3Dセキュア2.0の導入をネタにする詐欺メール いつもご覧くださりありがとうございます! 最近『3Dセキュア(本人認証サービス)』をネタにした詐欺メールが多く見られます。 この3Dセキュアは、クレジットカードなどを利用してインターネット上で決済をする際に、本人認証を行うことで不正利用を防ぐ仕組みです。 なぜ最近このように3Dセキュアをネタにした詐欺メールが多いのかと言うと、先日経済産業省より、2025年3月を目処に3Dセキュア2.0の導入を義務化することが発表され、現在ロれに向け各事業者様は対応を迫られているからです。 今回届いたのは『e-Orico株式会社』の名を騙る者でメール本文はこのように書かれています。 件名:[spam] 『重要/要返信』本人確認(3Dセキュア)が未完了のお客様へ 送信者:”e-Orico株式会社” <auth-orico@sEJw.net>「本人認証サービス(3Dセキュア)ワンタイムパスワード」ご登録のお願い ネットショッピングでのカードの不正利用被害が増えています。 ご利用の際に、本人認証として「ワンタイムパスワード」をご入力いただくことで、第三者の「なりすまし」による不正利用を防止します。 まだご登録のないお客さまは、今すぐご登録ください。ご登録のない場合、本人認証サービスを導入しているインターネット加盟店でのカード利用ができなくなる場合がございますのでご注意ください。 ▼本人認証サービスのご登録や登録内容の確認はeオリコから 本人確認手続きを行う ■ 対象カード: カード番号の先頭4桁が3583、4937、5248のカードが対象 Orico提携/エンタメ系カード ※パスワード通知先は、携帯電話番号(SMS)またはメールアドレスとなります。 ※ワンタイムパスワードを確実にお送りするため、ご登録の際はお間違いのないようにご注意ください。 ========== 本メールは重要なお知らせのため、配信停止はできません。 カードのお申込み時期によっては、カードがお手元に届く前に本メールをお送りする場合がございます。 本メールは配信専用のアドレスからお送りしております。 本メールに返信いただいても、お問合せにお答えすることができません。 ========== 株式会社オリエントコーポレーション 〒102-8503 東京都千代田区麹町5-2-1オリコ本社ビル | 対象のカード番号をお持ちの方はリンクから本人認証として『ワンタイムパスワード』の設定を行うように促しています。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 大文字小文字の混在するドメイン 送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は”sEJw.net” あれ?大文字と小文字が混在しているドメイン??? 確かドメインに大文字小文字の認識は無いはずです。 ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。 ChatGPTで確認するとオリコカードが利用するドメインは『@orico.co.jp』と教えていただきました。 故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いたオリコカードからのメールは全て偽物と言うことになります。 では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。 こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。 Received: from C20241225151602.local (unknown [118.107.17.79]) | このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を導き出してみると、香港の『Sheung Wan』付近であることが分かりました。  詐欺サイトは既に遮断 さて、本文の『本人確認手続きを行う』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。 【h**ps://auth-orico.yyzpq.com/scripts/eorico-login】 (直リンク防止のため一部の文字を変更してあります) これまた『オリコカード』のドメインとは異なるものが利用されていますね。 『Grupo』さんでこのドメインに関する情報と割当てているIPアドレスを取得してみます。  このドメインは中国湖北省の方が中国福建省厦門市にある『eName Technology Co.,Ltd.』と解して取得されています。 このIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、香港の『火炭』付近であることが分かりました。  最近香港絡みの詐欺メールや詐欺サイトが多く見られます。 リンクを辿ってみましたが『404 Not Found』と書かれた真っ白なページが開きました。 恐らくこのサイトをレンタルしているホスティングサービスが危険を察知して接続を遮断したものと思われます。 |