セゾンカードのメールの署名に西武プリンスホテルが いつもご覧いただきありがとうございます！ セゾンカードからなんとも不思議なメールが届いていましたので早速ご紹介していこうと思います。
先に言っておきますが、因みに私、セゾンカードユーザーではございません！
 本文の内容は、二段階認証を導入しないとカード利用が制限されるからリンクから設定するように
促しています。
まあありがちな内容かとは思うのですが、このメール注意事項の箇条書き辺りからどうにも怪しく
なってくるんです。 この注意事項に『宿泊料金』に関しての項目が2つ。
あれ？クレジットカードの二段階認証についてなのにどうして宿泊料金の説明があるのでしょうか？
更に読み進めていくと、発行元とお問合せ欄には訳の分からない数字とアルファベットが並んでいて
それが社名と住所に入れられており、何処へ問い合わせたら良いのか分からなくなっています。
そしてもっとさらに進むと、著作権表示に『SEIBU PRINCE HOTEL』と…
ああ、それで注意書きに『宿泊料金』と書かれていたのですね。
って、ここ納得するところじゃないか。。。(笑) このメール、本気なのかお遊びなのか知りませんが、セゾンカード用と西武プリンスホテルの詐欺メールを
がっちゃんこして作った感じですね。 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきます。 件名は『[spam] セゾンカード二段階認証の導入についてのお知らせ』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は
『”セゾンカード” <Rory-*****@hernandez-ortiz-front.griprope.com>』
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。 例によって@以前のアカウント部分に受信者のメールアカウントが埋め込まれています。
そして@以降のドメイン”hernandez-ortiz-front.griprope.com”
どうして公式ドメインを持っているセゾンカードがこのような全く関連性の無いクソ長いドメインの
メールアドレスでユーザーにセキュリティーに関する需要なメールを送るのでしょうか？
あり得ませんよね！
クソ長いドメインのメールアドレスさえ偽装されていた では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。 ”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは
送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”hernandez-ortiz-front.griprope.com”が差出人本人のもの
なのかどうかを調べてみます。
 これがドメイン”hernandez-ortiz-front.griprope.com”を割当てているIPアドレスの情報です。
これによると”207.148.248.144”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来このIPは”Received”のIP”42.240.144.8”と同じ数字の羅列になるはずですが、それが全く異なるので
このメールのドメインは”hernandez-ortiz-front.griprope.com”ではありません。
これでアドレスの偽装は確定です！ ”Received”に記載されているIPアドレス”42.240.144.8”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
地図に立てられたピンの位置は、中国最大の詐欺メール発信地域の天安門広場東側付近。
そして送信に利用されたプロバイダーも中国の『Ucloud』
このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー
を介して私に届けられたようです。
香港で稼働中の詐欺サイトは本物そっくり では引き続き本文。 このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクはページ内にいくつか付けられているのですが、接続先はすべて同じサイトです。
そのリンク先は、コンピュータセキュリティブランドのトレンドマイクロの
『サイトセーフティーセンター』での危険度はこのように評価されていました。
 既に『フィッシングサイト』としてしっかりブラックリストに登録済みですね。
それ以外にも『不正プログラム配信』なんてこともしているようです。
リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。 このURLで使われているドメインは”openseameta.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
 中国江西省から申請されたこのドメインを割当てているIPアドレスは”43.129.177.171”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。
(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、香港の『Kowloon(九龍)』付近
利用されているホスティングサービスは、シンガポールに拠点を置く『Aceville Pte.ltd』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。
 パズル認証まで付けられた本物そっくりのログインページが開きました。
因みに本物のセゾンカードのロブインページには現在パズル認証は付けられていません。 ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。
そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで
詐取されることでしょう。
まとめ まあこんなハチャメチャなメールに騙される方はいらっしゃらないとは思いますが
一応エントリーしておきました。 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; | 
