慌てず騒がず いつもご覧いただきありがとうございます! 昔から『4月バカ』や『5月病』と言われるように春になるとおかしな奴らも増えてきますね。 今回の話題は、久しぶりに『アダルトハッキングメール』のご紹介です。 自身をハッカーだと自称し、ハッキングし弱みを握ったように見せ掛け身代金として仮想通貨を 盗み取ろうとするもので『アダルト』が示す通りその弱みとは一人エッチの動画をいネタにして 脅しをかけてきます。 そのメールと言うのがこちらです。 グダグダと長ったらしく書いてありますが、要約は先程書いた通りです。 今回の身代金は『$1450』でいつも通り足が付きにくいビットコインで要求しています。 支払い期限まで48時間で、これを過ぎるとデバイス保存されている連絡先にその動画を拡散すると 書いてあります。 このようなメールに騙されてはいけませんよ! うちのサイトで扱っているのでもちろんこのメールは悪意を持った詐欺メールで、書かれているのは 全てウソです! では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきます。 件名は『[spam] ご自身の安全を守るために、お読みいただくことを、強くお勧めします。』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人欄には、このメールの宛先のメールアドレスすなわち私のメールアドレスが記載されていて 差出人のメールアドレスはどこにも書かれていません。 ポルトガルの首都リスボンから送信か?! ではこのメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 ”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは 送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。 ”Received”に記載されているIPアドレス”188.80.131.216”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に『IP調査兵団』で危険性や送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) このIPアドレスを元に割り出した危険度は『脅威レベル:高』 その詳細は『サイバーアタックの攻撃元』表示とされています。 地図に立てられたピンの位置は、ポルトガルの首都リスボン付近。 そして送信に利用されたプロバイダーもポルトガルの『Meo – Servicos De Comunicacoes E Multimedia S.a』 このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー を介して私に届けられたようです。 サラダ付き このメールは、仮想通貨のビットコインで身代金を要求しているので特にリンクなどはありませんから 詐欺サイトを調べると言ったいつものような調査は無くこのメールに対する解体はこれで終了です。 このメール、アダルトハッキングメールにはもれなく付けられてくるサービスセットがありますが このメールにもご多分に漏れず付けられていましたので、最後にこのサービスをご紹介して 終わろうと思います。 そのサービスがこちらです。 これは、HTMLで表示されていたこのメールを設定を変更しTEXT表示に切り替えたものです。 記号と数字がひたすら書かれていますよね。 これ『ワードサラダ』と呼ばれるもので、簡単に言うと詐欺師がよく使うセキュリティーの突破術。 最近のメール受信サーバーには、迷惑メールや詐欺メールを判定するスパムフィルターと呼ばれる セキュリティー機能が設けられています。 これに引っかかるとGmailのように自動的に迷惑メールフォルダーに振り分けられたり うちのサーバーのように件名の見出しに『[spam]』と付加されたりします。 このように意味の分からない記号や数字を並べ立ててフィルターを混乱させスルーさせるのが目的。 でもこの件名にはしっかり『[spam]』と付けられているので、このメールは残念ながらうちの サーバーを突破することはできなかったようですね。 まとめ 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |