イオンらしくないドメイン いつもご覧いただきありがとうございます! 相変わらずイオンカードに成りすますフィッシング詐欺メールが多く見られます。 もう普通にAmazonのなりすましメールを来れちゃっていますよね。 今日もこのようにあからさまななりすましメールが届いています。 ![](/wp-content/uploads/2024/04/img_661c64cade51d.png) 今回はイオンのスマホ決済『AEON Pay』に関するメールのようです。 『AEON Payの送金異常についてですね。』って、何かこちらから質問したみたいな書き出しで すごく違和感を感じてしまいます。 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきます。 件名は『[spam] イオンペイ送金の異常事態についてのお知らせです。』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”イオンペイ” <support@giu759.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 AEON Payはイオンカードに付随するサービスなので、利用するであろうメールアドレスの@以降の ドメインは”aeon.co.jp”がしかるべきものでこのようなどこの馬の骨か分からないドメインでは ありません。 台湾の方が取得済みドメイン では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 ”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは 送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”giu759.com”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。 ![](/wp-content/uploads/2024/04/img_661c66e24fdf9.png) ![](/wp-content/uploads/2024/04/img_661c671fad3da.png) これがドメイン”giu759.com”の登録情報です。 これによると台湾の方が登録しているようです。 そして”152.32.182.224”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 もちろんこのメールはイオンからではありませんが”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なので このメールアドレスはご本人さんのもので間違いなさそうです。 ”Received”に記載されているIPアドレスは、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 ![](/wp-content/uploads/2024/04/img_661c679d04791.png) (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、アメリカのレストンと言う街 そして送信に利用されたプロバイダーは、香港の『Ucloud Information Technology (Hk) Limited』 このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー を介して私に届けられたようです。 詐欺だけでなく『マルネット』も?! では引き続き本文。 このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『詳しくはこちら』って書かれたところに付けられていて コンピュータセキュリティブランドの『Norton』の『Nortonセーフウェブレポート』では このように判定されていました。 ![](/wp-content/uploads/2024/04/img_661c6870e5f6a.png) 既に危険なサイトとしてしっかりブラックリストに登録済みですね。 そのカテゴリは『悪質なソース/マルネット』 『マルネット』ってことは『マルウェア』の配信も行っているようですからとても危険です! このURLで使われているドメインは”aeon.co.jp.7thoshawa.com”とイオンカードの公式ドメインが 使われているようですが、間違えてはいけませんよ、このURLでもドメイン部分は”aeon.co.jp”ではなく ”7thoshawa.com”です。 このドメインにまつわる情報を取得してみます。 ![](/wp-content/uploads/2024/04/img_661c699a905d8.png) ![](/wp-content/uploads/2024/04/img_661c69b75dc68.png) このドメインを割当てているIPアドレスは”47.245.41.206” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。 ![](/wp-content/uploads/2024/04/img_661c69f8bc700.png) (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 出ました『杉並区立和泉二丁目公園』 国内の詐欺サイトサーバーのほとんどがこの地に置かれています。 利用されているホスティングサービスは、中国の『Alibaba Cloud LLC』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。 開いたのは、もう何度も見て見慣れてしまったイオンカードのパクリサイト。 ![](/wp-content/uploads/2024/04/img_661c6a6aa3e00.png) 本物そっくりですよね。 ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。 そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで 詐取されることでしょう。 まとめ 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |