サイトアイコン HEARTLAND

『詐欺メール』『ビッグチャンス:20000円相当の現金券をゲットしよう!』と、来た件

チケット販売サービス関連の詐欺メール
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。

★フィッシング詐欺解体新書★

宛名がメールアドレスは要注意!

いつもご覧くださりありがとうございます!

遅ればせながら先週後半に遅めの梅雨入りを果たした東海地方。
いよいよ大嫌いなジメジメ季節が始まりました。
こちらもジメジメしたお話で恐縮ですが、例によってメールのお話を今回も進めていきましょう。
今回ご紹介するのはこちらの『チケットぴあ』を騙るメール。

最近このようなクーポン配布を謳った詐欺メールが横行していますね。
数日前にもこのようなチケットぴあを騙った詐欺メールをご紹介したばかり。
上のキャプチャー画像を見ての通り、この時とリンク先は同じです。
先回も『現金券』なんて生々しいクーポンでしたが
今回は更に生々しく『価値20000日本円の現金券』と
何ともあ怪しい表現のクーポンの配布となっています。

でもこのメールの差出人って”no_info@pia.co.jp”と
ちゃんとチケットぴあの公式ドメインを使ったメールドレスで
送ってきているから本物じゃないの?

いやいやお母さん、本文冒頭の宛名がメールアドレスになっているでしょ?
これ、詐欺メールの『あるある』
詐欺メールの場合、差出人はどこかで入手した流出メールアドレスリストを元に
メールを送っているので、詐欺犯はこちらの情報をメールアドレスしか知らないから
いつも宛名はメールアドレスになるんです。

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきます。

件名は『[spam] ビッグチャンス:20000円相当の現金券をゲットしよう!』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
『”pia” <no_info@pia.co.jp>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

確かに”pia.co.jp”は『チケットぴあ』の公式ドメイン(@より後ろ)ですが騙されてはいけません。
これはウソで偽装されているメールアドレスです。
じゃどうしてこのメールアドレスが偽装と断定できるのか。
その辺は次の項でじっくり調査していくことにしましょう。


この差出人、他の詐欺にも加担?!

では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

Received:『Received: from kokuzei-noufu.info (unknown [31.13.248.73])』

ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。

おやおや?
本来ならここに表示されるドメインも『チケットぴあ』の
公式ドメイン”pia.co.jp”でなければなりませんが
ここには”kokuzei-noufu.info”なんて国税局を連想させるような
怪しげなドメインが見えてきましたよ。

末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。

Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは
送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。

このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、まずはメールアドレスにあったドメイン”pia.co.jp”が差出人本人のものなのかどうかを
』さんで調べてみます。

これがドメイン”pia.co.jp”を割当てているIPアドレスの情報です。
これによると”202.214.74.78”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来このIPは”Received”のIP”31.13.248.73”と同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので
このメールのドメインは”pia.co.jp”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です!

では今度は”Received”に記載されていた国税局を連想させるような”kokuzei-noufu.info”について
Grupo』でIPアドレス以外の情報も確認してみます。

このドメインを割当てているIPアドレスは”31.13.248.73”で”Received”のものと合致したので
この差出人の本当のメールアドレスのドメインはこの国税局を連想させるような”kokuzei-noufu.info”で確定!

むむっ、どうやらこの差出人はこれ以外にも国税局をネタにした
詐欺メールにも手を染めているようですね!

Received”に記載されているIPアドレス”31.13.248.73”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を『IP調査兵団』さんで
確認してみます。

(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)

代表地点として地図に立てられたピンの位置は、ブルガリアの首都であるソフィア付近。
あくまで大雑把な代表地点なのをお忘れなく。
そして送信に利用されたプロバイダーは米国デラウェア州に拠点を置く『Baxet Group Inc.』

ということはこのメールはこのメールは、ソフィア付近に設置されたデバイスから発信され
『Baxet Group Inc.』のメールサーバーを介して私に届けられたようです。

ここから先はリンク先の調査となりますが先回の調査と全く同じでしたので
こちらのブログエントリーの後半をご覧ください。
https://ymg.nagoya/spam-mail-2053/

 


まとめ

チケジャム、イープラス、チケットぴあとチケット販売サービスユーザーを狙った詐欺メールが
横行していますのでこれらをご利用の方は注意が必要です。
高額クーポンがもらえるなんてそんな甘いお話なんてこのご時世あり得ませんからね!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;


モバイルバージョンを終了