| 『マイナポイント事務局』から一晩に9通のメールが!いつもご覧いただきありがとうございます! 今朝、メールボックスを開けてみると『マイナポイントイントを獲得しました』ってメールが9通。(-_-;)9通って数もだけど『マイナポイント』じゃなくて『マイナポイントイント』って…
 わかっててやってるよね、コレ…
 
  同じメールを先日ご紹介したばかりなので、スルーするとして、今回はこちらのイオンカードを騙った詐欺メールを解説していこうと思います。
 
  最近イオンカード系の詐欺メールが仮想通貨系に押されて少ないなと思っていた矢先にまたバタバタと送られてくるようになりました。
 今回は、何やら勝手に追加認証を登録したとかで、今後不審なアクセスがあった場合ワンタイムパスワード
 の認証が必要になるとか。
 ワンタイムパスワードって不審なアクセスだけじゃなくて常にじゃないんですか?
 と突っ込みを入れるとか入れないとか…(^^;)
 このメール、また企業名に『イオンクレジットサービス株式会社』が使われていますね。毎回書きますが、Wikipediaによるとこの企業に関してはこのように説明されています。
    | イオンクレジットサービス株式会社は、かつて存在した日本のクレジットカード会社。 イオングループにおけるクレジットカード会社で、イオンフィナンシャルサービスの連結子会社である。
 2023年6月1日に完全親会社のイオンフィナンシャルサービスに吸収合併され、解散した。
 |  ってなわけでこの企業はもう世の中に存在しません。そんな企業名を使っているってことは、このメールはイオンカードからのものではないのは明白!
 もう何と書かれようが全然信じることはできませんね。
 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!まずはプロパティーから見ていきます。
 件名は『[spam] 【AEON】カード利用確認手続きのお知らせ(自動配信メール)』ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
 ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
 差出人は『”toyota” <update@qp2518.com>』
 皆さんはご存じでしょうか?
 この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
 ですから、ここは信用できない部分です。
 イオンカードのオフィシャルサイトでURLを確認すれば簡単に分かりますが、イオンカードの公式ドメインは”aeon.co.jp”でこのような数字を使ったドメインではありません!
 このメールアドレスから見てもこの差出人はイオン関係者ではないことが分かりますね!
 
 アドレス偽装発覚!では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。
    | Received:『from mail.qp2518.com (ecs-159-138-133-51.compute.hwclouds-dns.com [159.138.133.51])』 |  ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いものでこのメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。
 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
 因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
 ものがドメインと呼ばれるものです。
 ”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。
 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すればメールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
 違反となり処罰の対象とされます。
 ※特定電子メール法違反・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
 ・法人の場合、行為者を罰する
 では、メールアドレスにあったドメイン”qp2518.com”が差出人本人のものなのかどうかを調べてみます。
  これがドメイン”qp2518.com”の登録情報です。これによると””がこのドメインを割当てているIPアドレス。
 本来このIPは”Received”のIP”159.138.133.51”と同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので
 このメールのドメインは”qp2518.com”ではありません。
 これでアドレスの偽装は確定です!
 ”Received”に記載されているIPアドレス”159.138.133.51”は、差出人が利用したメールサーバーの情報でこれを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。
 
  (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
 地図に立てられたピンの位置は、香港の『九龍(きゅうりゅう)』付近。そして送信に利用されたプロバイダーは、中国に拠点を置く『Huawei International』
 このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー
 を介して私に届けられたようです。
 ホスト名には”hwclouds-dns.com”なんてドメインが記載されているので、このIPアドレスにはこのドメインが割当てられているようです。
 このドメインについても調べてみました。
 
  あまり詳しい情報は出てきませんでしたが、このドメインは中国広東省の方が申請しているようです。 
 リンク先はイオンに似ても似つかぬドメインででは引き続き本文。    | いつも暮らしのマネーサイトをご利用いただきありがとうございます。 追加認証情報のご登録が完了いたしました。
 今後普段と異なる環境からアクセスされた場合、ワンタイムパスワードによる追加認証が必要となります。
 何卒ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。
 ※ご登録いただいた「合言葉」はワンタイムパスワード配信用メールアドレスを変更する場合に
 必要となります。他人に知られないように大切に管理してください。
 イオンクレジットサービス株式会社 :
 http://www.aeon.co.jp/
 ※ご利用端末の登録(普段使用する端末として登録)をされた場合でも、異なるブラウザで
 アクセスした場合や、ブラウザの設定を変更された場合は普段と異なる環境と判断され、
 ワンタイムパスワードによる追加認証が必要になることがあります。
 |  このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。そのリンクは、イオンカードの公式ドメインを使ったURLで直書きされていますが
 当然そんなのは偽装!
 そのリンク先を無料のWebセキュリティサービス『gred』でチェックするとこのような結果が出ました。
 
  既に『フィッシングサイト』としてしっかりブラックリストに登録済みですね。 このURLで使われているドメインは”jordansif.com”と、イオンカードには似ても似つかぬもの。このドメインにまつわる情報を取得してみます。
 
  香港から申請されているこのドメインを割当てているIPアドレスは”192.253.227.43”このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。
 
  (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
 地図に立てられたピンの位置は、こういった調査でよく出てくる『天安門広場』の東側付近。利用されているホスティングサービスは『Integen』
 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^Aそれを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。
 
  本物そっくりのログインページが開きました。ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。
 そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで
 詐取されることでしょう。
 
 まとめ恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |