会社員にこのようまメール送られてもね
いつもご覧いただきありがとうございます!
今日は国の機関を騙る詐欺メールが多いようで今度は国税庁を騙る詐欺メールが届きました。
なんか冒頭から『記載されてる方法で直ちに全額を』なんて中途半端に文章が切れていて
怪しさしかありません。
私は会社員なのでもし本当に税金の支払いが滞っているとしたらそれは私が勤めている会社の失態!
直ぐに担当者に連絡する必要があります!
ではこのメール、誰ば何の目的で送り付けてきたのかを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきます。
件名は『[spam] 【重要】国税電子申告・納税システム』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
『"国税庁" <account-update@mvs863.com>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
国の行政機関には国から与えられたドメインがあり、それ以外のドメインを利用することは
許されていません。
因みに国税庁に与えられたドメインは”nta.go.jp”
でもこのメールアドレスに利用されているのはそれとは全く異なる”mvs863.com”なんてもの
これじゃ信じろと言われても全く信じることはできません。
だいたい”account-update”なんてアカウント名もおかしいですけどね!
アメリカのアッシュバーンから発信
では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。
Received:『from mail4.mvs863.com (unknown [75.127.9.151])』 |
ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。
”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは
送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
では、メールアドレスにあったドメイン”mvs863.com”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。
これがドメイン”mvs863.com”の登録情報です。
これによると”192.3.254.155”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来このIPは”Received”のIPと同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので
このメールのドメインは”mvs863.com”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です!
”Received”に記載されているIPアドレス”75.127.9.151”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に危険性や送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
このIPアドレスを元に割り出した危険度は『脅威レベル:高』
その詳細は『サイバーアタックの攻撃元』表示とされています。
地図に立てられたピンの位置は、アメリカバージニア州のアッシュバーンとう言う街付近。
そして送信に利用されたプロバイダーは、カナダに拠点を置く『HostPapa』です。
このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー
を介して私に届けられたようです。
これ以外にも詐欺を?!
では引き続き本文。
【重要】国税電子申告・納税システム
あなたが納税すべき国税等につきましては、いまだ納められていません。以下のリンクをアクセスし、記載されてる方法で直ちに全額を
⇒お支払いはこちら
また既に金融機関等で納税された場合も必ずご連絡ください。期限までに納税の確認ができない場合、(国税通則法37条) により財産を差し押さえます。なお、指定期限にかかわらず、緊急を要する場合等には差押えを執行することがあります。
〇指定期限:2024年5月18日まで
この期限までに納付の確認ができない場合には滞納処分が執行されます
————————————————————————————————
(連絡事項)
滯納金合計: 2206円
最終期限: 2024年5月18日(支払期日の延長不可)
※ 本メールは、「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」にメールアドレスを登録いただいた方へ配信しております。
なお、本メールアドレスは送信専用のため、返信を受け付けておりません。ご了承ください。
—————————————————————— |
※本文をそのままコピペしているので文字化け等はご容赦ください。
あれ?滞納の滞って漢字ちょっと変…(・・;)
このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『⇒お支払いはこちら』って書かれたところに付けられていて、
そのリンク先は、コンピュータセキュリティブランドのトレンドマイクロの
『サイトセーフティーセンター』での危険度はこのように評価されていました。
やばいやばい!
詐欺サイトがこのような評価じゃとても危険!
早急に評価を変更していただけるように私から変更の申請を行っておきます。
このURLで使われているドメインは”xq16w.net”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
このドメインは、メキシコ中西部にある都市のアグアスカリエンテスから申請登録されていますね。
割当てているIPアドレスは”101.36.105.87”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
地図に立てられたピンの位置は、杉並区の日本大学鶴ヶ丘高等学校総合グラウンド付近。
利用されているホスティングサービスは、香港の『Ucloud Information Technology (Hk) Limited』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
何やらコメント付けられていますね。
どうやらこのIPアドレスのサーバーでこれ以外にもヨドバシ・ドット・コムの詐欺も報告されています。
危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。
すると開いたのはこのような国税庁のサイトを模したページ。
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こういったサイトをコピーすること自体が犯罪なのですがコイツらは分かってやっているのでしょうか?
これ以上深追いはしませんが、次に進むと個人情報を入力させられた上で、クレジットカードからの納税を
指示されそのカードの情報を盗み取られることでしょう。
まとめ
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |