開封確認を求める不思議な詐欺メール
いつもご覧いただきありがとうございます!
メーデー2本目の詐欺メールでございます。
今度は、楽天カードの名を騙ってこのようなメールが送られてきました。
楽天カードを名乗っている割にメールアドレスにもリンクのURLにも楽天の欠片も無いドメインが
使われていて、一目でそれと分かる内容です。
最近ちょくちょく見掛られるんですが、赤枠で囲った通りこのメールは開封確認を求めてきています。
このような詐欺メールなのになぜに開封を確認したいのでしょうか?
そんなに見たかどうか知りたいのでしょうか?
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきます。
件名は『【重要】楽天カードご利用のお知らせ:決済一時停止のご案内』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
差出人は
『amz@ml475.com』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
アカウント名が”amz”なんてAmazonを彷彿とさせるようなものが使われていてドメインが”ml475.com”
楽天カードのドメインは皆さんご承知の通り”rakuten-card.co.jp”です。
信用第一のクレジットカード企業が、自社ドメインが有るにも関わらずそれ以外のドメインを使った
Amazonを彷彿とさせるようなメールアドレスで大切なユーザー様にメールを送るでしょうか?
送りませんよね?(笑)
新疆ウイグル自治区のどなたか取得のドメイン
では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。
Received:『from hwsrv-1217750.hostwindsdns.com (HELO mail3.ml475.com) (142.11.211.19)』 |
ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。
”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは
送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。
では、”Received”にあったドメイン”mail3.ml475.com”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。
これがドメイン”mail3.ml475.com”の登録情報です。
これによると申請者は中国新疆ウイグル自治区のどなたか。
”142.11.211.19”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
もちろんこのメールは楽天カードからではありませんが”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なので
このメールアドレスはご本人さんのもので間違いなさそうです。
”Received”に記載されているIPアドレス”142.11.211.19”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
地図に立てられたピンの位置は、アメリカのシアトル付近。
そして送信に利用されたプロバイダーもシアトル委に拠点を置く『Hostwinds LLC.』
このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー
を介して私に届けられたようです。
詐欺サイトは今現在香港で稼働中
では引き続き本文。
拝啓 楽天カード会員の皆様
いつも楽天カードをご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび、弊社の不正検知システムにより、一部のカードご利用分について決済を一時停止させていただきましたことをお知らせいたします。
楽天カードでは、第三者による不正使用を防止し、会員の皆様に安心してカードをご利用いただくため、会員様へカードのご利用確認を行っております。
つきましては、お手元にカードをご準備いただき、以下よりご利用内容の確認をお願いいたします。なお、メール送信より72時間経過しますとURLは無効となり、ご確認いただけませんので、ご注意ください。
確認ページへのリンク:h**ps://sgaapparel.com
※楽天e-NAVIのトップページへログインいただいた場合でも、画面上部のご案内よりご利用内容をご確認いただけます。
カード利用お知らせメールの登録・変更は、楽天e-NAVIよりお手続きください。一部メールの受信環境によって正しく表示されない場合がございますので、本メールに記載のご利用明細は、楽天e-NAVIのご利用明細にてご確認ください。
なお、本メールアドレスは送信専用となり、返信はお受けしておりません。メールアドレスの変更は、楽天e-NAVIよりお手続きください。
楽天カード株式会社 |
※直リンク防止のためURLの一部の文字を変更しています。
このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは、楽天カードとは全く異なるドメインのものが直書きされていて
そのリンク先は、コンピュータセキュリティブランドのトレンドマイクロの
『サイトセーフティーセンター』での危険度はこのように評価されていました。
既に『詐欺サイト』としてしっかりブラックリストに登録済みですね。
このURLで使われているドメインは”sgaapparel.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
このドメインは、マレーシアの『Whoisprotection.cc』と言うレジストラを介して取得されていますね。
ここはドメイン登録者の実際の情報を公に表示されないようにするWHOISプライバシーサービスです。
それ故にサイバー犯罪の温床となるとして問題視されています。
このドメインを割当てているIPアドレスは”208.87.207.230”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
エラーになって地図上にはピンは立てられていませんね。
でも、割り出された場所は、香港油尖旺区(ゆうせんおう)旺角(もんこっく)付近。
利用されているホスティングサービスも香港の『SonderCloud Limited』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。
するとこのように本物そっくりのログインページが開きました。
ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。
そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで
詐取されることでしょう。
まとめ
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |