今度は支払額の通知 いつもご覧いただきありがとうございます! 当地ではやはり昨日の大雨で咲き誇っていた桜の花びらが散り始め、入れ替わるようにして新芽が 芽吹き始めてきましたが皆さんの所はいかがでしょうか? さてそんな中、本日も昨日に引き続きエポスカードに関するフィッシング詐欺メールの話題です。 今日届いたのがこのようなメール。 『尊敬する』から始まるのでこのメールは詐欺メール。 この確率は非常に高く、私見ですが100%です。(笑) 今回のメールは、最近他のカード会社の詐欺メールでも多く見られる架空の支払い請求を騙ったものです。 私は今月、エポスカードを使って50,643円の支払いがあるようです。 何とも微妙でありがちな金額ですが、残念ながら私、エポスカードは持っていないのです。(^^;) では、このメールもいつものように解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきます。 件名は『[spam] エポスカードからのお知らせ:お支払額のご案内(お支払いがないかたにもお送りしております)』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”エポスカード” <support@hsf125.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 いつものくだりになりますが、ここで使われている@以降のドメインは”hsf125.com” エポスカードのオフィシャルサイトでURLを確認すれば簡単に分かりますが”eposcard.co.jp”が エポスカードの公式ドメイン。 公式なドメインがあるのにそれ以外のメールアドレスを利用するなんて気が狂ったか偽物しか 考えられません(笑) まあ、この”hsf125.com”なんてドメインも眉唾ですけどね! ”hsf125.com”は偽装 では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 ”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは 送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”hsf125.com”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。 これがドメイン”hsf125.com”を割当てているIPアドレスの情報です。 これによると”23.236.122.225”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 本来このIPは”Received”のIPと同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので このメールのドメインは”hsf125.com”ではありません。 これでアドレスの偽装は確定です! ”Received”に記載されているIPアドレスは、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、アメリカワシントン州レドモンドの森の中。 あくまでおおよそですが… そして送信に利用されたプロバイダーは、ロサンゼルスと上海に拠点を置く『Zenlayer Inc』 このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー を介して私に届けられたようです。 ドメイン維持費が心配… では引き続き本文。 このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは3箇所にエポスカードの公式ドメインのURLが直書きされていますがもちろんこれは偽装。 3つとも同じサイトにつながるように仕組まれていて、そのサイトの危険度はGoogleの『透明性レポート』の サイトステータスでこのようにレポートされていました。 既に『フィッシングサイト』としてしっかりブラックリストに登録済みですね。 リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。 このURLで使われているドメインは”epocard.co.jp.upyeffd.cn” 間違ってはいけませんよ、このURLのドメイン部分は”epocard.co.jp”じゃなくて”upyeffd.cn”です。 因みに”.cn”は中国の国別ドメイン。 このドメインにまつわる情報を取得してみます。 またこの方が所得しているドメインですか… いったいいくつドメインを持っているのでしょうか? 維持費だけでも相当な金額だと思うのですが、詐欺はそれに似あう稼ぎが出るのでしょうか?(;^_^A このドメインを割当てているIPアドレスは”47.74.9.240” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 出ました『杉並区立和泉二丁目公園』 この付近には相当数の詐欺サイトが影を潜めて皆さんを待っています! 利用されているホスティングサービスは、中国の『Alibaba Cloud LLC』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。 すると真っ先に真っ赤なページでブロックされました。 構わず先に進んでみると開いたのはこのページ。 昨日と同様に本物そっくりのログインページが開きました。 ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。 そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで 詐取されることでしょう。 まとめ ここ数日の詐欺メールのトレンドは『エポスカード』のようで、急増している感があります。 まあすぐにすたれて別の金融機関などに鞍替えすると思いますが… 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |