『詐欺メール』『【東京ガス】お客様の支払い方法の状況についてのお知らせ』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

『東京ガス』を装う怪しいメールも最近多く見られ、そのほとんどがガス料金の滞納に関する督促メールを騙るものです。
今回もその『東京ガス』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
さて今回はどのような内容なのでしょうか。
早速詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 【東京ガス】お客様の支払い方法の状況についてのお知らせ
送信者:"東京ガス" <members.tokyo-gas.mailvG40@orange.es>


東京ガス お客さまセンター | 0570-002211
お支払い方法の更新が必要です
注意: ご登録の支払い方法が無効になりました。
考えられる原因:

口座の残高不足
クレジットカードの有効期限切れ
カード会社による取引制限
お支払い方法の更新が必要です。以下のリンクから最新の支払い方法をご確認・更新してください。

支払い方法を確認・更新する
東京ガス株式会社 | 〒105-8527 東京都港区海岸1-5-20


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



これらの怪しいメールは、どこからか流出したメールアドレスのリストを非合法に入手し、あのアドレスに対して無差別にこのようなメールを送り付けます。
なので、送信先が個人であろうが企業であろうが、北海道に住んでいようが沖縄に住んでいようが、そんなことはお構いなしです。
東京電力を騙るメールもそうですが、この東京ガスを騙るメールもその管轄地域であろうがなかろうが関係なく送られてきます。

今回は、ガス料金の支払いに利用していた支払い方法が何らかの原因で無効になっているので、リンクをたどって支払い方法を更新するように促すものです。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『orange.es
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みに東京ガスが利用するメールアドレスのドメインは@tokyo-gas.co.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。


Received: from C202503202172381.local (unknown [192.253.237.149])


経験上、ここに『C』から始まる数字のlocalドメインが記載されているものは全て詐欺メール。
最近このドメインが多く見られます。

ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません
ドメイン『orange.es』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる『orange.es』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近であることが分かりました。
これもReceivedフィールドに『C』から始まる数字のlocalドメインが記載されているものの特徴です。


宛名を確認

このような利用料金の支払いに関する大切なメールの冒頭には『○◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当に東京ガスからだとすれば、ユーザーの氏名を知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『支払い方法を確認・更新する』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
h**ps://members.tokyo-gass.pkjbaqw.shop/%EF%BF%A5oshgx80.2%E5%86%86/#https://members.tokyo-gas.co.jp/YctKhbkg
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた東京ガスのドメインとは異なるものが利用されていますね。

先程と同様に『aWebAnalysis』さんでこのドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。

このドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。

『Registrant Organization』には『Super Privacy Service LTD c/o Dynadot』と記載されています。
これは、米国のドメインレジストラ『Dynadot』が提供するドメインプライバシー保護サービスで、このサービスを利用すると、ドメインの登録者の各種情報(名前、住所、電話番号、メールアドレスなど)が公開されるのを防ぐため、その代わりにこのように、Super Privacy Service LTD c/o Dynadotの情報が表示され、スパムや不正アクセスからの保護が強化することができます。
半面最近は、このサービスが藪蛇(やぶへび)になりこういったサイバー犯罪の温床とされることが多く見られます。

割当てているIPアドレスは『185.242.234.230
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、先ほどとは異なるものの再び香港付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。

公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。

適当な番号で進んでみます。

この時のブログでご紹介した偽サイトと全く同じでページですね。
『すぐに支払う1780.2円』って倒置法ですか?(笑)
更には『ガス料金請求書には、まだ支払いが完了していない金額があります』なんてのも不自然で違和感があります。
どうやら犯人は日本の方ではないようですね。
なんてその時と同じこと書いてみたりして(笑)

ボタンを押してみると次に開いたのはこちらのページ。

ほらやっぱりクレジットカード情報を入力する画面が開きました。
危ない危ない!💦


まとめ

東京ガスが、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスで、香港からユーザーにメールを送り、更には香港に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;