そんなキャンペーンやってないし
いつもご覧くださりありがとうございます!
三井住友カードから『Vポイントでんき』に関するキャンペーンメールが届きました。
ちょっと大きなキャプチャーですが、ご了承を…
『抽選チケット進呈』って日本語としてどうかと思いますが、まあそれは良いとしてこのメール、もらえるポイントは2,000ポイント何か5,000ポイントなのかそれとも10,000ポイントなのかどれが正しいのでしょう?
まあ詐欺メールなのでどれも不正解なのでしょうけど、実際にこのようなキャンペーン行われているのか調べてみると、Vポイントでんきのオフィシャルサイトでは、現在は2024年11月30日までの期間限定で契約特典として3,000ポイントが進呈されると書かれていました。
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきます。
件名は『[spam] 【抽選チケット進呈】5,000ポイントがすぐチャン!VポイントPayギフトがその場で当たる』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は『"三井住友カード" <ndwab@kplg.jp>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
ところで”kplg.jp”ってドメインは誰のドメインなのでしょうね?
『三井住友カード』さんが利用するドメインは以下の4つ。
vpass.ne.jp
contact.vpass.ne.jp
smbc-card.com
smbcgroup-point.jp
少なくとも”kplg.jp”ではないようです。
”kplg.jp”もなんちゃってだった
では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。
Received:『from kplg.jp (x85-131-239-61.static.xvps.ne.jp [85.131.239.61])』 |
ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。
”from kplg.jp”と書かれているにも関わらず( )内には”static.xvps.ne.jp”と別のドメインが書かれていますね。
こうなると差出人のドメイン”kplg.jp”も怪しくなってきます。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くしたものがドメインと呼ばれるものです。
”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すればメールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
では、メールアドレスにあったドメイン”kplg.jp”が差出人本人のものなのかどうかを『Grupo』さんで調べてみます。
これがドメイン”kplg.jp”の登録情報です。
これによると”133.130.64.128”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来このIPは”Received”のIP”85.131.239.61”と同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるのでこのメールのドメインはやはり”kplg.jp”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です!
”Received”に記載されているIPアドレスは、差出人が利用したメールサーバーの情報でこれを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を『IP調査兵団』さんで確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
代表地点として地図に立てられたピンの位置は、JR神田駅付近。
あくまで大雑把な代表地点なのをお忘れなく。
そして送信に利用されたプロバイダーは『GMO Internet, Inc.』
そしてホスト名には”www19.gmoserver.jp“とまた別のドメインが記載されていますね。
このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバーを介して届けられたようです。
リンク先は本物そっくりの偽サイト
では引き続き本文。
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このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『詳細を見る』って書かれたところに付けられていて、
そのリンク先をコンピュータセキュリティブランドのトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』で検索するとその危険度はこのように評価されていました。
既に『フィッシングサイト』としてしっかりブラックリストに登録済みですね。
このURLで使われているドメインは”vpas-netouz.com”とこれまた三井住友カードさんの物とは全く異なるもの。
このドメインにまつわる情報を『aWebAnalysis』さんで取得してみます。
このドメインを割当てているIPアドレスは”45.221.97.76”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を再び『IP調査兵団』さんで確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
代表地点として地図に立てられたピンの位置は、南アフリカのヨハネスブルグにあるサントン付近。
こちらもあくまで大雑把な代表地点でございます。
利用されているホスティングサービスは『Bluegate Exchange』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
トレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での危険度評価からすると、リンク先の
詐欺サイトは、どこからもブロックされることなく無防備な状態で放置されていると思われます。
そんなサイトに、調査を目的で安全な方法を利用して訪れてみることにします。
危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。
これはまたVポイントの別のキャンペーン『すぐチャン』のパクリページですね。
見分けが付かないほどの本物そっくりのログインページです。
試しに『ログインして参加』と書かれた赤いボタンを押しれリンクを辿ってみます。
これまた三井住友カード会員向けインターネットサービス『Vpass』のログインページにそっくりのページが開きましたね。
ドメインが”vpas-netouz.com”のままなのでもちろん詐欺サイトです。
ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで詐取されることでしょう。
まとめ
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;
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