日本語に難あり ここ最近はイオンカードを騙る詐欺メールが大量に送られてくるようになりAmazonを騙るものをはるかに 超え、現在の詐欺メール界のトレンドとなってきました。 今日も相変わらずイオンカードを騙るたくさんの詐欺メールが届いております。 その中の一つがこちらのメール。  どことなく日本語の扱いがおかしいこのメール。 相変わらず件名と末尾の署名欄には吸収合併で消滅した『イオンクレジットサービス株式会社』なんて 空想の企業名が記載されています。 日本語がおかしくてあまり頭に入ってきませんが、読んでみるとどうやら私のイオンアカウントが セキュリティレビューとやらに合格していないとかですぐに情報を更新しないとアカウントが凍結される らしいです。 因みに私、イオンのアカウントなんて持っていません…(笑) では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は『[spam] 当社はお客様のアカウントを一時停止し』 中途半端な件名ですね。 その先がどうなるのかまで書かないと… ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”イオンクレジットサービス株式会社” <support@oim684.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 何度も言いますが、『イオンクレジットサービス株式会社』はもう存在しません。 更にイオンカードの公式ドメインは”aeon.co.jp”で”oim684.com”なんて数字がちりばめられた ドメインではありませんよ! 上海のメールサーバーを経由 では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 Received:『from mail.oim684.com (unknown [106.75.167.127])』 | ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”oim684.com”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。  これがドメイン”oim684.com”を割当てているIPアドレスの情報です。 これによると”106.75.169.87”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 本来このIPは”Received”のIP”106.75.167.127”とよく似てはいますが異なっているので このメールのドメインは”oim684.com”ではありません。 これでアドレスの偽装は確定です! ”Received”に記載されているIPアドレスは、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。  地図に立てられたピンの位置は、中国の上海付近。 送信に利用されたのも中国の『Ucloud』と言うプロバイダーです。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 ホスト名に”dgrixing.cn”なんてドメインが書かれていたので持ち主を調べると、これまた中国の方でした。 サイトはしっかりブロックされていました では引き続き本文。 【AEON】カード「お客様情報の確認」 お使いの AEONアカウントは、システム検出後にアカウントのセキュリティ レビューに合格していません. 1 日以内にアカウント情報を更新してください. 申し訳ありませんが、すぐに情報を更新しないと、システムがアカウントを凍結します. つきましては、以下へアクセスの上、カードのご利用確認にご協力をお願い致します。 ご回答をいただけない場合、カードのご利用制限が継続されることもございますので、予めご了承下さい。 ■ご利用確認はこちら ■ 上記を入力して認証手続きをお願いいたします。 ※家計簿アプリなどをご利用中の場合、画面上の操作を直接行わなくても本メールが送信される場合がございます。 ※入力には有効期限がございます。必ず有効期限内にお手続きください。 有効期限が切れた場合は再度お手続き頂きますようお願いいたします。 ——————– ■このメールは送信専用メールアドレスから配信されています。ご返信いただいてもご用件は承れません。 ご不明な点がございます場合は、よくあるご質問をご確認ください。 ■イオンマークのカードをお持ちではなく、当メールにお心当たりのない方は、大変お手数をお掛けしますがその旨を受信したメールの内容とともにお書き添えいただき下記宛先までご連絡ください。 𝗇𝖾𝗍𝖻𝗋𝖺𝗇𝖼𝗁@𝖺𝖾𝗈𝗇.𝖼𝗈.𝗃𝗉 ■お問い合わせ先:𝗁𝗍𝗍𝗉𝗌://𝗐𝗐𝗐.𝖺𝖾𝗈𝗇.𝖼𝗈.𝗃𝗉/𝗂𝗇𝗊𝗎𝗂𝗋𝗒/𝖼𝗈𝗇𝗍𝖺𝖼𝗍/ ※個人情報に関わるご質問については、お電話でのご回答に限らせていただいておりますので、あらかじめご了承ください。 ——————– カード発行元:株式会社イオン銀行 業務受託会社:イオンクレジットサービス株式会社 𝗁𝗍𝗍𝗉𝗌://𝗐𝗐𝗐.𝖺𝖾𝗈𝗇𝖼𝗋𝖾𝖽𝗂𝗍.𝖼𝗈.𝗃𝗉/ | このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『■ご利用確認はこちら ■』って書かれたところに付けられていて、 そのリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での 危険度評価がこちらです。  既にフィッシングサイトとしてしっかりブラックリストに登録済みですね。 リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。 このURLで使われているドメインは”www.liuxiaodong1.cn”と中国のドメインです。 このドメインにまつわる情報を取得してみます。  詐欺メールやサイトの調査でよく見掛ける中国の方のお名前が記載されています。 このドメインを割当てているIPアドレスは”104.21.93.205” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。  最近おなじみのトロント市庁舎付近の地図が表示されましたが、これもある意味詐欺メールあるあるです。 そして利用されているホスティングサービスは『Cloudflare』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。 すると真っ先に真っ赤な画面が表示されChromeから危険であるとしてブロックされてしまいました。  構わず先に進んでみると、アドレスバーに『危険』と書かれたイオンカードそっくりのページが開きました。  ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。 そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで 詐取されることでしょう。 まとめ それにしてもこんなに大量のイオンカードを騙った詐欺メールを送って騙される人いるんでしょうかね? ただ単に面白がって愉快犯が送っているものなのでしょうか? 私にはその神経が分かりません…. 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |