』という件名のものですが、それ以外にも以下の件名と送信者の物が確認されていますので、併せてご注意くださるようお願いいたします。
『【iCloud】本人確認のお願い: “Apple返金担当" <refund-check@56557zjxr.cc>』
『【iCloud】登録情報のご確認: “Apple本人確認係" <subscription-id@mbuitre.com>』
『【Apple ID】お支払い方法をご確認ください: “Apple ID通知係" <account-service@56557dxbr.cc>』
『【Apple】アカウント返金に関するご案内: “iCloud契約担当" <support-jp@12315svs.cc>』
『【Apple】セキュリティ確認のお知らせ: “Apple返金案内係" <payment-confirm@ameba.jp>』
『【Apple】返金が保留されています: “Apple支払い窓口" <apple-secure@poppen.de>』
『【Apple】返金処理の最終確認: “iCloud利用案内" <verify-cloud@cfoi3899.cc>』
『【重要】決済情報に不備があります: “Apple安全対策室" <icloud-alert@oqaj9712.cc>』
では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam]【Apple】ご利用料金の返金について
送信者:"Appleサポート" <id-notice@binac-tr.cc>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【Apple】iCloud返金処理に関する本人確認のお願い
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつもAppleのサービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび、2025年5月分のiCloudストレージ契約に関し、
ご利用状況とサーバー側の調整により、¥980〜¥1,600相当の返金処理が適用されました。
しかしながら、お客様のApple IDに登録されているお支払い方法に一部不整合が確認されており、
現在返金は保留状態となっております。
───────────────────────
■ 確認が必要な理由
支払い方法の認証エラーまたは有効期限切れ
Apple IDへの異常アクセスが複数回検出されている
セキュリティ基準に基づく返金確認プロセス
■ ご対応期限:2025年6月5日(木)23:59まで
───────────────────────
ご本人様による確認が完了次第、返金処理が正式に反映されます。
以下のリンクより、Apple IDに紐づく支払い情報の確認をお願いいたします。
🔒 支払い情報を確認する
ご対応いただけない場合は、一部のAppleサービスが一時的に制限される可能性がございます。
予めご了承ください。
本件に心当たりがない場合は、このメールを破棄してください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
© 2025 Apple Inc. All rights reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
しかし、あの手この手を使ってクレジットカード情報を盗み出そうと躍起ですね。
今回は、iCloudストレージのサブスク料金が、利用状況とサーバー側の調整により、¥980〜¥1,600相当の返金処理が適用されたとのことですが、Apple IDに登録されている支払い方法に一部不整合があり、返金できな状態だとか。
解消するためにリンクから支払い情報を更新するように促しています。
同じ件名で同じ送信者の物を1通だけにしておけばよいものの、こんなに送っちゃ小学生でもそれとわかりますよね。
それにこのメールの本文中に『Apple ID』と何度も出てきますが、昨年『Apple ID』というサービス名は『Appleアカウント』に名称変更されましたよね。
Apple がサービス名称を間違えてメールを送るなんて考えられません。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『binac-tr.cc』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
もうお分かりですよね?
そうです、Appleが利用するメールアドレスのドメインは『apple.com』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from vmta5.binac-tr.cc (unknown [180.178.35.126])
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
では、試しにここにあるドメイン『vmta5.binac-tr.cc』に関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。
プロテクトされていて詳しくはわかりませんが、このドメインの取得者は、日本の方です。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近です。
最近この香港辺りは、怪しいメール発信地のトレンドです。
宛名を確認
このような大切なメールの冒頭には通常『○◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にAppleからだとすれば、ユーザーの氏名やハンドル名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文の『支払い情報を確認する』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://refud-checks.7dxhvcd3.com/jp?ref=app&ts=174864922561…..】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
当然 Apple のドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地はやっぱり日本です。
割当てているIPアドレスは『104.21.92.169』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。
ああ、なんか以前SBI証券を騙るメールのリンクにもこんな認証がありましたね。
次に進んでみます。
すると開いたのはこのようなページです。
公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
当然、ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となります。
この先のページでこのように返金先としてクレジットカードの情報を求められました。
盗み取られた上で詐欺の被害に遭うことになります。
どうやら返金金額は750円のようですね。
これらを埋めて送信してしまうとその情報は奴らの手に渡り、詐欺の被害にあうことになります。
まとめ
Appleが、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスで、香港からユーザーにメールを送り、カナダのトロント市庁舎付近に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;