『詐欺メール』『【SBIネオモバイル証券】重要なお知らせご確認のお願い』と、来た件
★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★現在、証券会社に成り済ます悪質なメールが大量発生中、資産運用されている方はご注意ください★
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
色々な証券会社があるものですね。
今度は『SBIネオモバイル証券』と言う企業からメールが届きました。
どんな企業かなと調べてみると、一般的には『ネオモバ』と言われているようですね…
いや、ちょっと待って、SBI証券のサイトにSBI証券とSBIネオモバイル証券は2024年1月9日に合併によりSBI証券に経営統合されたとか書いてあるじゃん。
それに末尾に書いてある電話番号『03-6880-1581』は、Search Labs | AIによると『以前はSBIネオモバイル証券の電話番号だったもので、現在はSBI証券の電話番号の一部となっています』とも説明されていますね。
ん~、とても怪しいメールなので、今回も詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 【SBIネオモバイル証券】重要なお知らせご確認のお願い
送信者:info@sbinms.jp <neo_info-Osyo@hotpepper.jp>
拝啓
平素よりご愛顧を賜り、厚く御礼申しあげます。
早速ではございますが、現在当社WEBサイトにログイン後の「あなたへのお知らせ」に、
お客さまのお取引口座に関する【重要なお知らせ】を掲載しております。
至急ご確認のうえ、ご対応くださいますようお願い申し上げます。
なお、ご不明な点等ございましたら、当社カスタマーセンターまでお問い合わせくださいますようお願い申し上げます。
本通知と行き違いにてすでにご対応をいただいておりましたら、失礼の段、何とぞご容赦
くださいますよう、お願い申し上げます。
■ 重要なお知らせを確認する。
h**ps://trade.sbineomobile.co.jp/messageBox/notificati7k3PKY
敬具
——————————————-
※このメールは送信専用のアドレスのため、ご返信いただいてもお答えできません。
あらかじめご了承ください。
——————————————-
株式会社SBIネオモバイル証券 金融商品取引業者
https://www.sbineomobile.co.jp/
TEL:03-6880-1581
営業時間:年末年始を除く平日8:30~17:00
住所:〒106-6019 東京都港区六本木1-6-1
登録番号:関東財務局長(金商)第3125号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会
——————————————-
↑↑↑↑↑↑
本文ここまで
なんか適当な内容のメールですね。
ネオモバのサイトにある『あなたへのお知らせ』に『取引口座に関する【重要なお知らせ】』が掲載されているのでリンクへ行って確認するように促しています。
でもネオモバは1年以上前に消滅したんでしょ?
もし本当にリンクが存在するならそれは幻です。😅
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『hotpepper.jp』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
もうお分かりですよね?
そうです、このドメインはご覧の通り『ホットペッパー』さんのものでネオモバのものではありません。
因みにネオモバが利用するメールアドレスのドメインは『sbineomobile.co.jp』で、まだ生きているようです。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from C202504172395691.local (unknown [103.45.69.158])
経験上、ここに『C』から始まる数字のlocalドメインが記載されているものは全て詐欺メール。
最近このドメインが多く見られます。
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近です。
宛名を確認
このような重要なお知らせに関する大切なメールの冒頭には通常『○◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にネオモバからだとすれば、ユーザーの氏名を知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文にネオモバの公式ドメインを使って直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、当然偽装されていて、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://avtoday.io/video/HNTRS-001】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまたネオモバのドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインを割当てているIPアドレスを『aWebAnalysis』さんで取得してみます。
次にこのドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は香港のようです。
割当てているIPアドレスは『104.21.88.94』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイトではありがちな、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
リンクををクリックしてみると、まずはメーラーのThunderbirdからこのような警告が発せられました。
リンク偽装を喚起するメッセージです。
『かまわず sbinms.ofb65.com を開く』と書かれたボタンを押してみると、すかさずGoogle Chromeにブロックされました。
更に解除して進むとこのようなページが開きました。
中国語でしょうか、何やら書かれていますね。
訳してみるとこのように書いてあるようです。
『このサイトはあなたの地域では利用できません。このサイトを表示するには、VPN 地域を切り替えるか、VPN を使用してください。』
どうやら日本からは閲覧できないように制限されているようです。
まあ何らかの形でサイトを設置したサーバー管理者が、危険を察知して日本からの接続を遮断したのでしょう。
でもウイルスバスターにブロックされたことが、ここには危険なサイトが存在していることを物語っていますね。
まとめ
もう既に存在しない証券会社が、自社のものではないホットペッパーのドメインを使ったメールアドレスで、香港からユーザーにメールを送り、カナダのトロント市庁舎付近に設置されたウェブサーバーにある危険なサイトに誘導するって絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;