24時間待つのかそれとも制限解除していいのか?
いつもご覧くださりありがとうございます!
私、忙しい仕事の合間を縫い北の大地で英気を養ってまいりました。
そのおすそ分けと言っては何ですが、芝桜が満開でしたのでその写真を掲載させていただきます。
さてそんなのどかな話題はよそに、不在中にも相変わらずたくさんの詐欺メールが届いており
今朝はその選別に汗を流しています。
そんな中、このような『メルカリ』を騙る偽メールを発見しましたので早速ご紹介空いておこうと思います。
これによるとどうやら私のメルカリアカウントで不正利用が発見されたとか
それが原因で現在利用制限されていると書かれています。
24時間以内に改めて連絡入れるらしいのでしばらく待つようにとのこと。
でも、それにもかかわらず、制限を解除したい場合は、以下をクリックしろと…
何かおかしくないですか?
だって次の連絡まで24時間待たなきゃならないはずなのにその次の行ではもう解除を促しているって…(笑)
それにこのメールの差出人、メルカリなのかメルペイなのかどちらから送られてきたものなのか
さっぱり分かりませんね…
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきます。
件名は『[spam] 【メルカリ】ご利用状況を確認中のためお待ち下さい』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
ここにもしっかりと『確認中のためお待ち下さい』と書いてあるじゃないですか!
それなのに解除なんてできるんでしょうか?
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
『"メルカリ" <admin@qqxfdvhgjku.com>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
メルカリ会員の方ならもうお分かりのことと思いますが、メルカリからの連絡メールで使われる
ドメインは”mercari.jp”
ここにあるような”qqxfdvhgjku.com”なんてメルカリを全く連想させないドメインではありません!
IPアドレスが割当てられていないドメイン。
では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。
Received:『from qqxfdvhgjku.com (unknown [45.61.62.119])』 |
ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。
”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは
送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
では、メールアドレスにあったドメイン”qqxfdvhgjku.com”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。
これがドメイン”qqxfdvhgjku.com”の登録情報です。
これによると『対応するIPアドレスがありません』ってことなのでこのドメインはどのIPアドレスにも
割当てられていないもので、実際に利用することは不可能。
故にこのメールのドメインは”qqxfdvhgjku.com”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です!
”Received”に記載されているIPアドレス”45.61.62.119”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
地図に立てられたピンの位置は、ニューヨークのマンハッタン地域。
そして送信に利用されたプロバイダーはイスラエルに拠点を置く『Kamatera, Inc.』
このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー
を介して私に届けられたようです。
シンガポールで運営されていた詐欺サイトとは?
では引き続き本文。
いつもご利用いただきありがとうございます。
このたび、お客さまのアカウントにて不審な取引を確認したため、サービスまたは一部取引の進行を一時的に制限いたしました。
お客さまご自身の利用であり、取引の安全性が確認でき次第、利用制限を解除いたします。
大変恐れ入りますが、24時間以内に改めてご案内いたしますので、しばらくお待ち下さい。
制限を解除したい場合は、以下をクリックしてください。
メルカリ サインイン
突然のお知らせでご不便をおかけいたしますが、みなさまに安心・安全にご利用いただくための対応となりますので、何とぞご理解とご協力の程よろしくお願いいたします。 |
このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『メルカリ サインイン』って書かれたところに付けられていて
コンピュータセキュリティブランドの『Norton』の『Nortonセーフウェブレポート』では
このように判定されていました。
はっきり危険とは分析されていないようで、現在のカテゴリーは『疑わしい』とされています。
これでは危険なので早急に評価を変更していただけるように私から変更の申請を行っておきます。
このURLで使われているドメインは”jp.liseht.com”と、これまたメルカリとは程遠いドメイン。
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
このドメインは、中国北京の方が申請取得されています。
割当てているIPアドレスは”159.223.32.205”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
地図に立てられたピンの位置は、シンガポールのPioneer地域。
利用されているホスティングサービスは、アメリカに拠点を置く『DigitalOcean』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
『Nortonセーフウェブレポート』での危険度評価からすると、リンク先の詐欺サイトは
どこからもブロックされることなく無防備な状態で放置されていると思われます。
そんなサイトに、調査を目的で安全な方法を利用して訪れてみることにします。
真ん中に警告メッセージの書かれていて『制限解除』ボタンのあるページが開きました。
ここでメルカリへのログインと称しアカウントとパスワードを入力させそのアカウントを盗み出し
盗み出したアカウントを不正利用するのがこのメールの目的です。
メルカリ会員の方はくれぐれも騙されないようにお気を付けください。
まとめ
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |