「削除れ」って…(汗)ちょっとおバカなメルカリを名乗るメールが届きました。 
「このアカウントは 2 0 2 2年 4 月 1 日(金)に削除れ」ってどういう意味なんでしょうか? もしかして4月1日にアカウントが削除されたって事でしょうかね??(笑) では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] 【重要なお知らせ】メルカリの緊急の連絡、情報を更新してください。メール番号:M80957」 末尾のメール番号は、フィッシング詐欺メールお得意のヤツ。 このメールに信憑性を持たせるためのものでしょうけど、もう最近じゃ逆に違和感でしかありません。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「”メルカリ” <hvjjixz@service.ggtj8z.cn>」 「メルカリ」さんには、れっきとした”mercari.com”ってドメインをお持ちです。 それなのにこのような”service.ggtj8z.cn”なんて中国のトップレベルドメインを使った メールアドレスで大切なユーザーにメールを送るなんて絶対にあり得ません!
アドレス偽装は無しでは、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「<hvjjixz@service.ggtj8z.cn>」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「<20220426010104276006@service.ggtj8z.cn>」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from service.ggtj8z.cn (unknown [107.174.144.147])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
まずは、”service.ggtj8z.cn”について情報を取得してみます。 
持ち主は、私では読めない文字を含む漢字3文字の氏名の方で、既にお亡くなりになりましたが、 昔料理の鉄人に出ていた中国料理の鉄人と同じ苗字です。 ”107.174.144.147”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 ”Received”に書かれているのも”107.174.144.147”ですから全く同じ。 メールアドレスの偽装はありませんでした。 ”Received”のIPアドレス”107.174.144.147”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 
ピンが立てられたのは、「カナダオンタリオ州ハミルトン」付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
「更新 をクリックします」なんて言います?では引き続き本文。 前回のメールで確認が取れなかったため、このアカウントは 2 0 2 2年 4 月 1 日(金)に削除れ アカウントを引き続き使用する必要がある場合は、時間内に情報を更 新してください。アカウント所有権の証明をご自身で行う場合は、メルカリ 管理コンソールにログインし、所定の手順でお手続きください。 |
もう違和感と不審感しか湧かないこの本文。 これで騙されたら騙される方も悪いと思うしかありません! このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは「更新 をクリックします」って書かれたところに張られていて、リンク先の URLがこちらです。 
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。 
このように既に危険サイトと認識されており、カテゴリは「フィッシング」と書かれています。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”tiny-darkness-7881.patriciakseidlw69.workers.dev” このドメインにまつわる情報を取得してみます。 
持ち主は、アメリカの「101domain」ってレジストラ。 このドメインを割当てているIPアドレスは”104.21.36.120” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 
ピンが立てられのは、カナダのトロント旧市役所付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。 安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。 が、真っ白なページが何度も何度も読み込まれる仕組みのページでCPUの稼働率が高くなるので すぐに閉じてしまいました。
まとめなんとなく使われているフォントも中華フォントでこれにも違和感を覚えます。 ま、私はどっちにしろメルカリ会員ではないので騙されたくても騙されませんが いくらなんでもこのメールに騙される方はいないとは思いますが、一応ご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |