『詐欺メール』『「TOBU POINT 春の大還元祭」ポイント進呈日変更および補償申請のご案内』と、来た件

★フィッシング詐欺メール解体新書★
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。
いつもご覧くださりありがとうございます!
☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★現在、偽キャンペーンメールが大量発生中、特にポイント付与メールにご注意ください★
- 件名の見出しを確認
- メールアドレスのドメインを確認
- 宛名を確認
- リンク先のドメインを確認
できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。
前書き
また新たなクレジットカード会社に扮した悪質なメールが届きました。
今度は『東武カード』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。
以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。
メール本文
ここから本文
↓↓↓↓↓↓
件名:[spam] 「TOBU POINT 春の大還元祭」ポイント進呈日変更および補償申請のご案内
送信者: “TOBU CARD" <information@homeexteriorinterior.com>
○◇△様
平素より東武カードをご利用いただき、誠にありがとうございます。
2025年3月18日~19日に発生したシステム障害により、「TOBU POINT 春の大還元祭」にご参加いただいた一部のお客様において、ポイントが正常に付与されない事象が発生いたしました。ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
この影響を受け、当初2025年4月下旬を予定していたポイント進呈日は、2025年5月下旬~6月上旬へと変更させていただきます。
また、障害期間中にお買い物いただき、かつキャンペーンエントリーを完了されたお客様には、お詫びとして5,000ポイントを進呈いたします。
こちらの補償ポイントは、専用申請フォームからのお申し込みが必要となりますので、下記リンクより期日までにお手続きください。
▼補償ポイント申請はこちら
h**ps://tuobucard.ygex57.com/?apply=Gsz03uGVJtKIGIEOHPtI
なお、補償として進呈されるポイントは、通常付与されるTOBU POINTと同様に、TOBU POINT加盟店でのお買い物・飲食・宿泊など、さまざまなシーンでご利用いただけます。
お支払い時には、1ポイント=1円からご利用可能ですので、ぜひお役立てください。
今後は再発防止に努め、より良いサービスの提供に尽力してまいります。
引き続きTOBU POINTをご愛顧賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
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東武マーケティング株式会社(TOBU Marketing Inc.)
東京都豊島区西池袋1丁目10番10号
代表番号:03-5396-6561
Copyright(c) TOBU Marketing Inc.All rights reserved.
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本文ここまで
発生した障害でポイントが正常に付与されない事象が発生したとかで、障害期間中にポイントを付与されなかった方にお詫びとして5,000ポイントを進呈すると言うものです。
但し補償ポイントを受け取るにはリンクの専用申請フォームから申請する必要があるようです。
まず、このキャンペーン『TOBU POINT 春の大還元祭』は実際に3月1日~3月31日まで開催されていたようです。
また、この障害が発生したのも本当のようで、TOBU POINTのオフィシャルサイトではこの件に関して特設ページを設けて告知が行われています。
が、そのお詫びに補償ポイントが付与されると言うのが嘘で、実際は障害を考慮してポイント進呈日を2025年4月下旬 から 2025年5月下旬~6月上旬に変更すると言うのが本当のお話。
しかし上手につなげるものですね。
ただこれが500ポイント程度なら実際にありそうな話で、5,000ポイントを進呈ってのが非現実的です。
件名の見出しを確認
この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
メールアドレスのドメインを確認
送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『homeexteriorinterior.com』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みにTOBU POINTが利用するメールアドレスのドメインは『bb.trinos.jp』で全然違います。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。
Received: from homeexteriorinterior.com (v157-7-141-36.myvps.jp [157.7.141.36])
ここに記載の『myvps.jp』と言うドメインは、『お名前ドットコム』さんが提供するVPNサービスです。
故にこのメールの送信者は、このVPNユーザーですね。
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。
では、試しにドメイン『homeexteriorinterior.com』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。
割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。
次にこのドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者は、日本の方のようです。
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、東京のJR神田駅付近です。
宛名を確認
このメールの冒頭には『 ○◇△様』と『宛名』が書かれています。
でも仮にもしこれが本当にTOBU POINTさんからだとすれば、ユーザーの氏名を知っているはずですからこのような宛名はとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。
リンク先のドメインを確認
さて、本文に直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://tuobucard.ygex57.com/login】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまたTOBU POINTのドメインとは異なるものが利用されていますね。
このドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。
この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は中国の方のようです。
割当てているIPアドレスは『172.67.185.222』
『IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイトではありがちな、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。
公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
当然、ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となります。
この先のページでこのように、更にクレジットカードの情報を盗み取られた上で詐欺の被害に遭うことになります。
まとめ
TOBU POINTが、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスでユーザーにメールを送り、カナダのトロント市庁舎付近に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;