楽天カードから楽天カードではないメールアドレスで着信 いつもご覧いただきありがとうございます! 今日が2024年3月25日。 近年なら桜が満開の頃ですが、3月に入ってからの冷え込みでご当地名古屋のソメイヨシノはまだつぼみ。 先っちょがほんのり赤みを帯びてきた感はあるものの、今日明日と雨予報なので開花はもう少し先と なりそうで、今年が意外と昭和の頃のように小学校の入学式に満開を迎えそうです。 さて、今回は楽天カードに関する詐欺メールのご紹介となります。 Amazon程ではないものの楽天関連の詐欺メールも多くあり、中でも特に楽天カードを騙ったものを よく見掛けます。 今日もこのように味気の無いモノクロームなメールが届いていました。 どうやら私のカードを使った不正利用があったとか。 その利用分の決済は一時停止されているので、リンクから利用内容を確認するよう促しています。 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきます。 件名は『[spam] 【重要】カード利用に関するお知らせ』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”楽天カード株式会社” <noreply@rakutencard.co.jp>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 ”rakutencard.co.jp”に、ん?と思った方いらっしゃいますか? 私は『ピン』と来ましたよ。 そうです、楽天カードの公式なドメインは”rakutencard.co.jp”ではありませんよね? 正しくは”rakuten-card.co.jp”です。 楽天カードをお持ちの方は、本物の楽天からのメールでメールアドレスをご確認ください。。 じゃ”rakutencard.co.jp”はどこの誰のドメインでしょうね? その辺りは次の項で詳しく確認してみましょう! 様々なことが次々と浮き彫りに では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 ”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは 送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する 先程、メールアドレスにあったドメイン”rakutencard.co.jp”は楽天カードのものではないとお話ししました。 じゃ、このドメインは誰のものなのでしょうか? 早速調べてみましょう! これがドメイン”rakutencard.co.jp”の登録情報です。 『対応するIPアドレスがありません』とあるので、このドメインは現在IPアドレスが割当てられて いない状態で、現状ネット上では利用できません。 このドメインの申請者は『 第三犬鷲株式会社』と記載があります。 この企業に関して調べてみると、どうやら2018年9月14日に楽天グループに吸収合併され、現在は 『楽天ビジネスサポート株式会社』として営業をされているようです。 更にこのドメインのロック状態は『AgentChangeLocked』とあるので、指定事業者変更またはドメイン名の 移転ができないように制限された状態。 と言う訳で、ねっとでは現在利用することができないドメインなので、この差出人のメールアドレスは ウソレアルことが分かりましたね! ではもう一度、視点を”Received”に戻しましょう。 ”Received”に記載されているIPアドレス”104.168.174.137”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、アメリカのシアトル付近。 そして送信に利用されたプロバイダーもシアトルにある『Hostwinds LLC.』 このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー を介して私に届けられたようです。 リンク先詐欺サイトはしっかりブロック済み では引き続き本文。 このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『[確認ページへのリンク]』って書かれたところに付けられていて そのリンク先はGoogleの『透明性レポート』のサイトステータスは このようにレポートされていました。 既に『フィッシングサイト』としてしっかりブラックリストに登録済みですね。 リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。 このURLで使われているドメインは”rciag.com”と、もう楽天カードの影すらありません。(笑) このドメインにまつわる情報を取得してみます。 中国山東省から申請されているこのドメインを割当てているIPアドレスは”45.207.45.195” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、アメリカのロサンゼルス付近。 利用されているホスティングサービスは、香港を拠点とする『SonderCloud Limited』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。 おっと!Chromeがしっかりとブロックしてきました! 構わず先に進んでみると… 本物そっくりのログインページが開きました。 ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。 そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで 詐取されることでしょう。 まとめ 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |