間延びした空白の多いメール いつもご覧いただきありがとうございます! 冒頭から長ったらしいスクショですいません。 これ、PayPayカードから届いたメールです。 間延びしていますが、加工せずそのまま載せています。 『異常な操作』ってのは不正利用があったことを言っているのでしょうか。 無意味な空白がありすぎて全然本物感がありませんね。(笑) このメール、スクロールしないと最後まで読めないのですが、その最後に書かれているのは 何と『このメールは「えきねっと」より自動配信されています』って…PayPayだったはずだけど…(^^;) では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきます。 件名は『【じゅうよう】PayPayからの緊急のお知らせ2024/3/25』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 『じゅうよう』って、信憑性が欠けてしまうので漢字使いましょうよ(笑) この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”support” <support@sojustore.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 PayPayカードのオフィシャルサイトでURLを確認すれば簡単に分かりますが、PayPayカードのドメインは ”paypay-card.co.jp”で”sojustore.com”なんてドメインではありません。 自社の公式ドメインを持っているのにそれ以外のドメインメールで会員宛にこのような重要なメールを 送るなんて常識外れも甚だしいですよ! 故にこのメールは偽物による詐欺メールです! ウクライナのキーウから送信 では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 ”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは 送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。 では、メールアドレスにあったドメイン”sojustore.com”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。 これがドメイン”sojustore.com”の登録情報です。 これによるとこのドメインはアメリカミズリー州セントルイスの方が申請されています。 ”194.38.22.155”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 もちろんPayPayカードの関係者ではありませんが”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なので このメールアドレスは、差出人ご本人さんのもので間違いなさそうです。 ”Received”に記載されているIPアドレス”194.38.22.155”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、約2年ほど前から誰もが知ることになったウクライナの中心地付近。 そして送信に利用されたプロバイダーは『Nts』 このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー を介して私に届けられたようです。 リンク先は現在接続不能 では引き続き本文。 あっちこっちの句読点おかしいこのメール。 詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『■こちらからご利用の確認を行います』って書かれたところに付けられていて、 そのリンク先は、コンピュータセキュリティブランドのトレンドマイクロの 『サイトセーフティーセンター』での危険度はこのように評価されていました。 ちょっと、ちょっと、安全って… どうしてこのような判断なんでしょうね? 後ほど確認してみることにして、このサイトで使われているドメインについて調べてみましょう。 このURLで使われているドメインは”support.py.andamom.com” このドメインにまつわる情報を取得してみます。 これって、メールのドメインと同じ方が申請されていますね。 このドメインを割当てているIPアドレスは”194.38.22.143” 末尾のセグメント以外はメールのドメインを割当てていたIPアドレスと同じですね。 このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、当然と言えば当然ですがメールのドメインと同じウクライナのキーウ付近。 利用されているホスティングサービスも『Nts』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 それにしてもなぜトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』ではあのような危険度評価だった のでしょうか? 早速リンク先で確認してみることにします。 タイムアウトして接続することはできませんでした。 それでああいった評価だったんですね。 まとめ 詐欺サイトは既に閉鎖されているようです。 まあ復活することは無いとは思いますが、一応PayPayの利用者の方お気を付けください。 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |