『不審なメール』『補償金に関する重要なお知らせ』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★現在、偽キャンペーンメールが大量発生中、特にポイント付与メールにご注意ください★

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

いつもリンクからクレジットカード情報を盗み出そうとする危険なメールを詳しくご紹介していますが、時々少し訳の分からないメールも届きます。
今回は、リンクを伴わないいつもとは少し異なる不審なメールのご紹介となります。

では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 補償金に関する重要なお知らせ
送信者:"Randall" <no-reply@jsidata.ca>


サン

お元気でお過ごしでしょうか。私の以前の職場に素晴らしい友人がいました。彼から、日本文化における礼儀正しさと敬意の示し方を学び 414;した。その教えは、私にとってとても貴重なものでした。

初めてご連絡させていただきます。私の名前はランダル・ハリスで、アメリカ合衆国財務省に勤務しております。新しい政権の下で財務シ 473;テムの透明性を向上させるため、未処理の給付金に関する案件の見直しを行っている最中に、以前の政権で見落とされていたあなたの150万| 89;ルの補償金案件を発見いたしました。あなたはアメリカ合衆国補償プログラムの認定された受益者であり、150万ドルの補償金を受け取る権࠷ 3;があります。

今回のご連絡は、あなたが以前の部署から連絡を受けているかどうか、そしてなぜまだ受け取っていないのかをお伺いするためです。過去 395;一部の職員が倫理的に問題のある行動を取っていたことがあり、多くの deserving な受益者に影響を及ぼしました。しかし、新しい政権はこれらの問題に真摯に取り組んでいることをご安心ください。

あなたのご意見は非常に重要です。お手数ですが、このメールにご返信いただき、ご自身の案件についての情報を共有していただけますで 375;ょうか?あなたからのフィードバックを通じて、迅速に補償金をお届けできるように努めます。

この重要な件についてご検討いただき、ありがとうございます。迅速なご返信をお待ちしております。ご参考のため、私の身分証明書を添 184;いたします。 ご参照いただけるように、このメールに私の ID を添付しました。添付ファイルをご覧いただき、ご都合のよいときにご返信ください。

敬具

ランダル・ハリス
アメリカ合衆国財務省


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



アメリカ合衆国財務省の『ランダル・ハリス』なる人物からのメールのようです。
ところで、冒頭の『サン』って誰のことでしょうね?
私、そんな名前じゃありませんが…(笑)

どうやら私は、アメリカ合衆国補償プログラムの認定された受益者で、150万ドルの補償金を受け取る権利があるそうです。
本日のレートが約1ドル=150円なので換算すると225,000,000円…あはは、私、億万長者だわ😅
って、誰がこんなのに騙されますかって!(笑)
これはどうやら、アメリカが新政権になったことに便乗した詐欺メールのようですね。
添付ファイルを見るように書かれていますが、ファイルなんかどこにも見当たりません…💦

このメールの本文、所々意図的に一部の文字を記号や数字に置き換えています。
これはおそらくワードサラダと呼ばれる手法で、受信サーバーに備わったこういった怪しいメールを振り分けるスパムフィルターを混乱させて、フィルターを通過させようという試みです。

後半に『この重要な件についてご検討いただき、ありがとうございます』と書いてありますが、誰も検討なんてしていないし、検討しているかどうかなんてメールではわからないでしょ(笑)
このように一方的に勝手にお礼を書くのは、こういった怪しいメールでは時々見かけます。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
このメール、いくつもワードサラダを使っていましたが、残念ながらうちのサーバーは騙せなかったようです。


メールアドレスとドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスは『no-reply@jsidata.ca』
この『no-reply(ノーリプライ)』は、返信付加の意味で、受信者が送信者に返信できないように設定されたメールアドレスのことです。
メールの末尾に『ご都合のよいときにご返信ください』と書いてあるのは幻で錯覚なのでしょうか?😂

使われているドメインは『@jsidata.ca
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』と『Reply-Toフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがそれらのフィールドです。


Received: from [80.76.49.29] (helo=jsidata.ca)
Reply-To: randall@frsfinance.us


先に、Reply-Toフィールドから。
このReply-Toはこのメールに設定されている返信先です。
通常は、送信者のメールアドレスとなりますが、上で書いた通り送信者のアドレスは no-reply でしたから返信できないアドレスでしたよね。
でもどうして送信者は、このように返信先を隠しているのでしょうね?

次にReceivedフィールド。
ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません

では、試しにドメイン『jsidata.ca』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる『jsidata.ca』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。

ならば Reply-To にあった『frsfinance.us』はどうでしょうか?

やはりこちらも全然異なりますね。
この結果から、このメールに返信してもメールが送信されることはなく、迷子メールで戻ってきていしまいます。

次にこのReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレス『80.76.49.29』からメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、米国のシコーカス付近でした。


まとめ

私が追跡できるのはここまで。
この送信者の意図はよくわかりませんが、まあ単なる愉快犯の仕業でしょうね。

でも恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;