『詐欺メール』『【重要】JCBカードの安全確認が必要です』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

2月初旬に中国・中華圏における旧暦の正月である春節を迎え、こういった怪しいメールは急減していましたが、春節が明け1か月半が過ぎた今、またあの怒涛のメール攻撃が始まりました。
また今年も枯れることのないネタでブログを書く続けることができます。(笑)
今回は、『JCBカード』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。
では詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 【重要】JCBカードの安全確認が必要です 9S-0692878042)
送信者:"J͎CBカード" <w5wo5mms2@vmfx.com>


【重要】JCBカードの安全確認が必要です。

お客様各位

平素よりJCBカードをご利用いただき、誠にありがとうございます。

お客様のカード利用状況に関して、通常とは異なる取引が検出されました。

【ご注意】
このまま確認が行われない場合、安全のためカードのご利用が一時的に制限される可能性がございます。
速やかにご確認をお願いいたします。

以下のボタンをクリックし、JCB公式サイトにて認証手続きを完了してください。

認証手続きを進める

※ご不明な点がございましたら、JCBカスタマーサポートまでお問い合わせください。
本メールはJCBセキュリティセンターより自動送信されています。返信は受け付けておりません。

お問い合わせにつきましては、JCB公式サイトからご連絡ください。

© JCB株式会社 Co., Ltd. All Rights Reserved.


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



『通常とは異なる取引が検出されました』ってのは、怪しいメールの常套句。
意図しないカード利用を演出し、偽サイトに誘い込んでカード情報を盗み出そうとするものです。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『vmfx.com
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みにJCBカードが利用するメールアドレスのドメインは@jcb.co.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。


Received: from vmfx.com (dynamic-186-249-31-25.telecominternet.net.br [186.249.31.25])


ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません
ドメイン『vmfx.com』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
このドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる『vmfx.com』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、ブラジルのサンパウロ付近であることが分かりました。


宛名を確認

このメールの冒頭には『お客様各位』と『宛名』が書かれています。
なんかこれじゃ一斉メールのようですよね。
でも仮にもしこれが本当にJCBカードからだとすれば、ユーザーの氏名を知っているはずですからこのような抽象的な宛名はとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『認証手続きを進める』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
h**ps://smqidasfd.com/jcb/
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまたJCBカードのドメインとは異なるものが利用されていますね。

先程と同様に『aWebAnalysis』さんでこのドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。

割当てているIPアドレスは『124.156.225.221
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイトではありがちな、東京都杉並区付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進むと開いたのは『Dear users, we regret to inform you that our website has officially ceased operations. Thank you for your support and understanding.』とだけ書かれた真っ白なページ。
翻訳してみると『ご利用の皆様、誠に申し訳ございませんが、弊社ウェブサイトは正式に運営を停止いたしました。 ご理解とご協力に感謝申し上げます』
恐らくこのサイトを設置したレンタルサーバーがその危険を察知して削除したものかと思います。
ウイルスバスターにブロックされたことは、以前ここに危険なサイトが設置されていたことを物語っています。


まとめ

JCBカードが、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスで、遠くブラジルのサンパウロ付近からユーザーにメールを送り、ウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;