Appleなのに『Bitly Connections Platform』のドメイン 2月上旬は1年で一番寒い時期。 ここに来て日本列島は、数年に一度の有るか無いかの寒波が襲来するとメディアが大々的に伝えており、ここ名古屋付近も今朝は小雪が舞う寒い朝となりました。 さて今回は、『iCloud』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。 件名:[spam] iCloudストレージの使用容量がもう少しで上限に達します。 送信者:”iCloud” <K2gx.applestore.updateservice.mailK2gx@e.bitly.com> | iCloudチームよりお知らせ iCloudストレージの使用容量がもう少しで上限に達します。残りのストレージ容量は15.8MBです(合計容量:50GB)。 月額¥450で200GBのiCloud+にアップグレードする iCloudストレージは、iCloud写真およびiPhone、iPad、iPod touch上の重要なデータを安全かついつでも利用可能な方法で保存するために使用されており、たとえデバイスを紛失してもデータは失われません。iCloud DriveやKeynote、Pages、NumbersなどのアプリもiCloudストレージを使用しており、ファイルをどこからでも最新の状態で利用することができます。 iCloudの利用、および、写真、書類、連絡先などのバックアップを続けるには、iCloud+にアップグレードするまたは、ストレージの使用容量を減らす必要があります。 今後ともよろしくお願いいたします。 iCloudチーム 重要: 使用容量がストレージプランの上限を超えると、新しい写真とビデオがiCloud写真にアップロードされなくなり、デバイスもiCloudにバックアップされなくなります。また、iCloud DriveおよびiCloud対応アプリも、すべてのデバイス間で更新を停止します。 | 敵も色々と考えるもので、今度は Apple の iCloud の使用容量が上限に近づいたので有料のプランに変更するように呼び掛けるメールです。 ってか、私、ずいぶん以前に既にアップグレード済ですが…(^^;) 件名の見出しを確認 この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 メールアドレスのドメインを確認 送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『e.bitly.com』 ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。 このドメインは、短縮URLなどのサービスを行っている『Bitly Connections Platform』さんのもので Apple や iCloud のものではありません。 故にこのメールは偽物と言うことになります。 では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。 こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。 Received: from C20250204142849.local (unknown [118.107.17.111]) | このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を導き出してみると、香港の Sheung Wan 付近であることが分かりました。  リンク先のドメインを確認 さて、本文の『月額¥450で200GBのiCloud+にアップグレードする』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。 【h**ps://www.paijapdy.biz.in/japs/shop/】 (直リンク防止のため一部の文字を変更してあります) これまた Apple や iCloud のドメインとは異なるものが利用されていますね。 まずはこのドメインについて『Whois』さんで確認してみましょう。  『Registrar Information』に『Dynadot LLC』とありますね。 この Dynadot は、ドメイン登録、ウェブホスティング、ウェブサイト構築ツールなどを提供するアメリカの企業です。 この中には、無料でドメインを貸し出すサービスも展開しており、この敵は姑息にもその無料版のドメインを使用したようです。 『aWebAnalysis』さんでこのドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。  このIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、今度は香港の火炭付近であることが分かりました。  リンクを辿ってみると、このようなページが開きました。  Appleへのログイン画面ですね。 もちろん偽のコピーサイトなので絶対にログインしてはいけません! ここに書かれている通り2024年6月初旬に『Apple ID』は『Apple Account』に移行されましたが、そう書かれているにも関わらずこのページにはでかでかと『Apple ID』と書かれています。 因みに本物のログインページでは『Apple Account』に書き換えられています。 当然、ここにログインしてしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となります。 この先のページで、有料プランへの更新と称し更に個人情報やクレジットカードの情報を盗み取られた上で詐欺の被害に遭うことになります。 |